トラベルのトラブル続き どうやってコミュニケーションする???

2023.09.03

お役立ち情報

イギリスに出かける前にトラブル英会話なんてコラムを書いていたら、ほんとうにたくさんのトラブルに今回の旅で遭遇してしまいました。



飛行機の遅れ、ロストバケージ、ホテルの予約と実際の部屋の違い、毎日ホテルのカードキーが開かない??? イギリスではよくあると言えばあることなのですが、今回の旅はさまざまなトラブルに遭遇しました。どうやってコミュニケーションをはかったのかも覚えてないほど、たくさんの英語を使いました。  

まさかのロストバゲージ、それもイギリスの国内線で

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ヒースローまでの国際線では気を遣っていたのですが、スコットランド移動でロストバゲージするとは思ってもみませんでした。グラスゴーまでの便がスタッフのセキュリティチェックで遅れに遅れて出発します。その後の離島への乗り継ぎは間に合ったのですが、荷物が… 何と乗り継げなかったのです。スコットランドの離島の小さな空港で乗客と同時に預けた荷物が出てきますが、もうお仕舞い? 空港スタッフに何度も訊ねます。何てことでしょう。ここでの滞在用のバッグを1つ持ってきて、もう1つのバゲージはこれから泊まるロンドンのホテルで預かってもらっていました。持って来ていたそのバッグが消えてしまいました。

I can’t find my baggage. Here’s my claim tag. Please confirm my baggage.
荷物が見つかりません。私の荷物の引換証です。荷物を確かめてください。

ロストバゲージについてはほんとうに荷物が出てくるか、困った他の旅行者たちの経験談をインターネットで拝見していました。国際線では最低限の身の回りのものを機内預けで持っていました。でもまさか国内線で遭遇するとは。リスクマネジメントの甘さを思い知らされます。思えば乗り継ぎ便は要注意だったのです。空港スタッフはバッグの特徴を訊いてきます。預かり証のクレームタグをコピーしています。ここへの便は1日2便。いつバッグを手にすることができるのか、わかりません。途方に暮れている私たちを、予約しておいたタクシードライバーの女性が気遣ってくれます。ゴルフコースのある海辺のホテルにチェックインして、レセプションのオニイサンにロストバゲージで、歯ブラシもスリッパもないのと、困った顔で無心します。オニイサンは歯ブラシセット2本を机の引き出しから出し、スリッパはバスルームのドアの裏にかけてあるバスローブのポケットに入っていると教えてくれました。

着替えの服もありません。せめて下着類は洗濯をしてバスルームに干してみました。乾くか心配でしたが、後で部屋には冷房がないけれどオイルヒーターがあるのに気づきます。スイッチを入れると熱くなって洗濯物はあっという間に乾きました。島を案内してくれた女性タクシードライバーのAさんは、グラスゴーの航空会社の知り合いにも訊いてみようと言い、グラスゴーではよくあることとつけ加えました。いつ荷物が戻るか心配になり、夜中に起きてしまいました。航空会社へ宛ててこのままでは旅を続けられるかわからない、荷物がすぐに戻らないなら、東京への同じクラスでの便を用意してもらえないかと、抗議と要求の文面をベッドの中で考えていました。

※写真はグラスゴーから乗り継ぐ離島便と、ロストバゲージした島の初日にルームサービスで頼んだラガービール1パイント。

予約した部屋と違う??

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スコットランドから戻り今日からロンドンに滞在、以前も宿泊していたお気に入りのホテルにチェックインします。けれどホテルの部屋に入ってみると… 狭い、もっと広い部屋を予約したはずなのに。そしてシャワーだけ。スコットランドに行く前に預けたスーツケースも、「入れとくよ」と言ったオジサンを信じてバカでした。レセプションに降りてクロークで引換証を出します。運んでくれるというので先に部屋に上がります。部屋のクレームは予約内容を確認してからにします

部屋に戻って手を洗おうと洗面台の水を流すと、あら栓が抜けません。このホテルの水を貯めるためのストッパーは、上下に動かして使います。水を流す時はコインを立てたカタチにしなければなりません。でも1ミリも動きません。そこへちょうどスーツケースを運んできたコンシェルジュにチップを渡しながら、ここが壊れているとアピールします。コンシェルジュのイケメンの彼もストッパーを動かそうとしますが、やはり動きません。何がどうなって動かなくなってしまったのでしょう。誰かを呼びにコンシェルジュのオニイサンは戻ろうとするので、スーツケースを置くバケージラックももう1つ頼みます。だって部屋が狭いのでバゲージを2つ開けるスペースもないのです。

Can I have one more baggage rack?
もうひとつバケージラックをいただけますか?

少しして背の高い白人の客室担当のオニイサンがやって来て、バゲージラックを届けてくれました。このオニイサンにも水道を見せますが、動かすことはやはりできません。そしてまだシャワーだけの部屋のノーティスを出していません。予約の内容を確認してから、レセプションに降りていきます。バスタブのある部屋に変えてほしいと言っても、チェックイン時に対応してくれた女性スタッフは、パソコンのキーを激し叩いて検索していましたが、答えはSorry。部屋の移動は無理のよう。リフトに乗ろうとするとエリートらしい男性スタッフが声をかけてきます。「ご気分はいかがですか?」ともちろん英語で訊いてきます。このトラブル続きに能天気なご挨拶、これは渡りに船かもしれません。

Please change the room as it is not the one we reserved.
私たちが予約した部屋と違うので変えてください。

※ロンドンのホテルは邸宅を改装したものが多く、階段ばかりのホテルもありました。またシャワーもハンドではなく固定式のものもホテルによってはあります。

水道の水を貯める栓、英語で何て言うの???

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役職がありそうなオニイサン、このホテルを誇りに思っているのでしょう。ホテルスタッフは快適な環境をゲストに提供するのが信条です。でも残念ですが今は「Bad」と答えるしかありません。「何があったのですか?」と、もちろんオニイサンはお伺いをたててきます。「部屋にバスタブがないし、水道のストッパーが壊れているの」 水道の蛇口はtapですが、水を貯める栓の英語が思いつきません。エリートらしきオニイサンはflashという単語を使っていたのですが、身振り手振りで説明していきます。「お部屋ナンバーは?」と訊かれ、すぐに伝えてリフトで部屋に戻ります。

後で調べるとどうやら水道の水を貯めるところplugで好かったようです。でもこんな英単語、知るわけもありません。部屋に戻ると、来ていた修理人のスタッフを夫が見守っています。いかにもホテル内のメンテナンスを担っているといった顔つきをしたスタッフです。工具を使って開けます。「これから毎日使うの。問題はないの?」と動いた栓を、何度も確認してみます。「No problem」という彼の言葉を信じることにしました。滞在中確かにここの問題はありませんでした。

The plug is stuck.
洗面所の水道のふたが故障しています。

まさかロンドンのホテルでのチェックイン時騒動。それも部屋が予約したものと違っていたことは初めてでした。もっと大きい部屋が空いているようなので、新たにサイトから再予約しようかとも考えました。でもさらに数十万使うのも癪にさわります。翌日外出から戻ると、昨日のエリートらしきオニイサンからのレターが部屋のドア下に入れてありました。それには英語でこんなことが書かれていました。その一部を日本語にしてご紹介します。

旅行代理店からは予約内容について申し送りはありませんでした。…もし早くホテルに戻って来られましたら、バスタブ付きの部屋に変えることができるかもしれません。でも遅いお戻りでは無理だと思われます。

このレター、読んで少し考えてしまいました。後から来た人に迷惑がかかるような気がしてしまいます。最初に対応してくれたレセプションのオネエサンがパソコンに向かって何度もキーを叩いてダメだったものが、早く戻れば部屋の変更ができるかもしれないという曖昧なフレーズに呆れて、そのままその部屋で長い滞在を決めました。フライト遅れ、ロストバゲージ、そしてホテルの予約した部屋との違い。問題はバスタブだけではないのです。広さが到底予約した部屋の大きさとは思えないのです。帰国してから旅行代理店に再度確認してもらいましたが、部屋の大きさは間違いないと報告があったそうです。次回はメジャーを持って、また同じホテルに出かけるつもりでいます。

でも旅は悪いことばかりではないのです。イギリスの変わりやすい天候は驚くくらい好天続きで、私たちがスコットランドへ飛ぶとロンドンが雨になり、スコットランドを離れるとスコットランドが雨になりました。でも島を案内してくれた女性タクシードライバーのAさんは言います。「雨も降らないと困るのよ」。確かにそうです。私たちの旅のトラブルはこの好天を手に入れるためのものだった気がしてなりません。ロストバゲージしたバッグは翌日の夕方の便で戻ってきました。それを食事中だった私たちに、チェックインの時のレセプションのオニイサンが知らせに来てくれました。こんなに安堵したことはありません。

翌日女性タクシードライバーのAさんに、「My bag is back」と言うと、「I know」と答えます。島を離れる時に手製のコワレモノのシールを作り、機内荷物に預けると、Aさんはその下に書いたメッセージを見て笑ってくれました。それはおまじないです。

Never go missing again./けしてまた行方不明にならないで

間違いなくヒースローでそのバッグを受け取ることができましたが、手製のシールははがされて既製のものに代わっていました。

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そしてロンドンに戻って2日後… 一番悲しいトラブルがやって来ました。長年頑張って撮影してくれたカメラが、オックスフォードサーカスでその動きを止めてしまいました。10年近くずっといっしょに旅をして、前回のロンドンも撮影にがんばってくれたカメラ。週末の夕暮れ時オックスフォードサーカスの喧騒の中で、そのカメラは静かにその使命を終えてしまいました。帰国してからも一縷の望みを持って数社に修理を訊ねましたが、そのカメラは最後に北陸へ旅をして引導を渡されます。オックスフォードサーカスが最後の場所だったことがそのカメラの矜持だったような気がしてなりません。

※写真はリフトに向かうため何度も開けたホテルの防火扉。ホテルの廊下は扉で仕切られています。部屋から見える街の景色はまるでロンドンの小さな部屋で暮らしているようでした。