The Darling's House~From the United Kingdom

2026.07.19

イギリスコラム

ダーリング家はピーターパンが現れるロンドンのお家。ここにウェンディ・ダーリングたち姉弟が住んでいました。ウェンディは12才の少女。ディズニーのアニメーションのウェンディはライトブルーの寝間着で空を飛び回り、弟たちと活躍していました。

ウェンディの両親たちは夜にとびきりのおしゃれをして出かけて行きます。大人たちは大人たちの時間があり、外で大人たちだけのパーティがありました。子どもたちは家でお留守番。子どもたちだけになるとピーターパンが窓から現れます。ティンカーベルの魔法の粉を振りかけてもらい、空を飛ぶための練習をします。そして窓から空に飛び立つウェンディたち。空の向こうへの冒険が始まります。

ピーターパンの原作者はスコットランド出身の作家、ジェイムス・マシュー・バリー。ピーターパンは無邪気でかわいらしい子どもですが、大人になりたくない気持ちでいっぱいです。いつまでも子どもでいたい、大人になりたくないその背景には悲しい思いがありました。元々このお話は大人のために書かれています。ディズニーのアニメーションではピーターパンはグリーンの服で快活に飛び回っていますが、原作は秋の葉とクモの巣の服となっています。今ではグリーンがピーターパンの色ですが、原作とは違うようです。

ダーリングハウスのロンドンの家は、ディズニーのアニメーションではロンドンのブルームズベリーに設定されていました。ここは大英博物館の近くのエリアです。原作者バリーが劇として発表したピーターパンで、ダーリング家がブルームズベリーの「かなり寂れた通り」とされていたからのようです。バリーはケンジントンガーデンをピーターパンが生まれた場所にし、実際にケンジントンガーデンの近辺に住んでいました。

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バリーが小説でダーリング家のモデルにした家、それはケンジントンガーデンにも近い白亜のテラスハウスでした。実際にこの家によく来ていたバリー。この家の子どもたちとも過ごしているうちに、バリーはピーターパンのお話の着想を得たようです。特に兄弟の真ん中の子の名はピーター。この白い家に住んでいた5人の男の子たちの両親が相次いで病気で亡くなると、バリーはこの子たちをひき取ることにします。

ディズニーのアニメーションは1911年に発表された「ピーターとウェンディ」が基になっています。原作の最後には大人になったウェンディが出てきます。ウェンディは結婚をして娘がいる身。もう空を飛んでピーターパンと遊ぶことはできないのです。それを知ったピーターパンの寂しさ。大人になることの幸せを知っているウェンディとは世界が離れてしまいました。

少女の頃のウェンディが空へ飛び立った家は、ロンドンの白い集合住宅の一室の窓からだったようです。今はちょっと不似合いなパームツリーらしき木も植えられていますが、どの窓から飛び立っていったのか、思わず窓を見上げてしまいます。