Guards Crimean War Memorial~From the United Kingdom
2025.11.05
英国史雑学
ロンドンの街中を歩いているといろいろな銅像や記念碑に出会います。それもさり気なくではなく、通りの真ん中に建てたものもよく見かけます。
ピカデリーサーカスからトラファルガースクエアに抜けようとした時に見かけたGuards Crimean War Memorial。クリミア戦争の記念碑は1861年、かつて王室の館のあった場所に建てられました。兵士の頭上に手を広げる女神が印象的です。
クリミア戦争は1853年から3年もの間に、現在のトルコとロシアの戦いがクリミア半島でくり広げられました。この戦争の名はナイチンゲールとともに記憶されていることが多いかもしれません。看護師になったばかりのフローレンス・ナイチンゲールは、自ら戦地に赴き、その看護に当たります。戦地は不衛生で、けが人の養生もままなりません。ただのけがも感染症を併発することが死に至ります。徹底した衛生管理から実行したナイチンゲールは、戦死者を減らすことができました。「クリミアの天使」と呼ばれ、後世にクリミア戦争とともに名を残しました。
記念碑の右手にはランプを持ったナイチンゲールの像が後年、建てられました。ナイチンゲールが90才で亡くなった4年後のことでした。ナイチンゲールのフローレンスという名。実はご両親の新婚旅行先のフィレンツェ(英語でフローレンス)で1820年に誕生したことが、名の由来だそう。ご両親が何年にもわたる新婚旅行に出かけるという、ナイチンゲール家の裕福さも垣間見えました。
※ナイチンゲールの左手に立つ像は、ナイチンゲールとともにクリミア戦争に関わったシドニー・ハーバート男爵(1810-1861)

