8つの知能と英語力

2018年05月21日
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いわゆる「頭の良さ」と英語力は関係があるのでしょうか? IQスコアの低い人は高い人にかなわないのでしょうか?答えはNO。 外国語の習得も、人の能力も、それほど単純ではないようです。

ハーバード大学のHoward Gardner教授は、すべての人間に8つの知能が潜在的に備わっているとするMulti Intelligences(多重知能)理論を提唱しました。一般的なIQテストは人間の知能の一部しか測ることができません。確かにIQの高い人は学校の筆記試験には強いかもしれませんが、特定の文化の中で問題を解決したり、成果を創造したりする知能はもっと多面的です。

そして、このMIの考え方を外国語の学習にも役立てようという研究があり、特に海外ではその実践が効果を上げているそうです。すべての人がこの8つのMIを備えてはいるものの、個人個人、強い能力、弱い能力は異なります。各々が自身の強い知能を効果的に活用し、弱い知能も鍛えていくことでより高い外国語能力に到達できるといいます。

Gardner教授が提唱した知能の内容は概ね以下のとおりです。
①言語・語学知能(「ことば」で表現する能力。読んで理解する能力)
②論理・数学的知能(物事の因果関係やパターンなどを導き出す能力や論証する能力。)
③視覚・空間的知能(目に見えるものや、空間を正確に把握したり記憶する能力)
④音楽・リズム知能(メロディーやリズムなどを感じたり、聞き分けたり、作曲したりする知能)
⑤身体・運動感覚知能(体を動かして情報を理解したり、表現したり、何かを作り出したりする知能)
⑥博物学的知能(様々の物や事柄を理解し、分類・整理できる力)
⑦対人的知能(人とうまく関わっていく能力)
⑧内省的知能(自分自身のことを深く理解し、自分のスタイルを形成する能力)

上記を見ると、①言語・語学知能さえ高ければ、外国語の習得が進むと感じられるかもしれませんが、対人的知能が低ければ、うまくコミュニケーションを図ることができません。論理・数学的知能が高ければ、文法の分析が得意です。視覚・空間的知能が高ければ、絵やチャートで意味を理解して記憶しやすく、音楽・リズム知能が優れている人は言語のリズムを身につけやすいでしょう。体を動かすのが好きな人は、TPRや劇、ロールプレイに能力を発揮、身振り手振りを交えて表現することもできるでしょう。博物学的知能は知識の習得を促し、内省的な人は上手に学習の計画を立てて遂行できるでしょう。MI理論に基づく一斉指導では、なるべく多くの知能を活用できる授業計画を立てるそうですが、個人個人が自学学習の際に、絵に表したり、音楽に乗せたり、パターン化したり等の形で取り入れることもできます。

MI理論には、“We are all smart in many ways!”ということばがよく使われるそうです。IQに振り回されず、自分自身の能力を理解してうまく活かし、自信をもって学習を続けていきたいものですね。

参考)林圭子『MI理論を応用した新英語指導法』