ヴィクトリア女王とは?愛と悲しみを生きたQueen Victoriaの生涯
2020.02.10
ヴィクトリア女王とは?愛と悲しみを生きたQueen Victoriaの生涯
若き女王の即位
1837年、18歳のヴィクトリアは国王ウィリアム4世の逝去を受けて即位しました。白い寝間着姿のまま、王室の長官カニンガム公爵とカンタベリー大司教から即位を告げられる場面は有名で、絵にも残されています。前国王の直系の後継ぎがいなかったため、国王の姪であった彼女に王位が回ってきたのです。
アルバート公との結婚と愛
ヴィクトリア女王はエリザベス1世のように独身を貫く君主にはなりたくありませんでした。21歳のとき、母方の従兄弟であるドイツ出身のアルバート公と結婚します。アルバート公は女王と英国のためにその生涯を捧げ、夫妻は9人の子どもに恵まれました。愛情にあふれた結婚生活は、のちの英国王室にも影響を与えました。
早すぎる別れと長い喪の生活
しかし幸せは長く続きませんでした。一番下のベアトリス王女がまだ4歳のとき、アルバート公は病に倒れ、急逝してしまいます。その後、ヴィクトリア女王は39年間もの長きにわたり喪に服し、黒のドレスを着続けました。在位63年のうち、その大半を悲しみに包まれた生活として過ごしたのです。
国民に見せた女王の笑顔
喪に沈む姿が印象的なヴィクトリア女王ですが、即位50周年の祝賀行事では晴れやかな笑顔を見せています。この姿は写真として残り、国民に喜びを与えました。厳格で孤高なイメージの女王にも、人間らしい感情と笑顔があったことを伝えています。
最期の願いと永遠の眠り
黒をまとって生きた女王でしたが、遺言では「棺は黒で覆わないように」と残しました。実際に彼女の棺は赤いローブで覆われ、ウィンザー城の霊廟でアルバート公のそばに安置されました。晩年にはさまざまな逸話や人間関係も語られましたが、最期まで夫への愛を貫いた女王でした。
まとめ
ヴィクトリア女王は、若き日の即位からアルバート公との愛、そして長い喪の生活を経て、英国史に大きな足跡を残しました。その人生は愛と悲しみの象徴であり、同時に大英帝国の繁栄を支えた存在でもあります。彼女の物語を知ることで、歴史に生きたひとりの女性の強さと優しさを感じられるでしょう。