英語で楽しむ秋の会話に使えるフレーズ集
2025.10.12
最近は異常気象で暑い日ばかり寒い日ばかりと、夏と冬の2 seasonsになりつつあると言われています。けれど秋にはたくさんの楽しみがあります。やっと暑さが落ちつき秋めいたこの頃に秋に関する英単語とフレーズを学び、英語の会話で自然に使えるようになりたいもの。日本の秋の魅力を伝えられるようになれたらステキですよね。今回は英語で秋の表現に挑戦してみましょう。
日本の秋とイギリスとアメリカの秋の違いもありそうです。秋の英語はautumnとfall。でもこの違いって何でしょう???
秋は英語で fall か autumn。違いは?
おもにautumnはイギリス英語で使われるのに対して、fallはおもにアメリカ英語で使われているようです。ただアメリカではフォーマルな場面や文学的な表現ではautumnが使われ、英語としてはどちらでも通用しそうです。
アメリカで使われるfallの語源はfall of the leaves-落ち葉。葉が落ちる季節を表す言葉として使われるようになりました。イギリス英語の秋を意味するautumnは、ラテン語のautumnusが転訛しフランス語のautompneから英語へと変わっていったようです。英語はフランス語のつづりや語感がけっこう多いことに気づかされます。
イギリスにはwindfallという秋の表現があります。これは秋の実りをみんなで楽しむことも意味しています。家で生った果物をご近所で分け合う習慣がwindfall。その代表が林檎です。林檎が大好きなイギリスの人たちは、ランチに林檎、おやつに林檎、ちょっとお腹が空いたら林檎と、丸のままの丸かじりがあたりまえのようです。また家で食べきれない林檎は、箱に入れて「ご自由にどうぞ」と外に出されているとか。これは嬉しいおすそ分けです。
「~の秋」を英語で表現するには
日本では秋につく言葉がいろいろとあります。読書の秋、スポーツの秋、食欲の秋、芸術の秋。その日本特有の秋について、英語の例文を考えてみましょう。どうしてそんな表現ができたのか、説明できる例文があると英語でのコミュニケーションも弾みそうです。
読書の秋 Do you know Reading Autumn?
読書の秋って知っている?Autumn is the best season for reading. It's a good time to read a book, because the autumn nights are long.
秋は本を読むには最適な季節。秋の夜は長いので、本を読むにはとても良い季節です。
日本で読書の秋と呼ばれるようになったのは中国の漢詩が由来で、明治の文豪夏目漱石がその著作の「三四郎」でその漢詩を紹介したことで、読書の秋という言葉は広まっていったようです。
スポーツの秋 Do you know Sports Autumn?
スポーツの秋って知っている?Autumn is a good season for sports. In Japan, the 1964 Tokyo Olympics were held in October, so autumn sports are encouraged.
秋はスポーツするには良い季節です。日本では1964年に東京オリンピックが10月に開催されたため、秋はスポーツが奨励されています。
以前は10月10日、今では第2月曜日がスポーツディと設定されていますが、10月10日が1964年の東京オリンピックの開会式だったからなのです。なぜ10月10日を開会式に設定したかと言うと、この日が一番晴れの確立が高かったことがその理由だったようです。
いつの頃からか夏季オリンピックは真夏に行われるようになってしまいました。北半球の猛暑を考えると秋の開催が良いかと思われますが、そのできない理由はテレビの放映権。秋はサッカー、メジャーリーグ、アメリカンフットボールとかち合ってしまい、視聴率が分散してしまう懸念があるからのようです。国際オリンピック委員会の要求する莫大な放映権、それを分散しそうな視聴率には払えないのがその理由です。
食欲の秋 Do you know Appetite Autumn?
食欲の秋って知っている?Autumn is a good season for eating. This is because your appetite increases more than in the hot summer.
秋は食べることに良い季節です。これは暑い夏より食欲が増すからです。
確かに夏は水分の摂り過ぎなどで食欲が落ちる傾向です。作物の収穫時期を迎え、食べるものが豊富な秋。けれどこれにはもっと動物的な本能もあるようです。北半球の人々が迎える秋の次、冬に向けて身体が食物の少ない季節の準備をしているという説があります。農耕民族の日本人のDNAに秋の食欲が残されているのかもしれません。
芸術の秋 Do you know Art Autumn?
芸術の秋って知っている?Autumn is the best season for art. In autumn in Japan, many art exhibitions and calligraphy exhibitions are held.
秋は芸術には最適な季節です。日本の秋はたくさんの芸術展や書道展が開催されています。
なぜ秋に美術展が開催されるようになったのでしょうか? この言葉の発端、それは雑誌「新潮」が1918年の大正7年に芸術の秋という言葉を使ったからのようです。しのぎやすくなる秋に何かしようという気持ちが高まり、書画を始めたり、展覧会で鑑賞したりする機会を「芸術の秋」の言葉に込めたように思われます。確かに大きな美術展や芸術祭が日本では秋に多く開催されています。
そして11月3日は文化の日。元々11月3日は明治天皇のお誕生日で休日でした。1946年に日本国憲法が公布、そのなかで「自由と平和を愛し、文化をすすめる」が盛り込まれています。文化の日は1948年に制定された「国民の祝日に関する法律」によって定められました。雑誌「新潮」の「芸術の秋」の30年後ですが、戦後の日本人に芸術を啓蒙する良い機会になったようです。
秋の行事やイベントにまつわるフレーズ
日本の文化や習慣を紹介するために、英語の表現を考えてみましょう。本の紅葉狩りやお祭りの英語表現から、感謝祭やハロウィンで使える英語のフレーズをあげていきます。
紅葉狩りを楽しむための英語
Would you like to go and see the autumn leaves next weekend?
次の週末、紅葉狩りに行きませんか?
Fall autumn leaves, so beautiful!
秋の紅葉、とてもきれいですね!
日本人は紅葉を見に出かけることを「もみじがり」と表現しますが、ちょっと変ですよね。狩りは獣を捕らえる言葉です。これは狩りをしない平安貴族たちが紅葉を愛でる行為を、あえて「もみじがり」と呼ぶようになったことからその言葉が生まれたようです。
秋のお祭りについて英語で話す
What festivals are there in the UK in autumn?
イギリスでは秋のお祭りにはどんなものがありますか?
Japan's autumn festivals have the meaning of harvest festivals.
日本の秋の祭りは収穫祭の意味があります。
イギリスでは秋が花火の季節です。イギリスの夏は夜の8時から10時頃まで明るいので花火は秋。それも11月5日のガイ・フォークス・ナイトが有名です。これは火薬陰謀事件の日でちょっときな臭い事件が由来ですが、暗くなった秋の夜空に打ち上げられる花火をみんな楽しみにしています。
アメリカの収穫祭も盛大です。林檎やクランベリー、かぼちゃ、ナッツのピーカンの収穫をお祝いしたり、オクトーバーフェストではビールジョッキで乾杯したり、ワインを味わったり、秋のお楽しみが目白押しです。
感謝祭で使える英語の表現
Happy Thanksgiving Day!
感謝祭おめでとう!
What is Thanksgiving dinner?
感謝祭の夕食は何ですか?
Thanksgiving Day-感謝祭はアメリカやカナダで行われる祝日です。収穫と感謝を捧げる日として家族や友人たちと夕食を囲みます。アメリカではメインディッシュが七面鳥の丸焼き。その中身にはstuffingとdressingと呼ばれる角切りのパンや野菜、ハーブを詰めています。感謝祭のご馳走のTurkey Day-七面鳥の日とも呼ばれている日です。
ハロウィンで使える会話例
Happy Halloween!
ハロウィンおめでとう!
What costume will you wear this Halloween?
今年のハロウィンの仮装は何を着るの?
That's so nice costume!
素敵な仮装だね!
Trick or treat!
お菓子をくれないといたずらするよ!
*子どもたちのフレーズですがハロウィン定番の合言葉です。
ハロウィンは元々イギリスにいた古代ケルトの人たちのお祭りだったもの。けれどアメリカのようにイギリスではハロウィンは盛り上がっていません。そんなものもあったね、くらいのノリのようです。あまり商業的なハロウィンは好まれないようで、イギリスでは数日後のガイ・フォークス・ナイトの花火が秋の風物詩かもしれません。
秋の風景を描写する英語フレーズ
日本と欧米ではそれぞれに秋の感じ方は違います。日本では蝉の鳴き声から虫の音に変わると秋の気配を感じますが、欧米では蝉の鳴き声は辛気臭いと言われ、イギリスも絶対的に虫は少ない環境です。文化や習慣、生活環境が違うので、秋の感じ方が違うのは仕方ありません。
日本にいる外国人の人たちへ、また日本に興味のある外国人の人たちへ、日本の秋を紹介する例文をご紹介していきましょう。
紅葉・落ち葉に関する表現
Have you ever seen the rows of trees in Jingu Gaien? They are a brilliant gold colour.
神宮外苑の並木を見たことはありますか? そこは輝くばかりの黄金色です。
Autumn foliage viewing in Kyoto is the peak tourist season, but it can be very crowded.
京都の紅葉狩りは観光シーズンなので、とても混雑しています。
秋の香りや音にまつわる英語表現
Japanese matsutake mushrooms are very expensive, but they are a luxury food that represents autumn in Japan, and their aroma is enjoyed.
日本の松茸はとても高価なものです。けれど日本の秋を代表する高級食材で、その香りを楽しみます。
Since ancient times, Japanese people have felt the autumn coming from the sounds of insects, especially the beautiful sounds of bell crickets.
古来より、日本人は虫の声で秋が来たことを感じていますが、特に鈴虫が美しい音を奏でます。
日常会話で使える秋関連の表現
In autumn in Japan, clouds called mackerel skies appear, which are called buttermilk skies in English.
日本の秋にはうろこ雲と呼ばれる雲が現れます。英語でバターミルクと呼ばれているものです。
Ancient Japanese say. ̏Autumn when the sky is high and the horses are fat.̋
日本の昔のことわざにこうあります。「天高く馬肥える秋」。
*秋は空が高く過ごしやすい季節で、馬の食欲が増すという言い伝えです。
もっと簡単に秋のきれいな光景を見た時の、感嘆の英語フレーズを挙げてみましょう。
Very beautiful autumn leaves!
とても美しい紅葉です。
Autumn Leaves are stunning!
見事な紅葉です!
It's a pleasant windy day.
風が心地良い日ですね。
What a fantastic evening sky.
何て素敵な夕空でしょう。
I've never seen such a mysterious sky.
こんな不思議な空を見たことがありません。
美しい秋の光景を見た時の感動の言葉を英語で伝えてみましょう。まずはひとり言でもいいので、英語を口にしてだんだんと自分の言葉にしていくことをおススメします。
イギリスの秋のトリビア
この夏はイギリスでも日本と同じように暑い夏が続きました。今まで夏は1日の間に四季があると言われたイギリス。8月でもニットのセーターやトレンチコートを着ている人たちを見かけたことがありました。今では暑い日も続くイギリス。ロンドンでは6月下旬に30度を超え、暑い日と涼しい日のアップダウンをくり返し、8月の中旬にはまた暑さのピークが来ます。9月になると30度を超える日はなく、次第に秋を感じるようになっているようで、そして雨や曇りの日が続く天候になります。
イギリスの秋の雨
夏は比較的日照に恵まれますが、秋の訪れは雨の日が多くなることを意味します。以前は夏でも1日おきに雨の日がありましたが、最近の6月にあまり雨に当たったことはありませんでした。7月と8月はそこそこの雨はあるようですが、9月10月11月となるとまとまった雨の日が増えてきます。また雨だよ、とうんざりする話も聞こえてくると秋から冬へ向かう季節になります。
イギリス紳士はよく傘を持っていますが、さすためではなくステッキ代わりにしていると言われています。また駅で急な雨に見舞われてもイギリスの人たちが傘をさすことはなく、フードをかぶってしのぐ姿をよく見ます。その理由はすぐにやむことが多いから。また傘立てがないところが多く、傘をさしても折り畳み傘のようです。
また傘は家の中では広げてはいけないと言われているイギリス。日本では雨の日に広げて室内で乾かすことは何ともないことですが、シェーンの講師にはhorrible, horribleとつぶやかれたことがあります。「最悪」って言われてしまうほどイギリスの傘の迷信は強固ですので、イギリス人の前ではしないようにしましょう。
イギリスは雨が多いと言っても日本の比ではありません。年間降水量が断トツに多いのは日本です。最近はゲリラ豪雨や線状降水帯が多く、豪雨に悩まされる日本。イギリスは雨が降っても湿度は低く、日本とは比べものにはなりません。
ロンドンの最悪の霧-グレートスモッグ
霧はロンドンのシンボル。霧の都ロンドンとも言われていますが、実はコレはスモッグだったようです。エリザベス女王が即位した年、大変なことが起こりました。もう季節は秋ではないのですが、1952年12月5日スモッグがロンドンを覆い被せてしまったのです。市民は暖を求めて石炭で暖炉を温めていた時期です。
しかしその時の天候がその煙や煤のフタをしてしまう状況なってしまいます。高気圧が上空を覆い冷たい霧が発生していたので、人々は寒さをしのぐために石炭を燃やし、その悪循環が続きます。そのおかげで一寸先も見えない状態が5日間続いてしまいました。
ただの霧ではなくこれは大気汚染だったので、市民たちは喉や鼻をやられ、咳込み、病院には患者があふれます。このグレートスモッグの死者は1万人以上に及び、歴史に残る大惨事となってしまいました。未曾有のこの事件は、世界に大気汚染の問題を投げかけ、その後ロンドンでは大気浄化の法令が制定されました。
今のロンドンでは普通の霧は出ます。霧は秋の寒暖差が多い時期に発生して、幻想的な光景を見せてくれます。紅葉と霧、このイギリスの秋の光景は目を見張るほどの美しさです。
イギリスの秋は終戦記念日
イギリスでは11月が戦争慰霊の日。戦争で犠牲になった多くの人々を追悼する日を設けています。日本は夏の8月15日の終戦記念日を追悼の日としていますが、1918年11月11日の第一次世界大戦が終わった日を、イギリスでは追悼の日としています。
10月の終わり頃に街には赤い花のポピーをたくさん見かけます。最悪の戦没者を出した世界大戦で失われた多くの命。赤いポピーを捧げて戦没者たちに哀悼の意を表しているのです。赤いポピーはリメンバランスポピーと呼ばれています。英連邦だけでも第一次大戦で亡くなった人は91万人。第一次と第二次の世界大戦の犠牲者にポピーが捧げられています。
異文化理解を深めて英語のコミュニケーションをはかろう
秋晴れの日本、雨の多くなるイギリス。ところ変われば、秋の感性も違います。それでもイギリスの文化や習慣を理解しながら、日本の秋を紹介して英語でのコミュニケーションをはかっていきましょう。英語はスキルだけ習得してもコミュニケーションは深まりません。英語を話す人たちがどんな暮らしをしているのか、どんな文化があるのかを知ってはじめて、コミュニケーションは楽しくなります。
日本にやって来る外国人観光客の目的も昔とは変わってきています。日本食は昔から評判で人気が高かったのですが、最近はラーメンやご当地グルメ、日本酒などにも人気が集まってきています。また日本のアニメーションの人気も高く、幅広い日本の魅力を英語で伝えることに挑戦するのも英語学習では大切です。
コミュニケーションは双方の興味でより深くつながっていくものです。お互いのことを知ることに努めることが英語の上達に鍵になるはずです。日本の秋を紹介しながら、英語でのコミュニケーションをどんどんはかっていきましょう。