V & A Museum Childhood~From the United Kingdom

2020.03.01

英国コラム

ここは子どもに戻って楽しめる博物館です。

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ロンドンには、子どものおもちゃだけの博物館があります。ロンドンの東、ベスナル・グリーン駅からもほど近く、煉瓦のモダンな建物も素敵です。
1872年の開館当初はベスナル・グリーン博物館でしたが、サウス・ケンジントンにあるVictoria & Albert Museum分館としてリノベーション、2006年に再オープンしました。嬉しいことにadmission free、入場無料です。

さて開館時間の10時過ぎに到着すると、エントランスでスタッフの女性に挨拶。どうやら今日最初の来場者のようです。
吹き抜けの開放的な空間に、かつて子どもたちといっしょにいた、おもちゃたちが迎えてくれます。最近のもの、年代物のおもちゃだけが集められています。特にドールハウスのコレクションはたくさんあって、それらの室内にひとつひとつ入り込みたくなってきます。
おもちゃと遊んでいる子どもの写真と、おもちゃが並んで展示されているものもあります。遊んでくれていた少年も少女も、今はもういません。でもおもちゃだけが残り、ここにやって来る、今の子どもたち、かつて子どもだった人たちを待っています。英国で子ども時代を過ごしていないので、これらのおもちゃと遊んだ思い出はないのが残念ですが。

幼い頃に遊んだお人形、おままごとセット、ぬり絵、絵本を思い出します。もう二度と手に戻らない過去のおもちゃたちともう一度、会いたくなりました。
高価なモノではないと、日本ではいつの間にか、処分されがち。また飽きてしまって、仕舞われ、そのうちになくなっていくモノたちもあります。英国の人たちのモノを大切にする気持ちがあるからこそ、こうした博物館ができるのだとつくづく思いました。

さあ、今、まさに子どもたちが博物館にやって来ました。おもちゃたちは明るく元気な声を聞きながら、今日の子どもたちを迎えています。