Knickerbocker Glory~From the United Kingdom

2023.04.30

英国食生活

ニッカボッカグローリー。この名は初めて聞きました。ゴルフウェアにも作業着にもなる、あのニッカボッカが栄光になるって、どんなものなのでしょう。実は端的に言えば苺サンデーなのです。あるレストランのメニューにはこんな説明がついていました。

Knickerbocker Glory
strawberry and vanilla ice cream, raspberry syrup, toasted almonds and gold
ストロベリーとバニラアイスクリーム、ラズベリーシロップ、トーストしたアーモンドとゴールド

このレストランのニッカボッカグローリーは、金粉もかかった豪華なものなのでしょうか。ゴールドを何かに見立てている気もします。ニッガボッカグローリーの由来は諸説あり、その元はよくわかっていませんが、ニッカボッカグローリーでひとくくりの言葉になっているようで、苺とアイスクリームで手軽にできるデザートというわけです。

日本ではパフェは細長いガラスの容れもので、サンデーは低めのガラスの容れものといった感じでありましたが、実はどちらも同じ材料です。パフェは層をつくりながらアイスクリームや果物を重ね、フランス語の「parfait-完璧」を意味しています。サンデーはアイスクリームの上にいろいろと飾っていったもので、「sundae」と記し、日曜日に売られていたという説他あり、どうやらアメリカ生まれのようです。アメリカではサンデーも細長い容れ物です。ちなみにプリンアラモードなんていうものもありましたが、これは日本で作られたもので海外にはありません。

さてこのニッカボッカグローリーですが、先日観た映画に出てきました。黒澤明監督の名作「生きる」をリメイクした「生きる LIVING」の中で、余命わずかな上司と女性の部下が、フォートナム&メイソンでランチをします。デザートはサンデーにすると、女性は嬉しそうです。もうすぐ自分の身体がなくなってしまう上司と、生き生きと輝くばかりのエネルギーにあふれた部下の女性との対比が見事です。そしてテーブルに置かれるニッカボッカグローリー。映画では苺までは見えませんでしたが、ニッカボッカグローリー生きるエネルギーの象徴のようにも思えました。

ちなみにフォートナム&メイソンのパーラーでいただけるニッカボッカグローリーは、£14.5で約2500円。これに12.5%のサービスチャージが加わります。カロリーも729とお高めですが、一度はフォートナム&メイソンでいただきたいと思います。

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