Boot Scraper~From the United Kingdom

2026.05.07

異文化理解

いつもの道をヴィクトリア&アルバート博物館へ向かって歩いていると、通りの建物の階段の途中に何かあります。巻き毛に馬の蹄鉄がついているような、鉄製のものが下から二番目の階段に固定されています。

後で調べるとこれはブーツスクレーパー、靴の裏の泥除けです。建物の入口や壁、歩道にしっかりと固定されてずっと昔からそこにあるもののようです。18世紀末に歩道が整備されると登場したブーツスクレーパー。確かにかつては土の道も多かったので重宝されたのでしょう。辞書にはかつて家の外に設置され、垂直の金属の形の装置と書かれていました。

最初は歩道に直接置いてあったものも多く、通行の邪魔になる理由で壁や窪みに設置されていったようです。舗装された道路が多くなるとその役割がなくなり、次第に使われることもなくなってしまいました。けれど今でも通販サイトにブーツスクレーパーはあり、さまざまなデザインを見ることができました。ロンドンでは無用の長物になってしまったブーツスクレーパー。けれどウエリントンブーツ―長靴が必需品の郊外ではまだ大切なものなのでしょう。

イギリスに造詣が深いある日本の大学教授が、かつて来日されたダイアナ元皇太子妃とお話できる機会があり、郊外のカントリーハウスでお父上を見た時は庭師かと思ったとお話されたそうです。その時お疲れぎみだったダイアナ妃は安心したように笑い、その話は父が喜ぶと返されたそうです。そう伯爵の職業はファーマー。王族もご両親のお仕事はと訊かれるとそう答えるそうです。確かに大地主ですから…

ロンドンの街は下を見ていても、いろいろな発見があるので愉しいものです。ブーツスクレーパーを見つけにまたロンドンの街を散策したくなりました。

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