なかなか英語を聞き取れない理由は? リスニング力をアップさせる方法

2022.09.02

勉強法

見てはわかるのに、聞くとほとんどわからない英語。これは英語のリスニングの力が不足しているからです。日本人の基本の英語学習法は英単語を覚えたり、テストで高得点を取るための勉強だったり、TOEICや英検のためだったり、教科書や参考書、教材ばかり暗記ばかりの学習方法でした。でもそれだけでは語学学習にはなりません。英語はコミュニケーション。今までたくさんの時間を英語に費やしてきたのに、英語が聞き取れないまま、英語が話せないままでは残念です。もっと実践的な英語の力を手に入れたい。ビジネス英語まではいかなくても、日常会話ができるよう、英語のリスニングの苦手意識をなくすやり方って何かあるのでしょうか。今回はリスニング力をアップさせる方法を考えていきます。

英語を聞き取れない理由

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知らない単語があると、確かに英語を聞き取りづらくはなります。それでも中学生レベルの単語力で日常会話はできそうです。さらに英語を聞き取れない理由は何かあるのでしょうか。

文法を理解していない

英文法を理解できていないと、正しい意味を把握することが難しくはなります。単語の意味をわかっていても、聞き取る英語の意味を誤解することも多くなります。英語特有の語順を知り、英語のルールを理解する文法力は英語の習得大切な要素です。

発音に慣れていない

単語単体の音を聞き取れていても、文章として流れる英語は発音が変わるため、聞き取れない原因になりやすくなります。ネイティブスピーカーと実際に話すと聞き取れないポイントになりかねません。英語独特の音の変化、リズム、ストレス、抑揚など英語音声をたくさん耳にし、実践で克服するしかなさそうです。

英語のリスニングが難しい理由についてはシェーンのお役立ち情報でご紹介しています。こちらの記事も併せてご覧ください。

英語リスニングが難しい理由~聴き取りにくさの原因は?
●情報はこちら
 

リスニングは聴覚を通して知って覚えていくもので、リーディングは視覚を通して読んで認知していくものです。日本の学校で学ぶ勉強は教材ありきのリーディングから始めることが多いので、母国語の習得の順番とは異なっています。後から英語を習得したい日本人が、これからでもリスニングの力をアップできる勉強法を考えていきましょう。

リスニング力が向上しづらい勉強法

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ではリスニングが向上しづらい勉強法、何か間違いはあるのでしょうか。巷にあふれている「聞くだけ」のリスニング教材でも、果たして効率的に勉強はできるのかチェックしていきます。

英語の聞き流し

流れている英語を聞き流すだけの勉強法では、残念ながら英語力の向上につながりにくいようです。聞き流した内容の理解が追いついていないことが多く、音声の単語や文法を聞き取れていない場合もありそうです。英語のナチュラルスピードには慣れることはできても、相手の英語を理解していかないと意味はありません。リスニング力をアップさせるためには、耳から入ったものを「意識的」に処理していかないと意味を生さないようです。
聞き流し教材はただ英語を聞く習慣として用い、シャド―イング(英語を聞いて真似して発話する)することでスピーキングのスキルを、ディクテーション(英語を聞いて文字書き起こす)することでライティングスキルを鍛えるように活用できそうです。

文字に頼りすぎたリスニングをする

音声で流れる文字を見ながらリスニングの練習をしても、実際に文字がないと英語がわからないことが多いようです。例えば海外のドラマや映画を、日本語字幕なしで観ることもリスニングの勉強としておすすめします。一度ひと通り英語だけで観てから、二度めに英語字幕で確認するようにしてみます。英語を見る機会を減らし、英語の言葉を耳で聴く機会を増やしてみましょう。素材を選ぶ時にはあまりスラングのないもので、お子さま向けのアニメーションなどでもよさそうです。例えばイギリスのA.A.ミルンの名作、「ウィニー・ザ・プー(クマのプーさん)」のアニメーション。大人でも目と音で楽しめて初心者でもわかりやすいので、アニメーションを観ることもリスニングの勉強につながります。

そしてリスニングとヒアリングは違うのです。どう違うのか、シェーンの「お役立ち情報」の記事からご紹介しましょう。

リスニングとヒアリングの違いとは?効果的に英語耳を鍛える勉強法
●情報はこちら

聞き取れない英語の対策1 単語の勉強方法を見直す

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リスニングの力を強化するために、英語初心者でもできる具体的な勉強法はどんなことがあるのでしょうか。リスニング力をアップするための次にするべきステップを挙げていきましょう。

意味だけではなく発音のアクセントまで覚える

発音のアクセントを覚えると、英語は聞き取りやすくなってきます。音が似ている単語でも、アクセントの違いで判別しやすくなりますので、英単語と英語フレーズも聞き取ることにも注力していきましょう。特に母音の正確な発音は重要です。また母音と子音で構成される音節もリスニングの要になります。そのためにもネイティブの発する英語の音に耳を傾ける時間を増やします。

インプットとアウトプットを同時に行う

単語を見る、書く、発音するなど、インプットとアウトプットを同時に行うことも英語の上達には欠かせません。書くことと話すことを並行して行うことで、覚えた内容が定着しやすいとも言われています。さらに英語を耳から慣れていくように努めていきましょう。耳から英語を聞くことでリスニング力の向上もはかります。

英語のリスニングのお悩みについてはシェーンの「お役立ち情報」でもご紹介しています。併せてご覧ください。

英語のリスニングができないと感じる理由と試してほしい学習法
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聞き取れない英語の対策2 文法の覚え方を工夫する

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英語のリスニングには英文法も必要です。自然な表現の例文を挙げて、英語のルールを徹底解説できるように英文法をマスターすることを目指します。 

文法を理解したらフレーズも覚える

せっかく文法を覚えても実際のリスニング時に、どの文法が当てはまるかわからないことがあります。使えるフレーズを覚えることで、実際にその文法を英会話に活かします。次第にリスニングの内容を理解する速度も上がっていくはずです。

正しい文法を使いアウトプットをする

文法を覚えるだけではなく、自分で使えるようになるとリスニング力の向上が効率よく進みます。自分で使いやすい文法を用いて日記を書く、発音練習をするなどと、楽しいと感じるアウトプットのやり方を考えて日々の英語学習の工夫をしてみてください。

聞き取れない英語の対策3 発音を理解する工夫

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英語を聞き取れないにはその要因もあります。英語のリスニングができない要因には、英語が持つ独特なその音があります。聞き取れない英語の音の詳細を探っていきましょう。

英語のリズムを意識する

英語を聞く時は、どの単語は早く読み、どの単語はゆっくり読むかも意識して聞いてみましょう。英語は緩急をつけて、早くなったり遅くなったりをくり返して発音しています。英語を話す練習をする際はメリハリをつけて発音し、その強弱も留意してみてください。一定の速さとリズムで話す日本語と英語は違います。英語のリズムに慣れていくことで、英語を聞き取れない原因の1つを取り除きます。

イントネーションを理解する

同じ文章でもイントネーションによって意味や感情が変わることが、英語にはあります。イントネーションは主に3パターンあり、上昇調は何かを質問する時や依頼を求める場合などに使われ、これで簡単な疑問文として使えます。下降調は普通の文を終わらせる時や確認時によく使われます。平坦調はあいまいなニュアンスを伝えるような場合に使っているようです。イントネーションの高低、抑揚を使い分けていくと語彙力もつきそうです。

音声変化を理解する

英語には特有の音声変化があります。単語と単語の間の音が連結するリンキングやリエゾン、単語の音を変化させ一部分の音を脱落するリダクション、隣り合った音が相互に影響し音を同化させるアシミレーションなども理解しておくと、リスニング力アップにつながっていきます。例えばjustのtや、good timeのdは消失し発音されていません。英語の発音ルールをより多く知って、リスニングの力を高めるよう努めていきましょう。

英語のリスニング能力をより高めるおすすめの方法

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英語のリスニング力を上げるコツ、それはオンライン英会話などを活用してネイティブの英語の音を集中して聞き続けることです。仕事や家庭の事情でなかなか留学はできないけれど、英語の環境に自分を置き英語に没頭することはできます。1人で英語だけに集中する時間を作るよう工夫をしてみましょう。日本語から英語に、英語から日本語にと変換しないで、英語は英語で考える習慣も必要です。英語学習者が手に入れたい英語脳は、日本語の解説や説明なしで全てを英語の頭にすることで培うことができると言われています。 

英語学習アプリを活用する

ネイティブの音声を収録したリスニングアプリや、発音測定機能を搭載したアプリなどもあるようです。ネイティブの発音と、自分の発音を比較することで、苦手な傾向や弱点を見つけやすくなります。英語のリスニング力をアップするためには、日々の積み重ねを要します。1日必ず英語学習アプリを活用する時間を作っていきます。

ネイティブの人と英会話をする

英語での実際の会話はインプットした英語の学習内容を定着させやすくなります。ネイティブの人のリアルな英語を間近に聞いて、完璧な英語の音を身につけましょう。ネイティブと英会話するには英会話スクールに通ったり、英語圏の知り合いにお願いしたりするか、なかなかネイティブとの英会話の練習方法はなさそうです。会話は一方向では成り立ちません。相互でコミュニケーションとれる機会を見つけてみましょう。

英語のリスニングは実践で身につける

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英語のリスニングスキルのトレーニングには、オーバーラッピング(英語の音声を同時に発話する)や、リピーティング(英語の音声を聞いた後でその文を発話する)などもありますが、英文を見ないで聴くことと話すことを続けることにも意味があります。英文を目で見る多読や音読とそのアプローチ法は変わりますが、耳から英語を学ぶ学習法は英語を母国語として身につけているネイティブスピーカーたちの感覚に近いトレーニングです。目で追うことばかりしていると英語を知識として吸収するばかりで、実践でのコミュニケーションから離れてしまうかもしれません。

また日本語英語の弊害もあります。何でもカタカナ英語にしてしまう日本人。でもその日本語英語は略されていたり、元々の英語の意味の影も形もなくなってしまっていたり、また同じ単語を使っても発音がまるで違っていたりと、案外と厄介なものなのです。例えば実際の英語の発音とは違うものもあります。普段日本語で使っているcity/chat/contents/media/videoなどの英語の発音は、日本語で使用している音と全く違います。そのまま発音しないようその音を確認し気をつけて発音してください。

そして海外の地名も日本語の読みを無視していかないと、ほんとうに聞き取れません。シェーンの講師の出身地を訊ねただけなのに、何度も聞いてしまったことがあります。その講師はオーストラリアの出身だったのですが、?????、やっとメルボルンと推測できたのですが、カタカナの都市名もその発音は要注意です。SydneyもMelbourneもインターネットで発音を確認してみてください。そしてカタカナの都市名だけではありませんでした。漢字の都市名の北京は全く違う音でBeijing と書き、bèɪdʒíŋと発音します。上海も発音には要注意です。フランスのリヨン、イタリアのベネチアやフィレンツェなども発音を確かめてから発話の練習をしてみましょう。耳で聴いて覚えているとこんなことは起こらないのですが、地名は日本語英語で覚えているので注意が必要です。

その他英語学習を妨げる日本語英語、カタカナ英語、和製英語について、シェーンの「お役立ち情報」でご紹介しています。

和製英語112選|ネイティブへの使用は要注意!ジャンル別に徹底解説
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ネイティブに通じない和製英語|まだまだあるカタカナの罠 SNSも通じない!!~さらに55選
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ただのThank youの音にもストレス(強勢)のルールにあり、thankの動詞はフレーズの意味を成すもので内容語と言い、youは人称代名詞で機能語になります。機能語の特徴はストレスがかからないので、強く発音はしません。他にも機能語は冠詞、前置詞、接続詞、Be動詞などがあり、ここは強く発音するところではないようです。なかなか難しい英語のルールです。完璧なリスニング力とスピーキング力を手に入れるための道は遠いようです。よくaとtheが聴き取れなくて、ネイティブチェックを受けたりするのは、ストレスが乗らない機能語は、リダクション(音の脱落)が起こっていたからだということも気づきました。

英語のリスニングは実践で身につけるのがやはり最適なプランのようです。ネイティブとのコミュニケーションを何度も積み重ねることで、英語の音やリズムを刻むしか近道はないようです。相手の言おうとしていることを理解し、自分が言いたいことを伝える力を身につけていきましょう。アメリカ英語とイギリス英語はまたその音や表現なども違うとも言われていますが、もう英語を聴くしかありません。オンラインなどを活用しながら、日々英語を聴き続けていきましょう。

シェーン英会話の日常英会話レッスンは、日本人が発音しにくい音や区別しにくい音をはじめ、単語のつながり方で脱落する音や同化する音、連結する音などの英語の音の変化をレッスンに取り入れています。英単語や英文のストレス、イントネーション、リズムなどを恒常的に学習できるうえに、聞き手にわかりやすく、自然な会話表現を意識しながら、リスニングの際の留意点も学んでいくことができます。機会があればシェーン英会話の無料体験レッスンで、講師の英語をぜひ聞いてみてください。