Milk in First~From the United Kingdom

2023.06.18

英国食生活

英国で飲む紅茶はミルクティーが定番。そのミルクを先にカップに入れるか、注がれた紅茶にミルクを入れるか、長い開意見が分かれていたようです。

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紅茶を淹れる時はまずティーポットをやかんに近づけて、熱い湯を茶葉と合わせることが大切。そしてじっくりと蒸らしてからカップに注ぎます。そのカップに先に冷たいミルクを注いでおくと、紅茶とミルクがほどよく溶け合い、紅茶の香りとともに絶妙に美味しくなるというのが、Milk in Firstの言い分です。ミルクを後に入れる派Milk in Afterは、まず注がれた紅茶の味を確かめて、濃いのか薄いのか見極め、ミルクを入れた方が味に間違いはないと言います。

この論争は19世紀後半から続き、21世紀になった2003年、Royal Society of ChemistryがMilk in Firstが正しい入れ方と結論づけました。Milk in Afterを主張する作家、ジョージ・オーウェルの生誕100年後に、彼の完璧な紅茶論をひっくり返したわけです。どうやらこれも英国人らしいジョークのひとつらしいのですが、議論の好きな国民性が伺えます。結局はこの論争に決着はなく、人ぞれぞれの好みで美味しく紅茶をいただけばいいわけですから。

ちなみに先にミルクを入れたカップは茶渋がつきにくいので、先に入れるだけで、そんな下賤なことは上流階級ではやらないとも聞いたことがあります。でも紅茶はストレートが好きな方には、何にも関係のないお話でした。