Richard III~From the United Kingdom

2019.08.01

英国史雑学

シェークスピアが彼を悪者にしたのでしょうか…

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シェークスピアの戯曲でも悪名高いリチャード3世、残酷でずる賢い、背中の曲がった醜い男として書かれました。実際のリチャード3世の容姿は、残っている肖像画で見ることができますが、醜悪ではありません。ほんとうに醜い国王だったのでしょうか。

1483年の中世に生まれ、戦いで命を落とした最後のイングランド王と言われています。
一番の悪行は、自分が王位に就くために、兄のエドワード4世が病没すると、その嫡子の2人の王子を殺害したということ。
このお話はPrinces in the Towerでもご紹介しましたが、若い2人の王子たちはロンドン塔で長いこと行方知れずのまま。1674年、塔の外階段の工事中に王子たちの棺が見つかり、自然死ではないことが明らかになりました。

さて2012年8月25日、ロンドンオリンピックが閉会して間もなく、レスターの駐車場で人骨が見つかりました。
この場所はリチャード3世がボズワースの戦いで没した地であり、その人骨は背骨が大きく湾曲していました。DNAを採取し本人と確認され、その頭蓋が復元されました。その顔はあの肖像画と同じ、穏やかな顔立ちでした。背中は曲がってはいるけれど、優しげなお顔。
シェークスピアによって醜悪に脚色された汚名返上のために、500年以上の時を超えて、現れたとしか思えません。それも1485年8月22日のリチャード3世の命日に近い、8月25日に見つかったのですから…