Kitchen Garden~From the United Kingdom

2023.04.20

英国食生活

キッチンのお庭と訳せるこの英語。さて何でしょう。キッチンガーデンは日本語では家庭菜園と言います。ガーデニングなどという言葉が出てくるずいぶん前に、この家庭菜園の言葉はありましたから、家庭菜園は英語圏の習慣だけではなさそうです。

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ではイギリスのキッチンガーデンで、有名な場所をご紹介しましょう。ヴィクトリア女王がこよなく愛した離宮、オズボーンハウスはイギリスの南、ワイト島にあります。1853年女王の夫君のアルバート公は、オズボーンハウスの近くに、子どもたちの学びのためのスイスコテージを造ります。ここに作られたキッチンガーデンの世話は王子と王女たち。スイスコテージに造られたミニチュアキッチンでは、長女のヴィッキーと次女アリスの王女たちがお料理作りもしました。パンケーキを焼き、紅茶の準備をし、ヴィクトリア女王とアルバート公をもてなします。子どもたちにとって自分たちのキッチンがあるとは驚きです。またこのワイト島のキッチンガーデンには、新種の野菜も作られました。それがルバーブです。

最近人気のルバーブ。タデ科ダイオウのルバーブは、ジャムによく使われています。実はこのルバーブは、ヴィクトリア女王の名のついたものもあるのです。ワイト島のオズボーンハウスのキッチンガーデンで作られたそうで、ヴィクトリアと・アルバートのルバーブ名が連れられました。瞬く間にイギリス全土に、ルバーブの食が広まったそうです。赤い色の鮮やかさを上手に活かしたメニュー、何か考えてみたいものです。

※写真は工芸家・意匠家のウィリアム・モリスのかつての家の庭。多分キッチンガーデンだと思われる場所です。