ChandelierシャンデリアChandelier

2026.08.20

異文化理解

シャンデリアって宮殿などの天井から下がる豪華なものばかりだと思っていたら、元々はろうそく立ての意味のようです。フランス語のchandelier―ろうそく立てからシャンデリアの言葉はできていました。確かに電気のない時代はろうそくを一つひとつ灯していたのでしょう。ろうそくを立てて使う照明から、今では天井から吊り下げる照明をシャンデリアと呼んでいます。

シャンデリアっていつからあるの?

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シャンデリアは大きな場所を明るくするためのもので、中世の教会や修道院の大ホールで使われ始めました。初期のものはほとんど装飾がなく実用的なものでしたが、豪華なシャンデリアになったのは富と権力を持つ富裕層たちによってです。豪華で華美なシャンデリアが造られ始め、富裕層たちの邸宅を彩ります。またオペラやバレエの発展によって大劇場が造られ、その天井にもいくつの豪華なシャンデリアが吊り下げられていきました。1875年完成のパリのオペラ座のシャンデリアに来場者は目を奪われます。

16世紀以降はブロンズやクリスタル、ガラス、真鍮などの素材を使い、芸術的なシャンデリアが生まれます。そして富と権力を象徴するためにシャンデリアは巨大になっていきます。大きくなればメンテナンスも大変です。吊り下げた鎖の劣化で落下した事故もありました。オペラ座でもシャンデリアが落下して亡くなった人も出ます。「オペラ座の怪人」は創作ですが、シャンデリア事故は事実でした。

※写真はパリオペラ座の幕間に寛ぐためのグランホワイエのシャンデリアと、スコットランドのホテルで見つけた現代調のシャンデリアは鹿の角のようです。

イギリスで見つけたシャンデリアたち

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ケンジントンパレスのシャンデリア

ケンジントンパレスは元々ロンドンの中心部から少し離れた、昔は田舎だったエリアに建てられたものです。元々はある伯爵の邸宅でしたが、17世紀末にウィリアム3世が買い取られ王室のものになりました。イギリス王室の人たちが住み始めて邸内は改修されていきます。

式典のために造られたキューポラルームのシャンデリア、当時はろうそくの灯りです。ここぞとばかりに明るく灯されたキューポラルームは周囲の金の細工によって輝きを増し、terrible glaring show-凄まじくまばゆいショーと揶揄されたそうです。明るさもほどほどの方が目には優しいようです。

※写真はケンジントンパレスのジョージ1世が資金を投じたキューポラルームのシャンデリアと、ヴィクトリア女王が少女の頃の過ごされた部屋のシャンデリア。
 
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ヴィクトリア&アルバート博物館のシャンデリア

ヴィクトリア&アルバート博物館のエントランスでは斬新なシャンデリアが迎えてくれます。それは2001年に製作された色鮮やかな吹きガラスのシャンデリアです。なかなか暗くなった時間にヴィクトリア&アルバート博物館へは行かないので、まだ灯りのともったシャンデリアを見たことがありません。

ヴィクトリア&アルバート博物館の圧巻のシャンデリアは、ミュージアムカフェにあります。ギャンブルルームのバルーン型は直径2メートルもありますが、アルミ線を編み込んだもので軽いものだそうです。隣の緑色のモリスルームは円型の穏やかな光で迎えてくれました。天井画も美しいモリスルームも必見です。

※写真は世界で初めてのミュージアムカフェのギャンブルルームの斬新なバルーンのシャンデリアと、隣のモリスルームのシャンデリア、ライブラリーに続く階段の天井で見つけたシャンデリア。

忘れられない壊したガラスのユニークなシャンデリア

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遠い昔、日本の雑誌であるイギリスのシャンデリアの作家を見つけます。それはまだ若い女性の手によるもので、とても斬新で儚い光のシャンデリアでした。流れるようなガラスのシャンデリアは、既成のグラスや瓶などが壊され組み合わされて造られています。長年その印象的なシャンデリアは頭の隅にあったのですが、作家名も忘れてしまっていました。

古い雑誌を整理しているとある1冊を見つけます。そのなかに彼女の記事があると思い出しました。その人はDeborah Thomas。ガラスを壊してまたつなげる発想、人を傷つけることもできるガラスの破片に光を通す斬新さに魅かれました。氷がつながっているような儚い光が素敵です。彼女の名を検索してみると、作品がヴィクトリア&アルバート博物館にも収蔵されていました。実際にお見せできないのが残念ですが、ヴィクトリア&アルバート博物館のサイトで彼女の名を検索すると作品を見ることができます。1988年製作のNorthern Fleet-北の艦隊。勇ましい名ですが、多分とても大きいものなのでしょう。一度見てみたい作品がまた見つかりました。

※写真はケンジントンパレスのヴィクトリア女王誕生の部屋のシャンデリアと、ロンドン中心部のホテルのシャンデリア、テートブリテン地下の吊り下げ照明。居室と広い空間ではその照度は変わりますが、ガラスの暖かな光が心地よいものです。