“We’re all going on a summer holiday !!!” イギリスの夏休み

2020.07.01

異文化理解

蝉の声、入道雲、花火大会、海水浴、キーンと冷えた生ビール、それが日本の夏休みのイメージでしょうか。しばし仕事を忘れてリラックス、海の向こうのイギリス人にとっても、夏休みはクリスマスやイースターと並ぶ一大イベントです。

Most working people in Britain have two weeks' summer holiday each year.

イギリス人の多くは7月から8月の間に2週間程度のお休み(two weeks off)を取ってsummer holidayを楽しみます。
一昔前は、夏のファッションのままイギリスに飛び立った日本人の旅行者が、あまりの寒さに着いた早々セーターを買ったなどという話も聞きましたが、近年は、30℃を超える日々が続くこともあるとか。しかしそれでも20度を下回るような肌寒い日もあり、雨が多いのもイギリスの夏。
最近では天気のすぐれないイギリスを離れ、燦々と降り注ぐ陽光を求めてスペインやギリシャをholiday destination(休暇旅行先)に選ぶ人が増えているのもうなずける話です。気の早い人ならクリスマス頃(!)、通常は4月のイースターが済んだあたりからsummer holidayのプランを立て始めます。

イギリスには日本のお盆のような習慣はありません。それぞれが自分で時期を選んでお休みを取ります。
この時期に商用でbusiness call(仕事の電話)をかける人はご用心。全く悪びれない口調でこう言われてくれるかもしれません。

I'm sorry, she's on holiday.
「申し訳ございません。休暇中でございます」

イギリスの子どもたちは7月下旬から9月上旬までの長い夏休みを過ごします。
日本と違うのは宿題が全くないこと。そのためか、この期間にはスポーツ、アート、音楽などなど様々なジャンルの子供向けsummer camp(サマープログラム)が開催されます。キャンプといってもテントを張って寝泊まりするわけではありません。森で自然体験をさせてくれるforest campingもありますが、多くは学校の校舎を使って日帰りで行われます。
長い夏休み、大人がholidayをとれない間、子どもたちにどう過ごしてもらうか頭をひねるのは、日本もイギリスも変わらないようですね。

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さて、日本の子どもたちの夏休みのお楽しみといえば遊園地が定番ですね。イギリスの子供たちも遊園地は大好きです。「funfairがやって来る!」と聞くとみんなウキウキし始めます。「やって来る」ってどういうこと?そんな疑問が浮かびますね。
funfairは公園などに忽然と現れる移動式遊園地のこと。数日間だけ開催して次々に移動していきます。ただの芝生の公園がある日突然遊園地になってしまうのです。いきなり出現した観覧車を見上ていると、なんとも不思議な気持ちになります。
移動式とはいえメリーゴーラウンドやコーヒーカップ、ジェットコースターに近いスリル満点な乗り物まで登場します。ゲームコーナーや食べ物の売店もあり、日本人にもおなじみのcandy floss(綿あめ)に出会えるかも。
夏祭り気分で楽しめるfunfairですが実は夏に限らず、一年を通じてたくさんの街をめぐっているそうです。

ところで、holiday(単数形)かholidays(複数形)か迷うことはありませんか。基本的には一日だけの休みならa holiday(単数)、二日以上ならholidays (複数)になります。

It's a public holiday on Monday.(月曜日は祝日です)
I went to England during Golden Week holidays.(GWのお休みにイギリスに行った)

ただし、複数であっても夏休みやクリスマス休暇などひとかたまりのお休みととらえてa holidayと言うこともあります。

Jane is on holiday this week. (ジェーンは今週休暇を取っています)

最後に、イギリスで「夏休み」はsummer holidayですが、アメリカではsummer vacationがよく使われます。

How was your summer holiday?
How was your summer vacation?

どちらも同じ意味です。