Penhaligon's~From the United Kingdom
2025.08.30
英国コラム
ペンハリガンはイギリス王室御用達のフレグランス-香水を扱う老舗です。20世紀になってすぐに即位されたエドワード7世の王妃によって、王室御用達の認定を受けました。
創業者ウィリアム・ペンハリガンは理髪師であり調香師。イギリスの南西部にあるコンウォール州ペンザンスで生まれ、1870年にはロンドンの理髪店で働き始めます。理髪店にあったロンドンの中心部にあるジャーミンストリートでは、当時流行っていたトルコのハマム風呂がありました。1872年にハマム風呂の顧客向けに調香した香水を販売するとそれが売れます。その評判を聞いた貴顕の人々は香水の依頼をし始めました。そこに王室とのつながりもあったようです。
調香師ですからその嗅覚が命です。父のウィリアムが1902年に亡くなると息子のウォルターがその仕事を引き継ぎ、第9代マールバラ公爵のために香水を依頼されました。父のその嗅覚は息子にもあったようです。父のウィリアムの死を知ったアレクサンドラ王妃は1903年、ペンハリガンに王室御用達を認定、ますますペンハリガンの名を高めていきました。
1870年代に調香されたジャスミンと白檀の香りを100年過ぎて復活させてもいます。第9代マールバラ公爵の依頼された「ブレナム ブーケ」はイギリスの宰相ウィンストン・チャーチルもご愛用でした。マールバラ公爵とチャーチル首相は従兄弟の関係。そんなつながりで香水もつながっていきます。
ペンハリガンのボトルデザインも上質なこだわりを感じます。最近は匂いのきつい香りは敬遠されがちですが、ほんの少し指に落として耳の裏につけると気分も変わります。