Triple Cooked Chips~From the United Kingdom

2026.01.20

英国食生活

3度料理されたチップス。チップスは日本ではフライドポテトを意味しますが、イギリスでフライドポテトはチップスと呼ばれています。でも3度も手間をかけて作るチップスって、いったいどんなものなのでしょう。

  • Triple Cooked Chips~From the United Kingdom

イギリス人シェフのヘストン・ブルメンタールが考案したトリプルクックドチップス。カリッとしたガラスのような表面と、中心にフワフワとした柔らかな食感を持つチップスを、ブルメンタールは完璧なチップスと位置づけその作り方に取り組みます。そのためにジャガイモのでんぷんの量を調べて、試行錯誤を重ねます。普通に食べても美味しいチップスを、さらに美味しくしようと試みるその心意気と科学する目。やがてある調理法にたどり着きました。

拍子切りにしたジャガイモを低音の油で揚げて中を柔らかくし、次に高温で揚げて外側をカリッとさせるのが従来のチップスの調理法でした。ブルメンタールはジャガイモが外にひび割れができるくらい20分ほど煮込んでみました。次に乾燥機に入れて水分を飛ばし、ひび割れの表面がカリッとすることを狙います。揚げる温度は130℃で時間は5分ほど。その後冷凍庫で揚げたチップスを冷まし、最後に180℃の油で7分ほど揚げて完成です。

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たかがチップス、されどチップス。でもこのトリプルクックドチップスが美味しいのです。カリッとしたチップスはありますが、芯までふわふわしたこの食感、今まであったようでなかったようです。日本ではジャガイモの美味しさを感じる時、例えば北海道のジャガイモの味はおイモの味が違います。けれどこのトリプルクックドはそのおイモの味ではないのです。調理法の魔力です。1993年にブルメンタールが発案したトリプルクックドチップスはあっという間に広がり人気になります。

美味しいチップスのために茹でたり、乾燥させて揚げたり、また冷却して揚げるのですからその手間は確かに大変です。ブルメンタールのパーフェクトチップスを実際いただいたわけではありませんが、ロンドンのパブのこの名のチップスを見つけて食べたらヤミツキになりました。ある夜のパブ、アフタヌーンティの後でお腹いっぱいにも関わらず、このチップスだけは別腹で、とても美味しくいただきました。

イギリスで美味しいものがないと言われたのはもう過去のこと。パブでも美味しいものがいただけます。それもシンプルなチップスにこんなに手間をかけて出してくれるのです。美しく飾られた料理のプレートも素敵ですが、トリプルクックドチップス、イギリスで見つけたらぜひお試しください。