Clay Animation―イギリスの愛すべきキャラクタ- ウォレスとグルミット、ひつじのショーンたち

2025.11.24

英国コラム

クレイアニメーション、クレイメーションとも呼ばれているこのアニメーション、何だかおわかりですか? クレイは粘土。粘土を使ったキャラクターたちがまるで生きているように動く、それがクレイアニメーションです。

イギリスでは有名なクレイアニメーションのキャラクターたちがいます。「ウォレスとグルミット」、「ひつじのショーン」の愛すべきキャラクターたちがそうです。「ウォレスとグルミット」は1989年に発表され、「ひつじのショーン」はそのスピンオフとして2007年に登場しました。今では国民的人気のウォレス、グルミット、ショーンたち。自称天才発明家のウォレスは人間ですからセリフもあります。でも犬のグルミットやひつじのショーンは何のセリフもなく、また擬人化されているのがとてもユニークです。

クレイアニメーションは、デジタルではなく粘土で造られたキャラクターたちを1コマずつ撮影して編集しています。製作するのはキャラクターたちだけではなくシーンに登場する室内、屋外、使われる大道具、小道具の全てです。気の遠くなるような作業工程と撮影、編集を要しますが、それをリアルに仕上げていくのです。でも実は「ウォレスとグルミット」、「ひつじのショーン」たちのキャラクターは粘土ではなく、プラスティシンと呼ばれる造形材料で造られています。その精巧さは見事です。撮影に支障がないようたくさんのスペアも造られていました。

  • Clay Animation~イギリスの愛すべきキャラクター~ウォレスとグルミット、ひつじのショーンたち
  • Clay Animation~イギリスの愛すべきキャラクター~ウォレスとグルミット、ひつじのショーンたち
  • Clay Animation~イギリスの愛すべきキャラクター~ウォレスとグルミット、ひつじのショーンたち

「ウォレスとグルミット」と「ひつじのショーン」を製作しているのは、イギリスのブリストルにあるアードマン・アニメーションズ。1972年にアニメーション映画製作を実現するために設立されました。当初は予算もなく聴覚障がいのあるお子さまたちにもわかるアニメーション製作から始まりました。やがて手間のかかるクレイアニメーションを手がけ始めます。「ウォレスとグルミット」のスラップスティックのドタバタ劇は言語を超えて、英語がわからなくても世界中の人々をその表情と演技で楽しませて大人気となりました。

2007年に始まった「ひつじのショーン」では、農場主が人間なのに英語のセリフはありません。ひつじのショーンと牧羊犬のビッツアーは効果音です。だからこそキャラクターたちの動きや演技、演出は緻密に進行されているようです。そして言葉がないので誰でも楽しめます。笑のつぼは世界中同じです。そのクレイアニメーションの世界で、イギリスのキッチンや居間などの小道具まで観察してみてください。イギリスの生活の一端を発見できるかもしれません。

  • Clay Animation~イギリスの愛すべきキャラクター~ウォレスとグルミット、ひつじのショーンたち
  • Clay Animation~イギリスの愛すべきキャラクター~ウォレスとグルミット、ひつじのショーンたち
  • Clay Animation~イギリスの愛すべきキャラクター~ウォレスとグルミット、ひつじのショーンたち

※著作権がありますので、アードマン・アニメーションズのキャラクターたちをご紹介することはできません。人形たちを製作して少しずつ動かしてアニメーションにする手腕には感服します。