Weatminster Abbey~From the United Kingdom
2025.10.07
英国コラム
イギリスの国王や女王の戴冠式、王族の結婚式が執り行われるウエストミンスター寺院。2022年9月、エリザベス2世の国葬にも世界中の来賓たちがこのウエストミンスター寺院に集まりました。
ウエストミンスター寺院のアビーは修道院のこと。その建設はとても古く、1065年にはもうウエストミンスターにはあったようです。世継ぎが変わると、イギリスの君主たちはここで盛大な戴冠式を行います。1066年12月25日、ウィリアム1世もこのウエストミンスター寺院で戴冠されました。ウィリアム1世はノルマンコンクエストでイギリスを征服したフランスから来た王。ウィリアム1世は、征服王またはろくでなしウィリアムとも呼ばれています。その後、リチャード3世に幼くして亡き者にされたエドワード5世と、離婚歴のあるアメリカ人のシンプソン夫人を選び王位を捨てたエドワード8世以外の君主たちは、このウエストミンスター寺院で戴冠式を行っています。君主の戴冠式の場所、それがウエストミンスター寺院です。
1296年、時の国王エドワード1世はスコットランドとの戦いに勝利し、戦利品としてスコットランド王が戴冠の際に使うスクーンの石ー運命の石を、このウエストミンスター寺院まで運ばせました。1996年に次期首相のトニー・ブレア氏によって、700年ぶりにスクーンの石はスコットランドに返還されています。ブレア氏はスコッランド出身。スコットランドの象徴の奪還を果たしたことになります。けれどスクーンの石は、君主の戴冠式には、またスコットランドから運ばれるそうです。スコットランドのスクーンの石は、戴冠式にはなくてはならないものになりました。