英検Ⓡのリスニング問題を解くコツは?各級の特徴や試験の詳細

2023.04.02

試験対策

英検とは、公益財団法人 日本英語検定協会が実施している英語能力を証明するためのテストです。日本英語検定協会の設立は1963年。60年にわたって、日本の英語の普及と向上のため、日本人の英語能力をはかるためのテストを続けてきている機関です。

英検のテストは5級から始まり、4級、3級、準2級、2級、準1級、1級にレベルが分かれています。英検にはリスニング問題が、全ての級において出題されています。これは英語の4スキル、リスニング力とスピーキング力、リーディング力とライティング力をバランスよく身につけるためものです。昔とは違い、英検の出題傾向は戦略的に変わってきています。今回は英検で実施されるリスニングの試験対策について、試験概要とともにご紹介と解説をしていきましょう。

英検のリスニングのテストは、一次試験の筆記試験の後に実施されます。筆記試験を解き終えたら、リスニングの問題文に事前に目を通しておくと、次の状況が把握できそうです。リスニングテストは問題に記載された絵や解答の選択肢を見て答えます。あらかじめ出題内容を予測してみる時間も必要です。リスニングに強くなれるよう、その攻略のポイントとおすすめの勉強法を、級別に考えていきます。


英検Ⓡ5級のリスニングの特徴と問題を解くコツ

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英語学習の入口、英検5級のリスニングは、どんな試験が行われているのでしょうか。

英検Ⓡ5級のリスニング試験の特徴

リスニングの試験時間は約20分間。中学初級程度のレベルの英語力が問われる最初のレベルになります。

英検5級のリスニング試験の内容

リスニングの音は各2回流れます。イラストのカードを見て解答する問題もあります。


1問目
形式/会話の応答文からの選択/英語の会話文から最適なものを選ぶ
問題数/10
解答形式/3つの中から選ぶ 

2問目
形式/会話の内容からの選択/会話の内容に関する質問に答える
問題数/5
解答形式/4つの中から選ぶ

3問目
形式/イラストの内容を選択/短い文を聴いてイラストと同じものを選ぶ
問題数/10
解答形式/3つの中から選ぶ

英検Ⓡ5級のリスニング問題を解くコツ

文章の始まりにある疑問詞を聴き取ることが課題です。使われる疑問詞はWhatやWho、Where、When、Howなどです。疑問詞を聞き取ることによって、何を答えるべきか予想しやすくなります。例えばWhoなら人に関する回答、Whenなら時に関する回答になると予想できます。疑問詞の種類と答えの対象になるものは次の通りです。
疑問詞の種類

What/物や事柄
Who/人
Where/場所
When/時間
How/方法

英語の5W1Hについてはシェーンの「お役立ち情報」のライブラリーでご紹介しています。

英語の5W1Hを押さえよう! 基本の使い方と回答のポイント 例文付き

●情報はこちら

英検Ⓡ4級のリスニングの特徴と問題を解くコツ

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英検4級は中学生の中級レベルの内容で、実際の場面や状況に即した問題形式で出されます。

英検Ⓡ4級のリスニング試験の特徴

リスニングの試験時間は約30分間。英検Ⓡ5級と比較すると、出題される会話表現もより実用的になってきます。

英検4級のリスニング試験の内容

リスニングの問題は各2回流れます。

1問目
形式/会話の応答文からの選択/英語の会話文から最適なものを選ぶ
問題数/10
解答形式/3つの中から選ぶ

2問目
形式/会話の内容からの選択/会話の内容に関する質問に答える
問題数/10
解答形式/4つの中から選ぶ

3問目
形式/短い引用文からの設問/物語や説明文を聴いて選ぶ
問題数/10
解答形式/4つの中から選ぶ

英検Ⓡ4級のリスニング問題を解くコツ

複数の疑問詞に注意する

英検4級のリスニングでは、1つの問題文の中に2回疑問詞の登場も出てきます。それぞれの意味を把握して、設問が本来求めていることを理解する必要があります。

リスニング音声の1度目で大まかな内容を把握する

リスニングの音声は1つの問題に対して2度アナウンスされます。1度目の放送で内容を把握して、2度目は「答え」を聴き取ることに意識し、集中しましょう。


英検Ⓡ3級のリスニングの特徴と問題を解くコツ

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だんだんとリスニングの内容も難しくなってくる英検3級。どんな英語試験なのでしょうか。

英検Ⓡ3級のリスニング試験の特徴

リスニングの試験時間は約25分間。中学校卒業程度の英語力が必要とされているレベルが英検3級です。日常生活における身近な内容を英語で理解できるか問われ、英検5級や4級と違い、1問目のリスニング音声は1度しか放送されない設問も出てきます。

英検3級のリスニング試験の内容

リスニングの音は問題によって放送回数が変わります。集中力を高めて臨みましょう。

1問目
形式/会話の応答文からの選択/英語の会話文から最適なものを選ぶ
問題数/10
解答形式/3つの中から選ぶ

2問目
形式/会話の内容からの選択/会話の内容に関する質問に答える
問題数/10
解答形式/4つの中から選ぶ

3問目
形式/短い引用文からの設問/物語や説明文を聴いて選ぶ
問題数/10
解答形式/4つの中から選ぶ

英検Ⓡ3級のリスニング問題を解くコツ

1度目のリスニング音声で疑問詞を聴き取ります。特に1問目はリスニンのグ音声が1度しか流れないので、質問内容をしっかり把握しましょう。1問目は問題用紙に記載されている、イラストの会話の内容を問うものになります。会話文は2人目を注意して聴き取ることが大切です。

英検の公式サイトから過去に出題されたリスニング問題を引用して挙げてみます。英検の公式サイトではリスニング音源を聴くこともできます。

1人目の発言/I’m hungry, Anne.
2人目の発言/Me, too.
1人目の発言/How about pancakes?

選ぶ答え
1/On the weekend.
2/For my friends.
3/That’s good idea.


最後の疑問詞のHow about~は、どのくらいかと訊いている質問文ではありません。慣用句や熟語を頭に入れながら語彙の力をつけていきましょう。会話で使われるフレーズもしっかりと身につける学習も併せてしていくことが大切です。


英検Ⓡ準2級・英検Ⓡ2級のリスニングの特徴と問題を解くコツ

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英検準2級以上の取得は、英語の仕事に就く合格ラインに近づけます。

英検Ⓡ準2級・英検Ⓡ2級のリスニング試験の特徴

英検準2級・英検2級どちらもリスニングの試験時間は約25分、全ての問題において、リスニングの音声が1度しか流れません。英検準2級は高校中級程度、英検2級は高校卒業程度の英語力が必要になり、アカデミックな表現の情報が必要になってきます。

英検準2級のリスニング試験の内容

英語力アップはこの壁の先にあります。リスニングのトレーニングがスコアアップにつながります。英語のナレーションのスピードにも気をつけて本番に臨みましょう。

1問目
形式/会話の応答文からの選択/英語の会話文から最適なものを選ぶ
問題数/10
解答形式/3つの中から選ぶ

2問目
形式/会話の内容からの選択/会話の内容に関する質問に答える
問題数/10
解答形式/4つの中から選ぶ

3問目
形式/短い引用文からの設問/物語や説明文を聴いて選ぶ
問題数/10
解答形式/4つの中から選ぶ

英検2級のリスニング試験の内容

ネイティブレベルの英語力に近づく英検2級。リスニング力が試されます。

1問目
形式/会話の応答文からの選択/英語の会話文から最適なものを選ぶ
問題数/15
解答形式/4つの中から選ぶ

2問目
形式/短い引用文からの設問/物語や説明文を聴いて選ぶ
問題数/15
解答形式/4つの中から選ぶ

英検Ⓡ準2級・英検Ⓡ2級のリスニング問題を解くコツ

わからなかった・聞き取れなかったときは切り替えて次の問題に備える

英検準2級以降はリスニング音声が1度しか流れないため、リスニング音声を聴き取れなかった問題はあきらめて、次の問題に備えるほうがよさそうです。正答率を上げるために効率的のよい手段を選びましょう。

リスニング音声を聞いてそのまま内容をイメージする

頭の中で日本語を介さずに、問題の内容をイメージする必要が出てきます。リスニング音声を聞きながら、和訳していては問題の速さについていけなくなるおそれがあります。リスニング試験で出てくる単語の難易度は上がり、かつ読まれる英文の量が増えるため、英語は英語での理解と応答が大事になってきます。


英検Ⓡ準1級・英検Ⓡ1級のリスニングの特徴と問題を解くコツ

もうここまで英検の級を積み上げれば、英語の達人の域に入ってきます。英語での思考能力をしっかりと築くことに努めましょう。結論と理由を英語で伝えられるよう、ロジカルシンキングのスキルも必要になってきます。

英検Ⓡ準1級・英検Ⓡ1級のリスニング試験の特徴

英検準1級のリスニング試験時間は約30分、英検1級のリスニング試験時間は約35分です。全ての問題において、リスニングの音声が1度しか流れません。英検準1級は大学中級程度、英検1級は大学上級程度の英語力が必要です。

英検®準1級のリスニング試験の内容

英検準1級は誤解を生じない、十分な意思疎通がはかれるほどの英語の知識を持ち合わせているレベルです。ネイティブスピーカー並みのリスニング力が必要になります。

1問目
形式/会話の応答文からの選択/英語の会話文の内容に関する質問に答える
問題数/12
解答形式/4つの中から選ぶ

2問目
形式/引用文からの選択/引用文の内容に関する質問に答える
問題数/12
解答形式/4つの中から選ぶ

3問目
形式/実際の英語圏の生活からの設問/具体的なアナウンスなどを聴いて質問に答える
問題数/5
解答形式/4つの中から選ぶ

英検®1級のリスニング試験の内容

英検1級は英検最後の、最上級のレベルです。受験者はとてもたくさんの長文読解の筆記試験を終えて、リスニングに臨みます。設問内容は他の級と同じようですが、その内容はかなりの難しさです。

1問目
形式/会話の応答文からの選択/英語の会話文の内容に関する質問に答える
問題数/10
解答形式/4つの中から選ぶ

2問目
形式/引用文からの選択/引用文の内容に関する質問に答える
問題数/10
解答形式/4つの中から選ぶ

3問目
形式/実際の英語圏の生活からの設問/具体的なアナウンスなどを聴いて質問に答える
問題数/5
解答形式/4つの中から選ぶ

4問目
形式/インタビューからの設問/インタビユーの内容関する質問に答える
問題数/2
解答形式/4つの中から選ぶ

英検Ⓡ準1級・英検Ⓡ1級のリスニング問題を解くコツ

英検準1級と1級のリスニング問題は、構成も話題も難易度を増してきています。正解を得るための英検対策は、勉強や練習だけではまかないきれません。受験者としてのテクニックも要してきます。説明文の長文を頭に入れるためのコツを活用していきます。

重要な単語や内容にメモや印を付けておく

他の級と比べて読まれる英語の量が多く、1度で重要なポイントを把握するのは難しいため、できるだけ早く筆記試験を終わらせて、リスニング問題の内容を事前に確認したいところです。出題される問題の内容を想像し、リスニングの設問を先読みしてみましょう。でも筆記試験の点数も大切ですので、気持ちに余裕を持って臨むことをこころがけます。

消去法を活用する

英検準1級や英検1級のリスニング問題には、より多くの専門的な英単語が使われてきます。わからない単語や英文が出てくることがあるため、推測し、答えを消去法で選ぶことも戦略に入れておきましょう。テーマとして扱われるジャンルも幅広く、構成されている全ての英単語は勉強しきれません。

英語のカンを磨くことも必須になってきます。配点のための受験テクニックも併せて身につけていきましょう。


英語耳はネイティブスピーカーの英語から手に入れる

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そして二次試験は面接です。日本人の面接担当官かネイティブの面接担当官かは事前にはわかりません。その対策方法は英語での対話に馴れていくことしかありません。英語の会話のパターンも身につけ、自分の気持ちも円滑に伝えることも必要になってきます。英語の4スキル―listening, speaking, reading, writingの能力をバランスよく鍛える必要も出てきます。音読でリーディングとスピーキングを強化する学習法もありますが、日本人が英語の一番の弱点とするところが、リスニングです。このリスニング力を身につけるためには、ネイティブスピーカーの英語に馴れていくことが大切です。

英語でのコミュニケーションを意識するためには、英語のネイティブスピーカーの話す英語をより多く耳にすることが大切です。単語や語彙力を目で覚えているだけの学習法では、コミュニケーションの効果的な点数は期待できません。独学でネイティブスピーカーとのコミュニケーションはなかなか難しいところですが、オンラインの英会話を毎日耳にし、ネイティブたちがどんな発音で英語を話しているか耳にすることはできます。

英作文で英語の文法をチェックしている勉強方法から、英語を耳にするやり方で実践的な英語力を身につけていきましょう。例えば、冒頭から英検準2級のリスニングテストは難しいと決めつけないで、過去問から問題冊子を手に入れ、そのリスニングテストの音源を耳にすることもしてみてください。

英語の特有のリズムを耳にし、耳から英語でよく使われる単語を見つけてみましょう。よく聴いているうちに、英語のリスニングテストの解き方が見つかるかもしれません。英語のリスニングが苦手な理由、それは英語の音に馴れていないからです。より多くの英語を耳にして、英語耳をつくることに努めてみましょう。

英検1級の合格率は10%ほどと言われています。英検1級の合格者たちは、ネイティブスピーカーレベルの英語力を手に入れていると証明され、英語での仕事に簡単に就くことができます。英検準1級のリスニングテストを聴いた後、英検1級のリスニングテストを聴くと、そのトピックの難しさに驚かされます。

英検準2級レベルは、英語圏での日常生活に困らないレベルと言われています。そして準1級から1級への攻略、ここにも厚い壁が立ちはだかっているようです。英検1級では英単語もアカデミック分野のものも多く出てきます。まるで外国人が日本語の古典文学を読みこなせるレベル、そんな長文読解などのパートが試験に詰まっているような気がします。英検準1級から英検準1級に上がるためには、さらに3000語以上の難解な英単語を理解できる力が必要になってきています。そのあと少しの壁が厚いのもよくわかります。

最初に英検の難しいレベルを知ると、それより下を目指す自分の級が簡単なことに気づかされます。これで少し安心して、リスニングテストの復習ができそうです。リスニングテストで一番重視することは集中力。焦らず、英語の音に耳を傾けましょう。ここでネイティブスピーカーの英語を聴き続けたメリットも見えてくるはずです。

ほんとうの英語力を手に入れること、それは英検やTOEICテストなどの満点や高得点だけでははかれません。能力をテストで証明できなくても、ネイティブスピーカーレベルに英語が使える人たちをたくさん知っています。テストはあくまでも目安です。これから自分がどんな英語の力を手に入れていくのか、しっかりとその目標を見据えて英語学習に励んでください。