小学校の英語必修化のメリット・デメリット | 親ができることは?

2020.04.10

子ども英語

文科省が小学校の英語教育について検討をし始めたのは、2003年頃。2002年に総合的学習の時間、ゆとり教育を設け、そこに英語活動を持ち始めた学校もありましたが、教育現場では英語教育は周知せず、日本人のコミュニケーションスキルは高まることはありませんでした。その轍を踏まえて2020年度から小学校の英語必修化が実施されます。対象は小学3年生から6年生。学年を経るごとに成績にも反映されるようですが、英語でのコミュニケーションができる子どもたちを育てることが主眼です。小学3・4年生で週1コマ、小学5・6年生で週に2コマの英語の授業の実施を予定しています。

子どもたちの英語は学校に任せていたら安心、と思っている方も多いかもしれません。しかし中学・高校で英語を学んできた親たち世代が、英語でしっかりコミュニケーションできていますか? 学校で学ぶことはその学問の入り口です。お子様が何に興味を持ち、何を学びたいかを考える見つける場が学校です。学校はひと通り教えてくれるだけです。国語が好きなら文学系へ、算数が得意なら理工系の大学に進む、そのため好きな学科も、苦手な学科もひと通りこなす場所が学校であり、基礎学力を育む場所でした。そして何を専門に学ぶか、目指す方向を決める基礎教育でもありました。しかし目指す大学は、今ビジネススクールの一端のようで、つねに就職がついて回ります。就職のための学問、大学進学。本来はそうではなかったはずです。何を専門に学びたいか、その先に大学があったのですが、就職のための教育機関のひとつになりました。でも英語はコミュニケーション。表現したいこと、伝えたいことがあって初めて成り立つものです。ではその英語でのコミュニケーションをどう子どもたちのものにするか、そこが肝心です。

小学校の英語教育必修化で変わること

  • 小学校での英語教育必修化のメリット・デメリット

2020年度、小学3年生から英語が必修になります。この時期に英語とともに異文化を学ぶことはとても好い機会です。自己が確立し始めるこの頃、英語と英語を話す人たち、その文化や習慣に触れることは、とても大切です。2020年の小学校の英語必修化が、お子様たちの英語でのコミュニケーションの素地を育むような教育になると信じています。英語の「聴く・話す・読む・書く」の4技能をバランスよく鍛えるとともに、国際人の育成もその目標のひとつです。

小学校の英語教育必修化は英語に触れるきっかけのひとつです。子どもたちに英語が楽しいという気持ちになってもらい、その英語を使って、自分自身を表現したいと思えるようになること。学業なので成績も肝心です。かつて日本の英語教育は詰め込みでした。文法ばかりを重視し、一生使わないような長い長い英単語、発音記号を知り、アクセントを覚えました。でもそれはコミュニケーションとしての英語ではなかったのです。英語は言語です。現在の子どもたちの英語活動での学習内容が、言語活動であることを期待します。

小学校での英語教育必修化のメリット・デメリット

  • 小学校での英語教育必修化のメリット・デメリット

新しい言語を覚えるのですから、その人のコミュニケーションの幅が広がり、子どもたちにはメリットになるはずです。21世紀の日本では鉄道のアナウンスも英語、中国語、韓国語と、国際観光国として複数の言語のコミュニケーションが整備され、日常化されています。でも見るだけで、聞くだけで、英語が身につくわけではありません。
かつての日本より、今の日本には英語の音、表記はあふれています。英語が身近になった現在、英語がわかって当たり前、話せて当たり前の子どもたちに育てたいのは保護者たちの願いです。小学3年生で英語を始めることが義務教育化されるのですから、メリットに違いありません。もっと早くから英語を始めていた子どもと英語力の差がつくかしら、とのご心配もありそうですが、まずは英語を好きになってもらうよう努めていきましょう。

また小学生で英語を始めることのデメリットに、こんな懸念もあるかもしれません。日本語だってまだ確立していないのに、併せて学んで問題はないのでしょうか。そう心配される保護者の方もいらっしゃるかもしれません。シェーンでも幼児期の英語について、そんなご相談が寄せられたこともあります。
また日本語もたどたどしいのに、英語を始めて大丈夫でしょうか。そんな時にはこうお伝えしていました。

「お子様たちは日頃の語りかけを通して、着々と日本語の土台を築いています。言葉に敏感になり、環境に順応しようとしています。周囲が日本語であれば日本語を、英語に囲まれていれば英語を使おうとしますので、混乱することはありません。英語を習うことによって、日本語に対する意識も高まると考えられています」

幼児期でも人の頭の中では、きちんと言語の使い分けができているのですから、小学生には問題はないと言えるでしょう。

小学校の英語必修化に親ができること

  • 小学校の英語必修化に親ができること

日本語も英語もコミュニケーションツールです。何を伝えるか、何をしたいかを見据えていかないと、コミュニケーションではありません。ご家庭でもコミュニケーションを十分に図ることも大切です。またお子様の興味がどこにあるのか、好きなことを伸ばしてあげる環境を作りましょう。
私たち親世代も英語の成績はよくても、英語でコミュニケーションできなかった苦い経験があります。だからこそ英語の成績の善し悪しや、テストの合格ばかりを考えてはいけません。英検®で英語の力を培うことは間違いではありません。でも、次はその身につけた英語をどうやって活用するのか、目標をいっしょに探すことも、親たちにできることかもしれません。

シェーンでは毎年夏に英国をはじめ、お子様たちが海外体験する機会を設けています。毎週一度の英語のレッスンから、身体を丸ごと英語の環境に身を置くのです。最初は緊張していたお子様も、次第にその環境に順応していく様子が伺えます。世界中から集まる子どもたちとの交流を通して、母語ではない言葉でコミュニケーションし、相手の住む世界を知ります。見て、聞いて、感じる。その国際感覚を肌で感じたお子様たちがやがて何かに気づき、その未来に英語を使う道を選ばれたお話もたくさん伺いました。中学1年生で初めて海外語学研修にご参加された生徒さんのお声を紹介します。

「中1の最初の海外留学では、日本と全く違うから緊張しまくりました。高校1年で再び参加した時は、少し余裕が出てきて周りの状況が見えてきました。海外から来ている留学生たちが、みんな目的を持って勉強していることを知りました。今まで自分は目標の高校に入ること、希望の大学を目指すことしか考えていなかったことに気づいたわけです。中学・高校受験も基本的にはゴールではなく通過点でしかないのだから、目標ではなかったのです。シェーンで英語を学ぶ機会を与えられて、その英語のスキルをどう使うか、今はそれを模索中です」


受験が通過点と気づき、ご自分の目的を定め、意見を持とうと思われたところに、海外体験の成果が感じられます。体験することが人を別の世界に誘うのですから、何をしたいかを話せるご家庭の環境作りも大切だと考えます。ご家庭でのコミュニケーションが英語の素地をも作るのです。小学校で英語を始めたお子様に、その感想を聞き、好きなのか嫌いなのか、その関心を探ってみましょう。

「英語は簡単? 難しい?」 「どんな教科書を使っているの?」 「担任の先生の英語、どうだった?」などと、具体的に聞いてみます。もし英語に関心がありそうだったら、その芽を育ててあげてください。アメリカやイギリスのアニメーションの英語の音声を聞く機会も、英語でのコミュニケーションを楽しむ手立てのひとつです。

お子様たちに、何か体験する機会を作るのは保護者の方々の力があってこそできるのです。コミュニケーションの力と、より多くの体験がお子様たちの未来の財産に成り得るのです。うちの子は口もきいてくれないわ~と嘆かれる保護者の方も、まずは日本語でのコミュニケーションから始めてみてください。