小学校の英語必修化のメリット・デメリット | 親ができることは?

2021.11.08

子ども英語

小学校英語教育が始まって、お子さまたちの外国語活動は順調に進んでいますか? 小学校英語で英語学習の基礎を培い、コミュニケーション能力を高めるよう2020年から英語の指導が始まっています。学級担任やALTの外国語講師とともに英語授業を受け始めて、子どもたちに積極的に英会話を学べるよう、親たちができることを考えていきたいと思います。

小学校の英語教育必修化で変わること

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小学校の英語教育必修化の現状

文科省が小学校の英語教育について再検討をし始めたのは、2003年頃。2002年に総合的学習の時間、ゆとり教育を設け、そこに英語活動を持ち始めた学校もありましたが、教育現場では英語教育は周知せず、日本人のコミュニケーションスキルは高まることはありませんでした。
その轍を踏まえて2020年度から小学校の英語必修化が実施。対象は小学3年生から6年生。学年を経るごとに成績にも反映されるようですが、英語でのコミュニケーションができる子どもたちを育てることが主眼です。小学3・4年生で週1コマ、小学5・6年生で週に2コマの英語の授業が始まっています。

子どもたちの英語は学校に任せていたら安心、と思っている方も多いかもしれません。しかし中学・高校で英語を学んできた親たち世代が、英語でしっかりコミュニケーションできていますか?
学校で学ぶことはその学問の入り口です。お子さまが何に興味を持ち、何を学びたいかを考える見つける場が学校です。学校はひと通り教えてくれるだけです。国語が好きなら文学系へ、算数が得意なら理工系の大学に進む、そのため好きな学科も、苦手な学科もひと通りこなす場所が学校であり、基礎学力を育む場所でした。そして何を専門に学ぶか、目指す方向を決める基礎教育でもありました。
しかし目指す大学は、今ビジネススクールの一端のようで、つねにその先に就職のことがついて回ります。就職のための学問、大学進学。本来はそうではなかったはずです。
何を専門に学びたいか、その先に大学があったのですが、今では大学の学部の多くは、就職のための教育機関のひとつになってしまいました。

でも英語はコミュニケーション。表現したいこと、伝えたいことがあって初めて成り立つものです。ではその英語でのコミュニケーションをどう子どもたちのものにするか、そこが肝心な問題です。

学習指導要領の内容

小学校3・4年生ではまず英語に慣れることから始めます。「英語耳」を培うために、歌やゲームなどのアクティビティを取り入れて、机の上だけではない英語教育を目指します。文部科学省は何度も英語教育改革に努めてきましたが、2020年度からは従来と違った教育改革を導入しています。
子どもたちに評価や単位より、段階的に英語の理解を深めていけるよう、学習時間を設けています。現状の日本人の英語教育の課題をクリアして、机上より実践的な学習につなげています。

小学5年生からは教科として授業時間を設けていますが、小学校高学年の英語学習は、中学生までに英語でのコミュニケーション能力を高めることを目指します。担当教員やネイティブスピーカーたちとのやりとりを積極的に取り入れていきます。
英語を知識としてではなく、コミュニケーションとして発信することを主眼に置いています。

小学校3・4年生では年間70単位時間、小学校5・6年生では年間140単位時間を設け、小学校英語教育を全面実施していきます。子どもたちが外国語を通して見聞を広め、積極的にコミュニケーションをはかれるよう、文部科学省の指導要領に盛り込まれています。

小学校の英語教育に期待されること

小学生のこの時期に、英語とともに異文化を学ぶことはとても好い機会です。自己が確立し始めるこの頃、英語と英語を話す人たち、その文化や習慣に触れることは、とても大切です。
2020年の小学校の英語必修化が、お子さまたちの英語でのコミュニケーションの素地を育むような教育になるよう、英語の「聴く・話す・読む・書く」の4技能をバランスよく鍛えるとともに、グローバル化に対応した人材育成も小学英語の目標のひとつです。

小学校の英語教育必修化は英語に触れるきっかけです。子どもたちに英語が楽しいという気持ちになってもらい、その英語を使って自分自身を表現できるようになることを目指しています。
学業なので成績も肝心です。かつて日本の英語教育は詰め込みでした。文法ばかりを重視し、一生使わないような長い長い英単語、発音記号を知り、アクセントを覚えました。でもそれはコミュニケーションとしての英語ではなかったのです。
英語は言語です。現在の子どもたちの英語活動での学習内容が、言語活動であることはかつての文部省の教育策とは違い、コミュニケーションの指導に注力していることは明らかになっています。

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小学校での英語教育必修化のメリット・デメリット

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次に小学校での英語教育必修化のメリットとデメリットを解説していきます。

メリット

英語に親しむことができる

最初は英語に触れて、その英語の世界に親しむことは、子どもたちにとってメリットにはなるはずです。漠然としてとらえていた英語を、学校で習うことにより、系統立てて理解することができることが期待できそうです。新しい言語を学ぶことでコミュニケーションの幅が広がることは確実です。

日常生活で見られる英語の読解に役立つ

鉄道のアナウンスも英語、中国語、韓国語と、国際観光国として複数の言語のコミュニケーションが整備され、日常化されています。今は街中に進出してきた英語の表記や英語の音。子どもたちは何となく毎日その英語に触れていますが、学校の授業で習ったことに英語への気づきを感じ取ることができることでしょう。

英語圏の文化に理解を深められる

英語学習を通じて、子どもたちが今まで知らなかった世界を知り、その文化や習慣を理解することができます。世界中の人々のさまざまな価値観や多様性を学べることは、これからの子どもたちのグローバルな素地を築いていけることでしょう。

中学校で英語の授業にスムーズに対応しやすくなる

小学生で英語の基礎を培うことは、これからの英語学習の土台となります。中学校での英語の授業へ自然と移行し、英語学習をより密に継続できるようになります。

デメリット

日本語の上達に悪影響を及ぼす可能性がある

また小学生で英語を始めることのデメリットに、こんな懸念もあるかもしれません。日本語だってまだ確立していないのに、併せて学んで問題はないのでしょうか。そう不安を感じられる保護者の方もいらっしゃるかもしれません。シェーンでも幼児期の英語について、そんなご相談が寄せられたこともあります。

また日本語もたどたどしいのに、英語を始めて大丈夫でしょうか。そんな時にはこうお伝えしていました。

「お子さまたちは日頃の語りかけを通して、着々と日本語の土台を築いています。言葉に敏感になり、環境に順応しようとしています。周囲が日本語であれば日本語を、英語に囲まれていれば英語を使おうとしますので、混乱することはありません。英語を習うことによって、日本語に対する意識も高まると考えられています」

幼児期でも人の頭の中では、きちんと言語の使い分けができているのですから、小学生には問題はないと言えるでしょう。

教員の指導力に差がある

小学校の英語教育については、文部科学省から英語教員対象の研修も予め実施されています。実施状況調査では公立小学校のほとんどが、学級担任が英語の授業を担当するようです。英語教育に注力する特別校や私立校に比べて、指導力の懸念も心配されるところです。自宅学習や学校外で英会話教室に通われる子どもたちも少なくはないようです。

小学校の英語必修化に親ができること

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英語でのコミュニケーションをとる

日本語も英語もコミュニケーションツールです。何を伝えるか、何をしたいかを見据えていかないと、コミュニケーションではありません。ご家庭でもコミュニケーションを十分に図ることも必要です。英語に触れられる動画サイトなどで活用しながら、子どもたちと英語でのコミュニケーションを取る機会を設けてみましょう。親子で英語を楽しむと効果的です。

学習のテーマを子どもの関心に近づける

またお子さまの興味がどこにあるのか、好きなことを伸ばしてあげる環境を作りましょう。歌やダンスが好きなら、英語の歌、ダンスに触れさせる機会を作ってみましょう。ゲームが好きなら、英語でのゲームをいっしょに楽しみながら、子どもの関心を英語に向ける機会も作ってみましょう。好きなことは上達につながります。遊びを学習につなげることも大切なことです。

子どもと一緒に学習の目標を見つける

今、英検®の合格を目指して勉強する小学生の子どもたちが増えています。英語学習を1年ほど続けた子どもたちには、英検®の級を目標に学習することも効果的だと考えます。合格を目指して勉強することで、モチベーションにもつながり、英検®合格することで、子どもたちの達成感も生まれます。ただしテストを押しつけることなく、自然なカタチで進めることも肝心です。

ネイティブの英語に触れる機会を作る

自分たちとは違う髪や肌、目の色の外国人が、日本語とは違う言葉を話していることを間近にする機会は、子どもたちが英語に触れるための第一歩です。日本人同士の環境では生まれない体験が、英語への興味を募ります。英会話教室に通うだけではなく、英語のイベント参加などを通して、ネイティブの英語に触れる機会を作ってみましょう。

小学生は英検®️何級を目指せばいいの?効果的な勉強法は?

小学校の英語学習対策におすすめ!シェーン英会話のレッスン

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シェーンでは1977年の創業以来、英語を母国語とするネイティブ講師による英語のレッスンをお子さまから大人の方まで行っています。英語を母国語とする講師たちから、英語を聴きとり、英語でのやりとりをするまで、全て英語だけのレッスンを行っています。

シェーンの子ども英語

シェーンでは2才のお子さまからネイティブ講師がレッスンを担当します。全て英語で行うレッスンでお子さまの英語耳を培い、自然な英語でのやりとりが行えることを目指します。英語だけのレッスンを可能にするには指導のスキルが必要です。シェーンの講師たちは英語指導資格をおもに取得している人材を採用のうえ、着任前に56時間の英語指導コースの修了を義務づけています。英語だけで子どもたちに理解させるスキルを身につけレッスンに臨んでいます。少人数レッスンで教室内でも、クラスコントロールをしながら、お子さまたち一人ひとりに目を配ることに努めています。

また2才のお子さまから中学生まで13段階のクラスに分け、年齢と英語の習得度の程度に併せてレッスンをご案内しています。英語のリスニング、スピーキング、リーディング、ライティングのスキルの習得を目指すことはもちろん、英語を話す人々の背景にある異文化や習慣を理解できる内容をレッスンに盛り込んでいます。さらに小学校低学年から日本人講師の英検®準備レッスンを併せて受講いただけます。

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シェーン英会話の英検®対策

英検®準備と英検®対策に特化したレッスンは日本人講師が担当します。ネイティブ講師のレッスンで英語に耳を馴らし、日本人講師の英検®に特化したレッスンで、英語を系統立てて学んでいきます。

シェーン英会話の英検®対策の特徴

シェーンではネイティブ講師のレッスンと併せて日本人講師のレッスンを行っています。ネイティブ講師のレッスンでリスニングとスピーキング力を築き、日本人講師のレッスンでリーディングとライティング力を身につけていきます。英検®準備としてのレッスンは小学校低学年から、英検®対策の合格を目指したレッスンは、恒常的に学べる少人数レッスンと集中して学べる個人レッスンをご用意しています。受験のテクニックはもちろん、間違いやすい問題を何度もくり返して答えることで、着実に英検®合格を目指します。

合格実績

シェーンでもたくさんの小学生の生徒さんたちが、英検®受験を目指してレッスンを受講しています。小学2年生から英検®準備レッスンを始めたお子さまは、小学校6年生で4級、中1で3級、中2で準2級と着実に英検合格を重ねています。

シェーン英会話の英検®対策をチェックする

英語の力を活かしコミュニケーションがはかれるようになるために

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シェーンでは毎年夏に英国をはじめ、お子さまたちが海外体験する機会を設けています。毎週一度の英語のレッスンから、身体を丸ごと英語の環境に身を置くお子さまたち。最初は緊張していたお子さまも、次第にその環境に順応していく様子が伺えます。世界中から集まる子どもたちとの交流を通して、母語ではない言葉でコミュニケーションし、相手の住む世界を知ります。見て、聞いて、感じる。その国際感覚を肌で感じたお子さまたちがやがて何かに気づき、その未来に英語を使う道を選ばれたお話もたくさん伺いました。中学1年生で初めて海外語学研修にご参加された生徒さんのお声を紹介します。

「中1の最初の海外留学では、日本と全く違うから緊張しまくりました。高校1年で再び参加した時は、少し余裕が出てきて周りの状況が見えてきました。海外から来ている留学生たちが、みんな目的を持って勉強していることを知りました。今まで自分は目標の高校に入ること、希望の大学を目指すことしか考えていなかったことに気づけました。中学・高校受験も基本的にはゴールではなく通過点でしかないのだから、それが目標ではなかったのです。シェーンで英語を学ぶ機会を与えられて、その英語のスキルをどう使うか、今はそれを模索中です」

受験が通過点と気づき、ご自分の目的を定め、意見を持とうと思われたところに、海外体験の成果が感じられます。体験することが人を別の世界に誘うのですから、何をしたいかを話せるご家庭の環境作りも大切だと考えます。ご家庭でのコミュニケーションが英語の素地をも作るのです。小学校で英語を始めたお子さまに、その感想を聞き、好きなのか嫌いなのか、その関心を探ってみましょう。

「英語は簡単? 難しい?」 「どんな教科書を使っているの?」 「担任の先生の英語、どうだった?」などと、具体的に訊いてみます。もし英語に関心がありそうだったら、その芽を育ててあげてください。アメリカやイギリスのアニメーションの英語の音声を聞く機会も、英語でのコミュニケーションを楽しむ手立てのひとつです。

お子さまたちに、何か体験する機会を作るのは保護者の方々の力があってこそできるのです。コミュニケーションの力と、より多くの体験がお子さまたちの未来の財産に成り得るのです。うちの子は口もきいてくれないわ~と嘆かれる保護者の方も、まずは日本語でのコミュニケーションから始めてみてください。