ネイティブに伝わる!英会話 発音を劇的に変える練習法
2025.09.24
海外旅行や道案内で、自分の英語が相手に理解されなかった経験、ありますか?
一度英語の音が通じなかった経験があると、ついつい英語を音声にして口にすることをためらってしまいます。翻訳アプリに発音してもらって、それで済むと考えてしまっては英語のコミュニケーションは身につきません。英語と日本語は対極にある言語です。それを発音するには実はとても大変な大変なこと。でもこれを乗り越えていかないと、英会話の習得は諦めるしかありません。
今回は英語が伝わらない理由、その原因を探りながら、ネイティブに伝わる英語でのコミュニケーションの手がかり、方法をご紹介していきましょう。
なぜ英会話に発音は欠かせないのか?
日本人の発音、確かに英語には向かないことがあります。まずその理由を考えていきます。それは日本語より英語は音素が多いからです。音素は個々の音で日本語は母音5と子音16に対し、英語の音素は数え方にもよりますが、母音が12子音が24と言われています。音素だけでもお手上げです
発音ひとつで「通じる/通じない」が決まる
音素と音の変化でも発音は微妙に違ってしまいます。簡単なcoffeeの単語だって、スコットランドの空港で通じなかった経験があります。思わずカフェラテと言ってしまい、そのイタリア語の単語は通じました。発音で英語が通じるか通じないか、それが決まってしまいます。英語と日本語は対極にある言語で、英語のネイティブスピーカーが日本語習得に必要な時間は、FSI(The Foreign Service Institute:アメリカの外務職員局)の発表によると2200時間もの勉強時間が必要だそうです。日本人が英語をマスターするのもまさに同じくらいで、それは果てしない時間です。それだけ言語として発音も文法も何もかも違うのです。
発音においては子音で終わる単語が多い英語に比べて、日本語は「ん」以外はa・i・u・e・oのどれか母音で終わります。英語で母音をはっきり発音するといわゆる「カタカナ読み」になってしまい、伝わる英語にはなりません。
リスニング力にも直結する
また発音できない音があるということは、その英語を聞き取れないことになります。まねできない音は発音もできないという、英語の発音の負のスパイラルに陥ってしまうということになってしまいます。母国語が真逆な日本語の私たちは、そのためにネイティブスピーカーたちの英語を徹底的に聞き続けなければならないようです。発音に自信がない人の英会話あるある
英語の発音に自信がない人、それはまだ勉強不足と経験不足だからです。こんな原因も考えられます。
カタカナ読みが抜けない
カタカナ読みというのは単語をカタカナで読むことではありません。日本語でカタカナになっているものの発音はほとんど英語でのコミュニケーションでは通用しません。ビデオ、メディア、スタジオ、エネルギー、カオス、セーター、ワクチンなど思いつくまま並べてみましたが、都市名も意外と全く発音が違うのです。ペキン、ウィーン、チューリヒ、フィレンツェ、ブリュッセルなどなど。シェーンの講師の出身地のメルボルンは何度聞いても聞き取れず、お手上げでした。通じなかった経験で話すのが怖くなる
確かに外国でレストランの注文が通じなかったこと、ありました。何でわかってくれないのか、自分の英会話のレベルの低さに慄いてしまい、口にできなくなることもあります。だからと言って海外にいる時に英語を口にしないと先には進めません。通じなくても通じるよう何度も何度もトライしてみましょう。作家の村上春樹氏はビールのクァーズの銘柄を、ハワイのあるスタッフに何度も口にしてみても通じないと書いていました。海外生活も長く翻訳もされている村上春樹氏でも、相性の悪い相手と遭遇すれば通じるものも通じないというわけです。発音の強化をするためには、その人たちの英語に耳を傾ける必要が出てきます。余談ですが、以前海外赴任をしていた人たちばかりの英会話レッスンに入ったことがあります。流暢な発音ではないと、ついつい英語が口にできない日本人の質。でもそのレッスンのオジサマたちは中東や東南アジアで英語を操っていた人たちですが、発音はネイティブスピーカーのものではありません。それでも担当のイギリス人講師に対して英語を通じさせる力はありました。英語でコミュニケーションしようとする姿勢も必要だと痛感します。
間違った英語は使いたくない、完璧な発音ではないと嫌、そう考えているといつまで経っても英語のコミュニケーションは手に入れられないようです。
ネイティブのような発音を身につける効果的な方法
ではどうやったらネイティブのような英語の発音を手に入れられるのでしょうか。それにはネイティブスピーカーの存在が必要不可欠です。
シャドーイング・音読で口を慣らす
シャドーイングとは耳で聞いた英語の音声を、そのまますぐに復唱することで、英語の学習方法の一つです。第二言語を獲得するための学習方法として、多くの英語学習者が活用しています。正式にはプロソディシャドーイングと呼ばれ、その言葉の意味を考えないで音を素早く正確にマネすることが求められます。次にコンテンツシャードイングと呼ばれる意味を解釈しながらのシャドーイングに進んでいきます。ネイティブスピーカーの音を聞く、とっさに口にする、これをくり返すことで、英語のリスニングとスピーキングを同時に高め、英語の音を口にする習慣をつけて英語の発声に慣れることをしていきましょう。ネイティブにチェックしてもらう
でもその発音、確かに合っているのか心配になります。ネイティブに英語をチェックしてもらうのが一番です。英会話スクールは敷居が高くても、オンラインの無料お試しレッスンも活用できそうです。けれど対面の英会話レッスンが英語力を高めます。その理由は目の前にいる講師とのデジタルではないアナログのコミュニケーションが、学んだことを脳に定着させるから。モニターからではない、五感を通しての対面レッスンの良さも体験してみましょう。そのクラスの雰囲気を含めて英語のスキルが高まっていくこと。インタラクティブなレッスンで講師と楽しくコミュニケーションできれば、英語の発音にも自信が持てるようになるでしょう。実際に顔を合わせる対面のレッスンの方が受け身ではないコミュニケーションを感じることができ、コミュニケーションスキルを高めることができそうです。
発音を鍛える英会話スクールの選び方
ではどんな英会話スクールが英語の発音の上達できるのでしょうか。どんなに英語の発音がよい日本人の先生より、英語を母国語としているネイティブスピーカーのレッスンがおススメのようですが…
ネイティブ講師が常駐しているか
ただ外国人の講師というだけではいけません。英語を母国語としている外国人、ネイティブスピーカーの講師を探してみましょう。さらに英語指導の資格を持つ講師ならいうことはありません。英語の指導資格はイギリスのケンブリッジ大学とトリニティカレッジロンドンで認定しているものが有名。英語を指導するための特別なスキルを持つネイティブ講師の、第二言語習得理論に基づいた英語のレッスンがおススメです。発音指導に特化したカリキュラムがあるか
発音指導に特化したレッスンだけも確かにあるようです。ただ発音だけではなく、リスニング・スピーキング・リーディング・ライティングをバランスよく身につけることが英語の習得には不可欠。シェーンの英会話レッスンにはスピーキング中心の日常英会話のレッスンがあります。そのレッスン時間内に与えられたタスク―目的に則って、聞き手にわかりやすい自然な発音を意識するようにレッスンを進めていきます。ネイティブ講師の英語の音をしっかりと馴染ませて、発音も文法も自然と身につくことを目指したレッスンを行っています。もちろん国籍は日本でも海外生活が長く、バイリンガルとして英語に堪能な日本人の英語の先生もたくさんいらっしゃいます。一概にネイティブ講師か日本人講師のどちらがよいかは言えません。相性が合いそうな講師を選ぶことをおススメします。
日常で役立つ!発音を意識した練習法
英語の発音でよく言われるrとlの発音。お米のriceを発音したのに、シラミの意味のliceに伝わってしまったという笑い話があります。どうしたらrとlの発音を間違いなく発音できるのでしょうか。
rとlを区別して発音しよう
これも頭を悩ませる発音です。日本語にはない音なので使い分けができない英語の鬼門。舌の置く場所、口の開け方でその音は変わってしまうそうです。何度もrとlから始まる英単語の音を聞いて口にしてみるしか、rとlを区別して発音ができる方法はなさそうです。例えばlightとright、この音の違いを聞いて練習してみましょう。自分の発音を録音して発音矯正に努めている方もいるそうです。英語のイントネーション・リズムを知りクリアに伝える
日本語でも活舌の悪い発音は聞き取りにくいものです。言葉をクリアにして相手に伝えることがコミュニケーションの基本。特に英語の場合は抑揚が大切な鍵になってきます。YesかNoか訊ねる疑問文は語尾を上げます。また強い気持ちの表現にはHowやWhatを使って下がり気味に伝えています。ネイティブスピーカーの英語を聞き続け、英語のイントネーションとリズムを身につけることも伝わる英語のコミュニケーションを手に入れる鍵となります。音声変化のルールを知ろう
英語特有の音声変化。ここにも英語の発音のコツが隠されているようです。ではどんな音声変化のルールがあるのでしょうか。
音声変化1:リンキング・リエゾン
リンキング・リエゾンは2つの音がつながって、1つの音として発音されること。子音で終わる単語の次に母音で始まる単語がくる場合に起こる音声変化で、子音と母音を連結して発音するルールになります。例えば「Have a」を英語で発音する際はveとaはつなげて発音します。他にもつながっていく例を少し挙げていきましょう。音声変化2:リダクション
リダクションは特定の音が弱く発音されたり、脱落したりすること。特にtやdはリダクションしやすいため、熟語や文章の中では前置詞や単語を聞き取り、発音できるように覚えていくことが大切です。文末が破裂音になるatのtや、goodのdなど破裂音+子音の場合、破裂音をほとんど発音しないのがリダクションです。cut downとsitのtはほとんど音にはなっていません。音声変化3:アシミレーション
2つの音が重なり、新たな音として発音されるのがアシミレーション。隣り合った音が相互に影響して、別の音になったり、前後の音と似た音に変化したりすることです。meet youは日本語のカタカナ読みとは違ってtとyouが続けて発音され違う音になっています。音声変化はネイティブスピーカーの英語の音を聞いて慣れていくしかありません。そのためには英単語を頭から取り除いていい時もあるかもしれません。
目で見る英語から耳から聴く英語へ
今まで中学と高校の授業で英語は最低でも8年学習してきた私たちですが、英語を聞き取る、話せることはなかなか自信を持ってできません。けれど難しい英単語の意味がわかったり、文法の時制を正しく表現したり、ちょっと学んできた英語がアカデミックなものだったものでもあるようです。
母国語を習得するのは耳からです。けして文字を音にして発音記号で覚えたりはしていません。幼い頃近くで話している人たちの言葉を聞き続けて、やっと発話できるようになっていたわけです。バイリンガルと呼ばれる人たちは2カ国語をずって聞き続けて二つの言葉を話せるようになったのです。
目で単語を見て覚えてきた日本の英語教育ですが、それは長年の英語教材が構築されそれを使っての学習でした。明治時代はまだ英語教材が不自由な時代。当時の学生たちはイギリス人やアメリカ人の英語を耳から身につけていきました。夏目漱石がイギリス留学できたのも、英語ではありませんが森鴎外がドイツ留学できたのも、当時外国から来日していたお雇い外国人教師たちから学んだからです。
耳から覚える英語が実践的で使える、伝わるコミュニケーションを培っていたようです。これからは英単語を見ないで英語だけに耳を慣らすことをおススメします。映画も日本語吹き替えではなく英語で、それも英語字幕なしで挑戦してみましょう。
シェーン英会話で身につく自然な英語の発音の理由とは
シェーンの日常英会話レッスンではオリジナルテキスト、Time to Talkを使っています。このオリジナルテキストには日本人が発音しにくい音や区別しにくい音、前に解説した三つの音声変化、単語や文のストレス、イントネーション、リズムを毎回のレッスンで学習しています。
英語の発音について総括しましょう。発音を構成しているのは次の要素です。
音素
これは個々の音のこと。英語の母音は12、子音が24あり、日本語は母音5 子音16ですから、英語の音は日本語と比べて難しい理由はこの音素が原因です。音の変化
前に説明したルール、リンキング・リエゾン、リダクション、アシミレーションです。リズム
緩急、間、テンポで、英語は強く発音する音の間隔が一定になり、コミュニケーションも円滑にできるようになります。ストレス
強勢で、どの音が強く発音するのか、このストレスは単語にも文章にもあります。イントネーション
音の高低、抑揚のこと。英語の独特なイントネーションを耳にしっかり刻みます。シェーンのレッスンはこれらの発音のルールを活かして、聞き手にわかりやすい自然な発音を意識したレッスンを行っています。
英語でのコミュニケーションをはかるにはこれらを複合した発音のスキルが必要です。音素、音の変化、リズム、ストレス、イントネーションは、思っていた以上に意味を伝えるための重要な働きがあります。日本人が発音しにくい音と区別しにくい音は、実際のネイティブの英語の音を存分に聴いて、自分の英語の発音に磨きをかけるしかありません。