Shortbread~From the United Kingdom

2025.08.14

英国食生活

イギリスのスイーツはひと通り網羅したつもりでいたら、肝心なモノを忘れていました。イギリスのお菓子で一番日本でも手に入りやすいモノ、それはショートブレッドでした。

でも短いパンって、ちょっと変ですよね。でもそれも誤解のようです。ストロベリーショートケーキという英語名の画像、これはビスケットのようなものにストロベリーとクリームが乗っています。けしてスポンジケーキではなさそうです。なかなか面倒なことになってきましたので、ショートブレッドをまず調べてみました。

ショートブレッドは元々スコットランドのお菓子。それもかなり古いもので12世紀にはあったようです。小麦粉とバターと砂糖でつくられるシンプルなレシピ。とてももろく壊れやすかったので、その意味の「ショート」がついた説もありました。当時はとても高価なお菓子のショートブレッド。スコットランドではクリスマスと1年の最後の日や結婚式など、特別な日のお菓子でした。

  • Shortbread~From the United Kingdom

ショートブレッドは砂糖1バター2、小麦粉3の割合が基本のレシピで、このレシピは18世紀初頭に残されています。スコットランドのウォーカーズは日本でも買えるお手軽なショートブレッドで、その創業は1898年。今ではスコットランド最大手の食品輸出を誇っています。お馴染みのタータンチェックの包装で顧客をしっかりとつかみ、スコットランド=タータンチェック=ウォーカーズショートブレッド、その図式を日本でも浸透させました。

ショートブレッドのカタチは細長いモノ、丸いモノに加え、あまり見かけなかった三角に切ったモノがあります。これは元々大きな丸いショートブレッドを、ホールケーキのように放射状に切って三角にしています。確かにホールのケーキはこうして切られて売っていますね。そこで気になるのは、またまたショートケーキの名の由来です。

長い間イギリスではショートブレッドとショートケーキは同じモノでした。でもアメリカでは違ったようです。アメリカのショートケーキにはベーキングパウダーや卵が加えられ、柔らかなスポンジケーキにクリームとフルーツを詰めました。これが確かに日本の苺のショートケーキの元のようです。苺のケーキのレシピの登場は1845年。それより以前にあったと思われますが、それが日本のショートケーキにつながったのでしょう。日本ではショートケーキ=苺のクリームの1人用ケーキとなりました。