Silver Tissue Court Gown~From the United Kingdom
2026.02.08
シルバーティッシュコートガウン、銀のティッシュの宮廷のガウン。直訳するとそうです。これはインクランドの古くからあるドレスで、ティッシュは薄い織物を意味します。広く開いた胸元、短いけれど美しく装飾された袖、スカートは広くゆったりと広がったデザイン。今はその光を失っていましたが当時は銀の輝くばかりの色合いだったようです。
このコートガウンはロンドンのケンジントンパレスに展示されていたものです。説明がありました。17世紀のチャールズ2世の時代、宮廷に参じる女性たちが着始めたようです。上質な銀色のシルクで織られています。繊細に作られたレースの細工も見事です。実際に見ると銀糸というより金糸のように見えましたが、17世紀のものとしては美しく保存されていました。
そうこのデザイン、どこかで見たような気がしてきました。ダイアナ元皇太子妃のウェディングドレスも、ここケンジントンパレスで実物を見たことがあります。全く同じではありませんが、1981年のダイアナ元皇太子妃のウェディングドレスとこのシルバーティッシュコートガウンは似ています。ウエディングドレスは襟ぐりはもっと華やかで袖は長いものでしたが、肩からのふくらみ、ウエストラインを強調したデザインは同じです。ダイアナ元皇太子妃は20才であのドレスで着ていたのですから、このシルバーティッシュコートガウンは若い女性のためのものだったのでしょう。
この時展示されていたシルバーティッシュコートガウンの隣にあったドレス、実はこれもとても貴重なものでした。映画「ローマの休日」で最優秀主演女優賞に輝いたオードリー・ヘップバーンが着ていたドレスだったのです。白いレースのドレスのオードリー。初めてのアカデミー賞の会場でとても緊張していたうえ、その発表がじらされて極度の青白い表情でした。やっと名を呼ばれて壇に上がっても、その硬い表情は変わりません。けれどオスカー像を手にした撮影では輝くばかりの笑顔を見せてくれていました。
シルバーティッシュコートガウンの年月に負けないくらいのオードリーのドレス。それをいっしょに観ることができたのは二度とない機会でした。

