子どもの英語力がぐんぐん伸びる!ほめ言葉 well done の魔法とは
2019.07.01
英語の吸収力を高める3つの柱とwell doneの魔法
See you next time.
先生の声に、子どもたちが元気よくSee you! と返事をして教室から出てきます。
今日のレッスンは何を習ったのかな? レッスンは日本語のない、英語だけの環境。
Open the book.(本を開いてね)Close the book.(本を閉じてね)Look at the board.(黒板を見てね)
など、ネイティブの先生の英語の指示に従ってレッスンは進みます。
What colour is it?(何色かな?)と聞かれて、It’s red!(赤だよ!)としっかり答えられた様子に、成長を感じる保護者の方も多いはずです。
英会話スクールで学ぶ小さな子どもたちは年々増えています。では、そのレッスンの効果をさらに高めるために、家庭ではどんなサポートができるのでしょうか。一緒に考えてみましょう。
子どもの英語学習、家庭ができる一番のサポーターに
英語のレッスンは週1回でも、家庭では毎日英語に触れる機会をつくることができます。レッスンの時間だけで英語力をすべて伸ばすのには限界がありますが、おうちでのちょっとした声かけや環境づくりが、英語の吸収力に大きな差を生みます。親が英語をペラペラ話せなくてもまったく問題ありません。大切なのは、「子どもと一緒に楽しみながら英語に触れてみよう」という姿勢です。
忙しい日常の中でも、朝・食事・お風呂・寝る前など、英語で一言声をかけられるタイミングはたくさんあります。最初は一つのフレーズだけでも十分です。少しずつ習慣化していくことで、子どもにとって「英語は特別なものではなく、生活の一部」という感覚が育っていきます。
英語の吸収力を高める3つの柱
子どもの英語学習を支える柱は次の3つです。
1. 「英語は楽しい」を子どもたちに実感させる
2. できるだけ多くの英語に触れさせる(インプットを増やす)
3. 英語でちょっとしたやり取りをしてみる(アウトプットを促す)
未就学の子どもたちにとって、英語のレッスンは「勉強」というより、日常の遊びの一つです。そして子どもたちは、好きな遊びなら何度でも飽きずに繰り返します。英語のレッスンが好きな遊びの一つになれば、驚くほどの集中力でどんどん英語を吸収していきます。「楽しい!」と感じられる学習方法で、子どものやる気を引き出すことがとても重要です。
お子さんの「好き」を英語につなげよう
音楽が好きな子どもには、英語の歌をたくさん聞かせてあげましょう。リズムに合わせて体を動かしたり、簡単なフレーズだけ一緒に歌ったりするだけでも十分です。本を読むことが好きなお子さんには、カラフルな英語の絵本を。好きなアニメの英語バージョンがあれば、日本語版と見比べるのも楽しいですね。
クイズやゲームが好きなら、色や動物、体の部位、食べ物などを題材にしたクイズ遊びがおすすめです。
実物や絵カードを使って、What is it?(これは何?)と聞いてIt’s a dog.(犬だよ)と答えたり、Touch something red.(赤いものに触ってみて)という指示に従って、お部屋の中から赤いものを探したり。
こうした遊びを家族で一緒にやると、自然に英語を口にするきっかけになります。
インプットは「楽しい」が基本!子どもの好奇心を刺激しよう

子どもは、自分の興味のあることに対して、驚くほどの集中力と記憶力を発揮します。英語に触れる時間を「楽しい遊び」に変えることが、自然なインプットへの近道です。「音楽」「絵本」「映像」「ゲーム」など、お子さんの好みに合わせて、いろいろなコンテンツを試してみましょう。
同じ歌や動画を何度も繰り返し見たがることがありますが、それも大きな学びのチャンスです。同じ表現を何度も聞くことで、耳と口が英語のリズムに少しずつ慣れていきます。「またそれ?」と言わずに、できる範囲で付き合ってあげると、英語の定着につながります。
質のよい英語をたくさんインプットする
次の柱は、質のよい英語をできるだけたくさんインプットすることです。「臨界期」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。ある年齢までの子どもの脳には、言語を身につける能力が特に高い時期がある、という理論です。
特に「音」に関しては、感受性の高い幼児期には、外国語の音もスムーズに習得する素地があるといわれています。特別なレッスンを受けなくても、赤ちゃんは家族との生活の中で、自然とたくさんの日本語に触れ、日本語を使えるようになります。カギは「たくさんの言葉」に触れていることです。
日本の環境では、意識的に英語の環境を作らない限り、子どもの生活の中で英語が使われる場面はほとんどありません。臨界期のメリットを生かすためには、日常の中で英語に触れる時間を少しずつ増やしていくことが大切です。インターネットやテレビ、映像ソフトなどを活用したり、英語の童謡や映画の主題歌を流したりして、日本語とは異なる英語の音やリズムをインプットしてあげましょう。
おうちでできるインプットの工夫
例えば、
・朝起きたら小さな音量で英語の歌を流す
・車の中では英語のCDやプレイリストをかける
・週末は親子で英語のアニメを一本見る
といったように、「無理なく続けられる形」を意識するのがおすすめです。
完璧を目指す必要はなく、「ちょっと英語を足してみる」くらいの感覚で続けることが、長く続けるコツになります。
少しでもアウトプットする習慣をつくる
インプットしたら、少しでもアウトプットのチャンスを作ってあげましょう。たとえば、あいさつのフレーズを生活の中に取り入れてみます。
Hello.
(こんにちは)
Good morning.
(おはよう)
Good night.
(おやすみ)
ほかにも、Thank you.(ありがとう)See you.(またね)Here you are.(はい、どうぞ)など、簡単なフレーズを、日常の決まった場面で少しずつ使ってみてください。
最初は親が言うだけでも構いません。何度か繰り返すうちに、子どもが真似して口にし始めます。「言えた!」という小さな成功体験が増えるほど、英語への自信も育っていきます。
よく使う英語フレーズで「言葉の習慣」をつくる

英語のフレーズを日常の中に取り入れるときは、次のような場面ごとの言い方が役立ちます。
Good morning.
(おはよう)
(Let’s) brush your teeth.
(歯をみがこうね)
Let’s have breakfast. / It’s breakfast time.
(朝ごはんを食べよう/朝ごはんの時間だよ)
Are you ready?
(準備できた?)
Hurry up.
(急いで~)
It’s snack time.
(おやつの時間だよ)
It’s time to tidy up.
(お片づけの時間だよ)
Good night. / Night night.
(おやすみ/おやすみね)
一つ一つのフレーズを日本語に訳して覚えさせる必要はありません。
子どもたちは、大人のようにhere・you・areを分解して意味を考えたりはしません。
シチュエーションとセットで、「こういうときにはこの言葉」という形で丸ごと覚えていきます。これこそが、子どもの持つ大きな力です。
well doneの魔法で、子どもの英語への自信を育てよう
最後に、子どもたちはお父さん・お母さんに褒められるのが大好きです。英語の言葉を一つ覚えるたびに、英語を口に出すたびに、笑顔でたくさん褒めてあげましょう。
Well done!
(よくできたね!)
Good girl. / Good boy.
(いい子だね)
など、少し大げさなくらいのリアクションでも大丈夫です。
「英語を話すとこんなに喜んでもらえるんだ」という経験は、子どもにとって大きな励みになります。英語が大好きになる気持ちこそが、英語が上手になる一番の近道です。
まとめ
英語の吸収力を高めるためには、英語は楽しい、と感じられる体験を増やすこと、質のよい英語にたくさん触れること、日常の中で少しずつアウトプットすることが大切です。
そして、がんばった子どもに笑顔でWell done!と声をかけてあげることも忘れずに。
完璧な英語でなくても、親子で楽しみながら続けていけば、子どもの中に「英語って楽しい」という気持ちがしっかり育っていきます。


