Chindit Memorial~From the United Kingdom

2021.10.01

異文化理解

ロンドンの街角で見つけるたくさんの銅像たち。11月、欧米では終戦記念の式典が行われます。赤いポピーとともに戦争で犠牲になった多くの人々を追悼します。



  • Chindit Memorial~From the United Kingdom

テムズ河沿いを歩いて、国会議事堂、スコッランド・ヤードを過ぎると細長い緑地が広がっています。記念碑らしいものが見えますが、この動物はいったい何でしょう?  鎮座して、空を仰ぎ見るその様子。ロンドン市内には戦争の記念碑がいくつもありますが、この守り神のような動物が気になりました。

11月11日に一番近い日曜日、英国では終戦記念の追悼式典が行われます。その前には人々の胸に、赤いポピーが飾られます。最大の犠牲を払った第一次世界大戦の終戦を、追悼の日とする欧米。日本の第二次世界大戦の夏の終戦記念日とは異なります。街角で見かける赤いポピーの花輪。それがあると、そこが戦争の記念碑だと気づきます。チンデットメモリアルには赤いポピーはなかったので、ますます気になります。

後で調べてみると、これは第二次世界大戦の最中、ビルマで活躍したチンディット特殊部隊の記念碑でした。ビルマの守護神、チンティの名をとった部隊は長い間歴史の陰に埋もれてしまっていましたが、エリザベス女王の夫君エディンバラ公によって記念碑を建てることが発表されました。ビルマでの日本軍との戦い。その凄まじい戦いは、日本でもインパール作戦として有名です。3万人とも言われる多くの人命が失われ、結局日本軍は、英国軍の前にこの地で敗れ去りました。

英国軍もインパールは守れたものの、指揮をとっていたオード・ウィンゲート准将は、過酷なビルマの環境に身体を壊し、その挙句の果てに、インパールの空港から飛び立った飛行機の墜落事故で亡くなりました。領地を守り戦利をおさめても、その運命は過酷です。ロンドンの街角に、遠いところで起こった戦争の爪痕が残っています。ロンドンの街中を急ぎ足で駆け抜けていても、なぜかここを見てよと、誰かが呼んでいました。多くの犠牲を払う戦争が二度と起こらないように、ビルマの守護神、チンティが空を見上げています。