The Coronation of Their Majesties 間もなく新国王の戴冠式が執り行われます

2023.04.12

英国史雑学

2023年5月6日土曜日、チャールズ新国王の戴冠式が執り行われます。あと3週間と迫ってきました。初めて観る戴冠式。どんな式典になるのでしょうか。BBCのニュースなど報道されているいくつかをご紹介していきましょう。


戴冠式はウエストミンスター寺院で

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4月4日戴冠式の招待状が公開されました。ツタやサンザシ、カシの葉で彩られたアンドリュー・ジェイミーソンの美しいイラストの招待状。イギリス君主の紋章とカミラ王妃の紋章がトップに飾られています。この招待状にQueen Camillaと記され、今後はカミラ女王になることが明からになりました。

戴冠式の会場はウエストミンスター寺院です。代々の君主たちがクラウンをいだいた場所です。最近ウエストミンスター寺院のモザイクの床が一般公開されたのですが、見学者たちは靴を脱いで靴下で歩いていました。「コスマテスク装飾の床」を一般の人たちが歩くことなど千載一遇のこと。そのチャンスは戴冠式後もあるのでしょうか。

前君主のエリザベス2世の戴冠式では、この「コスマテスク装飾の床」の上に絨毯が敷かれていました。今回は綿密な修復が行われ、モザイクの美しい床の上に玉座が置かれるそうです。今回の戴冠式は美しいモザイクの床にも注目しましょう。

ちなみにウエストミンスター寺院の見学予約は、5月8日の火曜日からはできるそうです。モザイクの床と戴冠の椅子は5月13日までの限定公開のようです。


ゴールデンステートコーチ―その馬車の乗り心地は…

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新国王と女王は当日、ダイヤモンドジュビリーステートコーチと呼ばれる馬車でウエストミンスター寺院に向かわれます。この馬車は新式で2014年にお目見えし、当時エリザベス女王がイギリス議会に向かう際に使われました。

イギリス王室の馬車が新しく造られたのは100年で2台目。今までの戴冠式にはゴールドステートコーチと呼ばれる、8頭立ての馬車が使われていましたが、この馬車の乗り心地には悪い評判が続きました。ウィリアム4世は「荒れた海のよう」と表現し、ヴィクトリア女王もその振動を嫌い、ジョージ6世は「人生で最も不快な乗り心地」と述べられました。1830年以来全ての戴冠式で使われてきた乗り心地の悪いコールデンステートコーチ。けれど戴冠式が終わった後、バッキンガムパレスに戻られる時に使われるそうですが、その距離は短くなりそうです。

でも見事な装飾のゴールドステートコーチ。戴冠式を終えられて、ウエストミンスター寺院を出られた時にはご注目ください。


今回の戴冠式は簡素に

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戴冠式の費用について、反君主制の人たちからは苦言を呈されています。イギリス国民も燃料費の高騰と物価高に苦しんでいます。イギリスだけではなく世界中お金のかかる生活を強いられているこの状況下で、チャールズ新国王は王室のスリム化と、戴冠式を簡素にすることを掲げています。

時間のかかるものは避け、極力費用をかけない戴冠式はどんなものになるのでしょうか。カミラ新女王の王冠はメアリー王妃の王冠になることが発表されています。君主の配偶者が王冠を新調されないことは初めてのことだそうです。メアリー王妃はジョージ5世の王妃で、エリザベス2世の祖母に当たります。1952年に息子のジョージ6世に先立たれたメアリー王妃は、次の君主エリザベス2世の戴冠式を見ることなく、1953年3月に崩御された王妃です。引き継いだクラウンジュエリーを大切に使い続けることも、今後のイギリス王室の在り方にもなっていくのでしょう。

またキャサリン皇太子妃は、戴冠式ではティアラを着けない可能性も出てきたそうです。ロングドレスではないドレスコートになるとティアラは必要ありません。まだ協議中とのことなので、新しい戴冠式になるのか当日が楽しみです。新しい時代と、新しい国王ご夫妻と皇太子ご夫妻、これからのイギリスを期待してやみません。