Isabella Bird~From the United Kingdom
2025.06.11
明治の時代にスコットランドから日本にやって来た1人の女性、イザベラ・バード。未知なる日本の国を知りたくて来日したのですが、日本の環境に慣れるまでは時間を要したことでしょう。異文化理解を重ねながら、北関東から東北、日本海側から道南への旅を続けます。
日本に来るまで船で50日以上もかかった時代、そのうえ日本国内の移動も大変な時代でした。その勇気と行動は真似できるものではありせん。そのうえ女性の身体で、日本のまだ不衛生な生活に慣れるのは大変だったはずです。それでも日光から福島、新潟、山形、秋田、青森と進み、北海道に渡ったイザベラ・バード。峠を馬で越えて旅をしたイザベラ・バードはすでに40代半ばを過ぎています。どんなに旅慣れていてもその行程は大変なもの。イザベラ・バードの好奇心と行動は類まれなるものでした。
こんな逸話も残っています。旅のガイドにイトーという青年を雇います。まだ学生だったようですが、通訳を務めながら旅をしっかり仕切りガイドします。ガニ股で背が低く、細い目のイトー。でも歯に気を遣い、日焼けを嫌い、その容貌を整えるところをイザベラ・バードはよく見ています。若い男性が女性のように身支度しているのが、不思議に映ったのでしょうか。イザベラ・バードは絵を描く人で、観察眼にも長け、また多くの明治の日本の風景と人々を描き残しています。
1878年6月から9月までの旅を終えるとイトー青年との契約は終了しました。その別れの際にはとても寂しかったと言うイザベラ・バード。旅の期一会、それは確かに二度とはないことばかりです。異国の地で忠実にガイドの仕事以外も勤めてくれたイトーには、感謝の気持ちでいっぱいになっています。イザベラ・バードの日本への旅はまだ続きます。
最近は書籍ではなく、「ふしぎの国のバード」という漫画もあります。どんな異文化理解をしていたのか、イザベラ・バードの明治時代の旅を漫画で楽しむこともおススメします。
※写真はイザベラ・バードが回った北海道と東北の今の風景