聖パトリックデーは何を祝う日?街中が緑に染まるイベントの楽しみ方

2019.01.18

異文化理解

アイルランドを始めとして、アメリカ、イギリス、カナダ、ニュージーランドなど多くの国で祝われるのが「聖パトリックデー」です。聖パトリックデーのイベントでは、緑色の洋服や帽子、ビールや料理などで街中が緑一色に染まります。聖パトリックデーのことをよく知らない方だと、こうした盛り上がりを目にして戸惑ってしまうかもしれません。

今回は聖パトリックデーの意味やイベントの様子、そして日本での楽しみ方などについてご紹介します。英語を学ぶうえでは、英語圏の文化や風習、歴史などもある程度知っておきたいところです。聖パトリックデーについて簡単に頭に入れておきましょう。

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聖パトリックデーの基礎知識

まず、聖パトリックデーというイベントの起源とお祭りの概要についてご紹介します。実際に出かける前に基礎知識を深めておくと、一層楽しめるでしょう。

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聖パトリックデーとは?


聖パトリックデー(St. Patrick's Day)とは、3月17日に設けられたキリスト教カトリックの祭礼日の一つです。日本では「聖パトリックの祝日」「セント・パトリックス・デー」と呼ばれることもあります。またパトリックは英語読みであり、ラテン語読みの「パトリキウス」、アイルランド語読みの「ポーリク」などとも発音されることがあります。

聖パトリックデーはアイルランドにキリスト教を広めた聖パトリックの命日で、その功績を称え、アイルランドの伝統文化を祝うイベントです。宗教的にはイースターやクリスマスほど重要な行事ではありません。しかし、アイルランドを始めアイルランド移民の多い国や地域では聖パトリックデーの行事が盛大に開催されており、近年はアイルランドの文化を理解し楽しむ祭りとして世界各地に広がりつつあります。

聖パトリックの功績


聖パトリックは、5世紀にアイルランドで初めてキリスト教を広めた司教であり、カトリック教会や正教会など複数の宗派において聖人と認められています。アイルランドの守護聖人でもあります。アイルランドを象徴する人物の一人と言えるでしょう。

若い頃にアイルランドの海賊にさらわれ、奴隷として苦しい時期を過ごした経験を持ちます。脱走した後にヨーロッパ大陸に渡って神学を学び、帰国後に「自分を虐待したアイルランド人にキリスト教を伝道する使命を与えられた」としてアイルランドに渡りました。

聖パトリックはアイルランド各地に教会や修道院を建設し、多くの人々にキリスト教を広めたと伝えられています。聖パトリックを守護聖人とする「聖パトリック大聖堂」はアイルランド最大の教会です。また伝説によるとアイルランドから蛇を駆逐したとされており、現在でもアイルランドには蛇がいないと言われています。

アイルランドでの聖パトリックデーの行事


アイルランド共和国では何世紀も前から聖パトリックを祝う伝統がありました。聖パトリックデーは正式な祝祭日です。イギリスからの独立後に少しずつ祭礼日として大規模化し、今ではアイルランドの全域で聖パトリックデーの催しが盛大に開かれます。

この期間は街中がアイルランドのシンボルカラーである緑一色に染まります。これはアイルランドがその美しい緑の風景にちなんで、「エメラルドの島」と呼ばれていることに由来します(歴史的な変遷があり、諸説あります)。人々は緑の服を着てテーマカラーである緑の食べ物を食べ、緑のビール(アイルランドと言えば「ギネスビール」の母国です)を飲むのが習わしです。街中に緑の旗やペインティングが施されることもあります。

聖パトリックデーでは、シャムロック(Shamrock)と呼ばれる三つ葉のクローバーのモチーフが多く使用されます。聖パトリックが三位一体について説く際、手に三つ葉を持っていたと伝えられているためです。シャムロックはアイルランドの国花でもあります。

アイルランドの首都であるダブリンでは、数日間に渡ってフェスティバルやパレードが行われます。かつては宗教的な色彩の濃い厳かな祝日でしたが、現在ではクリスマスやハロウィンと同様に誰でも楽しめるオープンなお祭りとなっています。

世界の聖パトリックデー

アイルランドだけではなく、世界中で聖パトリックデーに関連したイベントが開催されています。なかでもアメリカやイギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドのイベントについて簡単にご紹介します。

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アメリカ


アイルランド系移民の多い東海岸地域、特にニューヨークやボストンなどといった大都市を中心に大規模なイベントが開催されています。

ニューヨークのマンハッタンは、ダブリンを超えて世界最大のセント・パトリックスデー・パレード (St. Patrick's Day Parade)が行われる場所です。18世紀後半にアイリッシュ(Irish)の兵隊が町を行進したのに端を発して、早くから聖パトリックデーのイベントが定着していました。

シカゴでは、シカゴ川をフルオレセインと呼ばれる塗料で緑色に染め上げるのが大変有名です。ボストンの野球チームであるボストンレッドソックスはチーム名の通り赤がチームカラーなのですが、聖パトリックデーだけ緑色のユニフォームとキャップを使用することも知られています。シカゴ市警でも、警察バッチを緑の三つ葉入りに変更します。

イギリス


イギリスでも、ロンドンやリバプールを始めとした大都市でアイルランド系の住民を中心とした聖パトリックデーのパレードが開催されます。特にバーミンガムのパレードが国内最大で、ニューヨークやダブリンに次いで世界3番目に大きいイベントだと言われています。多くのアイリッシュパブ(Irish Pub)でも、特別なアイリッシュ料理と緑色のビールを飲めるなどのイベントが行われます。

オーストラリア


オーストラリアでも、シドニーやメルボルンなどでパレードが開催されます。緑色の洋服や帽子を身にまとったり、髪の毛やひげを緑に染めたりして、飲んだり食べたりを楽しむイベントとなっています。シドニーのオペラハウスが緑色にライトアップされるなど、他の地域と同様に特別な時期と言えます。

カナダ


アメリカと同様に、カナダの東部にもアイルランド系の住民がたくさん住んでいます。そのため東部のトロントやモントリオールといった都市では古くから聖パトリックデーのお祝いが行われてきました。近年では、西部のバンクーバーでも聖パトリックデーのパレードが開催されています。

ニュージーランド


初代総督がアイルランド人、国家の作詞者がアイルランド人など、ニュージーランドとアイルランドには浅からぬ縁があります。オークランドやクライストチャーチなどでパレードが開催され、電飾が緑へ変更されるなど特別な日となっています。

聖パトリックデーを日本で楽しむには

世界各地で開催される聖パトリックデーのイベントについてご紹介しましたが、日本でも少ないながら聖パトリックデーにまつわるイベントが存在します。

  • 聖パトリックデーを日本で楽しむには」



イベントに参加する


毎年3月17日近辺の土日を中心に、日本各地で聖パトリックデーに関連したイベントが開かれています。2018年には、東京原宿や横浜元町など首都圏を中心に全国14ヵ所でパレードやダンスなどのイベントが開催されました。アイルランドの料理や音楽を誰でも楽しむことができます。

特に代々木公園で開催される「アイラブアイルランド フェスティバル」と原宿・表参道で行われる「セント・パトリックス・デー・パレード」は規模が大きく、アジア最大とも言われています。いずれもアイルランドの大使館や商工会議所などが主催や協力しており、10万人以上の人が参加します。緑色の帽子や洋服、シャムロックを身にまとった人々が道を練り歩く様子は圧巻です。緑色を基調とした風船のオブジェやパフォーマンスもみられます。

アイリッシュパブに行く


聖パトリックデーの大規模なイベントが開催される都市はごく一部に限られますが、それ以外の都市でもアイリッシュパブに入れば聖パトリックデーの盛り上がりを目にすることができるでしょう。日本国内のアイリッシュパブでは、聖パトリックデーの当日にイベントを開催するケースが多いからです。

ブルーキュラソーという青色のお酒を混ぜ、緑色にしたビールが飲めたり、その日限定のアイリッシュ料理が提供されたりすることもあります。店内はいつも以上に混んでいて騒然とした雰囲気かもしれませんが、聖パトリックデーの雰囲気を手軽に楽しむのであればアイリッシュパブが最適です。

ライトアップを観に行く


一部の建設物は、聖パトリックデーに合わせて緑色にライトアップされます。2018年は、三重県伊勢市の御幸道路にある大鳥居や横浜市の横浜マリンタワーでライトアップが行われました。2007年には、アイルランドと日本の外交関係樹立50周年を記念して東京タワーでも緑色のライトアップを行ったこともあります。

聖パトリックデーのイベントで英語を使ってみよう

日本ではそれほど知名度が高くありませんが、聖パトリックデーのイベントはアイルランドのみならずアメリカやイギリスなど多くの国で開催されています。日本でも一部の都市やアイリッシュパブなど、聖パトリックデーの雰囲気を楽しめる場所や機会が存在します。外国の方もたくさんやってきますから、こうした機会を英語の実践の場として活用すべく、積極的に話しかけてみてはいかがでしょうか。