Baked Beans~From the United Kingdom
2026.08.06
イギリス食生活
ベイクドビーンズ。イギリスの朝食では必ず出てくる赤い豆です。茹でた白いんげん豆をトマトソースで煮て缶詰にしたものは、とても朝食に便利ですが、でもこれってアメリカの食べ物だったと思っていました。なぜイギリス定番の朝食になったのでしょうか。
でもなぜ豆??
元々イギリスでは豆と豚肉を使った料理があったようです。フランスにもラグーと呼ばれる白いんげん豆とベーコンの煮込んだ料理がありますが、ベイクドビーンズの豆は北米のもので16世紀にヨーロッパに伝わってからのもの。アメリカの先住の人たちが豆料理の先駆者のようです。紀元前のマヤ文明にこの豆料理があり、豆料理のレシピはアメリカ由来のものでした。アメリカのドイツ系移民のハインツ氏が創業した食品会社で、1895年ベイクドビーンズの缶詰が大量に生産されます。そう、今でも続いているハインツのあの缶詰。最初は老舗食品雑貨店のフォートナム&メイソンのみの販売でしたが、1901年にはイギリス全土の店先に並びます。1905年にはハインツ社はロンドンに工場を建設し、イギリス国内での流通が始まります。実はイギリスが世界で一番、ベイクドビーンズの缶詰の消費が多いのです。
ベイクドビーンズの栄養価は
ベイクドビーンズは食物繊維と植物性のたんばく質が豊富、鉄分やカリウムも含まれているため朝食で摂るには理想的な一品。それをベーコンやらソーセージの肉や卵料理、焼いたトマトやブラックマッシュルームといっしょにいただくフルブレックファスト。フルブレックファストの一皿でお腹いっぱいになってしまうのですが、そこになくてはならない薄くスライスしたトーストまで出てきます。イギリスでは朝食が一番美味しい、そう言われますがそれはフルブレックファストのおかげです。フルブレックファストに赤い豆の彩り
フルブレックファストにベイクドビーンズが加わったのは意外と最近で、先にビーンズ・オン・トーストの存在があったようです。20世紀後半にトーストに温めたベイクドビーンズの乗ったビーンズ・オン・トーストが一般家庭で人気となります。常備しやすい缶詰のベイクドビーンズとトーストが朝食の定番となり、その後でフルブレックファストにベイクドビーンズが添えられたそうです。ヴィクトリア時代に始まったフルブレックファスト。調理された温かい卵やベーコンで一日の活力をつける習慣が始まりました。その100年後にベイクドビーンズがフルブレックファストに加えられたのは、あの赤い色合いと豆の持つ栄養価だったのでしょうか。フルブレックファストはベイクドビーンズが加わって、彩りのよい朝食に仕上がりました。
※写真の真ん中がスコットランドのフルブレックファスト。ソーセージとベーコン、マッシュルームなどに加え、黒いブラックプディングと並んだハギスが特徴です。

