Maids of Honour Tart~From the United Kingdom
2026.07.16
メイズ・オブ・オナー・タルト、花嫁の付き添いの名を持つこのタルトの歴史はとても古いようです。起源はイングランド希代の王、ヘンリー8世の時代にはあったと伝えられています。6人の妻を持ち、それが原因でローマカトリック教会と袂を分かったあの国王の時代。王妃の侍女たちが食べていたお菓子を、ヘンリー8世が目にしたのが始まりでした。
侍女たちが食べていたお菓子を、ひと口食べたいと申し出るヘンリー8世。残っている肖像画のその大きな体格から、その身体は旺盛な食欲で支えられていたのは明らかです。1日5000カロリーも食べていた計算もあるそうです。その食に対する好奇心が侍女たちの食べていたお菓子まで向けられたのです。口の中でとろけるそのタルトを大変気に入ってしまい、レシピをロンドン郊外のリッチモンド宮殿の保管庫に隠してしまうほどだったそうです。
メイズ・オブ・オナー・タルトには、パイ生地にチーズカートと呼ばれる風味豊かでしっとりとした乳製品が詰められていました。その味を他の誰にも食べさせたくないヘンリー8世は、タルトを考案した侍女を牢に入れ、王のためにだけ作るよう命じたとか。ヘンリー8世のグリーディな性格がよくわかるエピソードです。
その門外不出のメイズ・オブ・オナー・タルトでしたが、レシピを受け継いでいたパン屋から宮殿のあったリッチモンドの名物となって、その人気が出たようです。もうヘンリー8世はこの世にはなく、人々はこのサクサクとした甘いパイにほんのり塩気を感じる味は人々を虜にしていきました。王立植物園のキューガーデンの近くにある「The Original Maids of Honour」は、昔ながらのオリジナルのメイズ・オブ・オナー・タルトが人気のティルームだそうです。何度も何度もキューガーデンへ出かけているのに知りませんでした💦
メイズ・オブ・オナーの名は元々王妃の侍女たちから取られていましたが、今では花嫁に付き添う未婚女性の意味になっています。

