Cradle Walk~From the United Kingdom
2025.06.14
英国コラム
久しぶりにケンジントンパレスに出かけました。パレス入場は料金がかかります。1人£24でしたから4800円です。限定で公開されているバッキンガムパレスの特別ツアーは£100もしていましたからまだ安い入場料ですが、ロンドンに初めて来た人を案内するために訪れたわけです。いつもはケンジントンガーデンの内のお散歩だけです。
パレス内をひと通り見学し終えると、ショップに出ます。明るい外の光が見えて、その先にはカフェもあり、こちらはパレスの入場料がなくても入れるようですが、そう思い出しました。数年前にダイアナ妃の像が完成したニュースを見ていました。今はプリンセスダイアナ・メモリアル・ガーデンとなったお庭へ足を運びます。
そこは緑のアーチが迎えてくれました。クレイドルウォークと呼ばれるそのアーチ、クレイドルはゆりかごなので、とても心和む場所です。アーチにはところどころガーデンが見えるよう展望スペースを開けています。最初にダイアナ妃の像の背面が見えてきました。そこが像に一番近い場所です。子どもたちの肩を両手で抱きかかえ、姿勢の好いダイアナ妃の背中、その像はお住まいだったケンジントンパレスを向いていました。
クレイドルウォークは2008年に鉄のアーチを設置し、その緑を育成してきたようです。その緑は菩提樹。ところどころに赤い葉も見えました。初夏の季節は葉が密生して、涼やかな木陰をつくってくれています。秋になれば落葉してまた違った風景になるのでしょう。菩提樹の木の下で悟りを開いた釈迦。ダイアナ妃と宗教は違いますが、心が穏やかになる木なのでしょう。葉ずれの音がします。そのアーチ内でゆりかごにいるようなロンドンの初夏の季節を感じました。