Bexleyheath~From the United Kingdom

2021.03.01

英国コラム

Bexleyheath
ロンドン郊外の美しい街を訪れた日は最高のお天気でした💛

  • Bexleyheath
  • Bexleyheath



その駅に降り立ったのは6月下旬の好天の日。ロンドンは6月がベストシーズンなので、その晴れの日に、そこを訪れたいと、1年近く前から計画し、やっとたどり着きました。世界で最も美しい家とも言われるレッド・ハウスは、意匠家、工芸家でもあるウィリアム・モリスが新婚の日々を過ごした家です。まさに赤い家。煉瓦と切妻の屋根、訪れるのはやはり晴天がふさわしいとの願いがかないました。

そのレッド・ハウスがあるのがベクスリーヒース。ロンドンの南東部にあり、ロンドン市内からは小一時間列車に揺られます。テムズ河を渡り、ロンドンブリッジ駅を通過するのは、キャノンストリートから列車に乗ったからです。ヴィクトリアステーションからの発着が多いかと思っていたら、キャノンストリート駅からも列車はありました。ロンドン市内の移動は、インターネットで簡単に調べることができるので、便利になりました。

さてベクスリーヒ―スの駅は郊外のひなびた雰囲気。駅の構内には売店はありますが、降り立ったのは私たちだけです。駅前は開けてはいなく、近くのお店でレッド・ハウスの行き方を確認してみます。地図は持っていたのですが、街の人とはなしてみたかったからです。お店の人も親切に、その先を左にずっと進むといいわと教えてくれます。レッド・ハウスは駅から徒歩20分ほど。1キロ以上はありますが、風もなく穏やかな晴天のお散歩には、最高の道のりです。駅の道から左に折れると、そこはバスも走る目抜通り。お店が三軒連なり、一軒のカフェはちょうど今、開いたところです。その先は住宅街が続きます。シェークスピアの時代の家のような、茅葺きの屋根の家もあり、ロンドン市街地とは違う家々が建ち並んでいます。イギリスでは一軒家を、デタッチド・ハウスと言い、二軒長屋になると、セミ・デタッチド・ハウスとなります。ベクスリーヒースは、郊外のため、広々としたお屋敷も見受けられます。

19世紀の半ば、モリスたちがここに住んだ時分は、まだ鉄道もなかったので、ロンドンに出るにも一苦労だったことでしょう。それでもモリス夫妻はこのベクスリーヒースで暮らし、2人の娘ももうけました。穏やかな自然に囲まれ、理想の新居、レッド・ハウスを建てたのですから、この場所はモリスにとっても、理想郷になるはずでした。しかしロンドンでの仕事も外せず、またモリス自身も健康を害したことから、このベクスリーヒースは5年も住むことはありませんでした。モリスはまた後年、コッツウォルズにも家を構えますが、そこはテムズ河で、ロンドン市内に向かえるアクセスを見出だしています。自然を愛したモリスは、ベクスリーヒースには短い期間の居住となりましたが、この郊外の美しい街を愛したことでしょう。通りを渡って少し歩くと、お散歩中のおじさまに出会います。レッド・ハウスの道を訊くと、足元に標識があるのが目に入りました。レッド・ハウス・レーン。目指す場所はもうすぐそこにあるようです。