Russell Square~From the United Kingdom

2023.04.25

英国コラム

ロンドン大学の最寄り駅でもあるピカデリーラインのラッセルスクエア。ロンドンにはスクエアと呼ばれる緑地が街の所々にあり、人々の憩いの場所になっています。

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ラッセルスクエアは元々ベッドフォード公爵の所領で、そこにはベッドフォードハウスがありました。その邸宅がとり壊されて、そのエリアに新しく住宅地を開発しました。テラスハウスと呼ばれる中流階級の人たちが住む集合住宅は、緑地を囲むようにして造成されていきます。手狭で庭園のないロンドンの住まいをいかに開放的に見せる工夫、そのためにスクエアが造られたというわけです。18世紀の初頭にラッセルスクエアとベドフォードスクエアが造られたとのこと。ラッセルの名はベドフォード公爵のファミリーネームで、この一帯が公爵の土地というわけです。ラッセルスクエアはロンドンで2番目に大きいスクエアだそうで、1番はさてどこなのでしょうか… 調べてみましたが、よくわかりませんでした。

19世紀初頭の肖像画家のトーマス・ロレンスは、ラッセルスクエア65番地のテラスハウスへ移り住みました。その家は4階建てでとても広く、1階には画を見せるためのスペースを設けていました。イギリス王室の肖像画家として、またロイヤルアカデミーの会長まで昇りつめたロレンス。その最後に住んだ家がラッセルスクエアでした。

ラッセルスクエアの歩道には、緑のキャブマンシェルターを再利用したコーヒーの屋台も出ていました。キャブマンシェルターは以前は道路にあって、タクシードライバーたちの休憩所となっていました。ロンドンには他にも赤い電話ボックスを再利用したコーヒーの屋台もありました。モノを大切に使うイギリスの心を感じ入ります。

※写真は広いラッセルスクエアの緑と、キャブマンシェルターを再利用したコーヒーの屋台