Scone~From the United Kingdom
2026.06.24
イギリスを訪れて何度も何度も、スコーンと紅茶のクリームティをいただきましたが、ここのスコーン、ほんとうにとても美味しかったのです。今では日本でも、アフタヌーンティでスコーンはホテルなどでいただけるようになりました。でもやはりイギリスのアフタヌーンティは外せません。
昔は頭が痛くなりそうなほど甘過ぎる、アフタヌーンティのイギリスのケーキに辟易した思い出もありますが、イギリスのスコーンとクローテッドクリーム、ジャムは完璧です。ジャカルタで一度、日本でも一度アフタヌーンティをいただきましたが、残念ながらジャカルタは飲茶っぽく、日本では何とスコーンがありませんでした。三段トレイ、スリーティアーズのアフタヌーンティの本物はやはりイギリスだけかもしれません。
スコーンはイギリスの伝統的な焼き菓子で、イギリスの元々のスコーン自体には特に味つけはしていません。さくっと焼き上がったスコーンに、クローテッドクリームと呼ばれる濃厚なクリームとジャムをつけていただきます。円柱型を短くしたようなカタチのスコーンを横に2つに割り、クローテッドクリームとジャムをつけます。この時ジャムが先か、クローテッドクリームが先かでの論争もありました。デヴォンではクローテッドクリームから、コンウォールではジャムからと意見が分かれています。美味しくいただくにはどちらでも好いようですが、こんなことからもイギリスらしいこだわりが垣間見えてきます。
スコーンの材料、今は小麦粉ですが、元々はオーツ麦で作られていたようです。1513年にスコットランドの詩人によってその名が残されていたそうですから、相当昔の時代から食されていたスコーン。そのスコーンの名はスコットランドにあるスクーンパレスにあった「運命の石」、これがスコーンの名の由来との話もあります。「運命の石」はイギリス君主が代々戴冠式で座る、エドワード王の椅子に備えつけられていました。かつてイングランドがスコットランドに勝利した時の戦利品としてロンドンに運ばれていましたが、「運命の石」は1996年にスコットランドに返還されています。ちなみにスコーンにそのような神聖な名がつけられてしまっては、ナイフで切るのは忍びないので、食べる時には手で割る作法もあります。
さてロンドンのホテルでいただいたアフタヌーンティのスコーン。ナフキンから取り出した焼き立ての温かさ、その好い加減のきつね色の色合い、小麦粉の生地の香りを愉しみます。手で割るとサクっとした感覚で、まずは何もつけずにいただきます。ぼそぼそしていないしっとりした味わいのスコーンで、フィンガーサンドイッチとケーキで満たされた後でも、とても美味しくいただけました。クローテッドクリームとジャムもまた味わい深いもの。ジャムはミックスしたベリーのようです。プレーンなスコーンでは今までで一番の食感と味わい深いものでした。
残念ながら最後に焼き立てのスコーンを出してくれたので、もうお腹はいっぱい。三段のトレイも片づけられた後に最後のスコーンのお出ましです。取り皿にはナイフだけ置かれています。ここはイングランドなので、「運命の石」とはあまり関係なかったのかもしれません。初夏なのに30度を超えてしまうほど暑い午後の日曜日、このホテルのラウンジで熱い紅茶と温かいスコーンで満たされました。

