Lavender Farm~From the United Kingdom
2025.07.21
イギリス人はラベンター好き。イングリッシュラベンダーという名もあるほどです。でもラベンダーの原産地はフランスやスペイン、イタリアなどの地中海沿岸。元々イギリスではラベンダーはない場所でした。
実はイングリッシュラベンダーと呼ばれている種はなく、ラバンデュラ・アンギスティフォリアが正式名称で、イングリッシュラベンダーの他に、コモンラベンダー、ガーデンラベンダーとも呼ばれているそうです。シソ科の植物で色鮮やかで、香り高く、今ではガーデニングの鑑賞植物としてもとても人気があります。元々は漢方薬として使われ、ラベンダーオイルは高い沈静作用を持っています。また皮膚の修復作用もあり、けがをして泣いている子どもに、ラベンダーオイルをおまじないのようにつけることもあるそうです。ガーデンの薔薇のアブラムシを防いだり、虫よけポプリとしてクローゼットに入れたり、香水として使ったり、ラベンダーはイギリス人の生活に欠かせないものになっています。
今ではイギリス古来からのハーブになってしまったラベンダー。それはイギリスのラベンダーファームのイメージが浮かぶからだと思われます。イギリスの田舎に広がるラベンダーファーム。青い空と紫の小花が風に揺られて、あの甘く清々しい香りが漂ってくる風景、それがイギリスのイメージにつながってしまったからなのでしょう。またイギリス人にとって、伝統的で身近な香り、庭の匂い、祖母の香水をラベンダーから感じとるようです。
イギリスのイーストアングリアのヒーチャムには最大のラベンダーファームがあります。ラベンダーコンバインで香料用を年間に7万トンも収穫するそうで、ラベンダーオイルは250キロ蒸留して700gのオイルになります。とても香りが強いのでヒーチャムのラベンダーは1年間寝かせてから使うそうです。けれどオイルにするための蒸留は収穫から48時間以内。なので収穫期は大変な労働になるそうです。イギリスのラベンダーファームは見るだけで、その現実の仕事はとても大変。でも質の高いラベンダーオイル、ぜひ使ってみたいものです。