thの発音のコツは?無声音(θ)と有声音(ð)の違い

2023.02.02

勉強法

英語のthの発音、 学校でも意識して発音練習させられました。でもついついカタカナ英語の発音になってしまいます。英会話はきちんとした英語発音ではないと、相手に伝えることのできない場合があります。何度もネイティブスピーカーに訊かれ続けてしまう発音のなかで、今回はあえてthの発音をしっかりと勉強してみましょう。耳から学んでいない日本の英語の授業では、どうしてもカタカナの発音になってしまいがちです。母音と子音、英語の発音方法を基本から身につけることを心がけましょう。まずはthの無声音と有声音があることからご紹介します。

【thの発音方法】無声音(θ)と有声音(ð)の違い

  • thの発音のコツは?無声音(θ)と有声音(ð)の違い

英語のthの発音は無声音(θ)と、有声音(ð)の2種類があるようです。これは日本語では使用しない音で、日本語に慣れ親しんだ人には難しい発音と言われています。それはいったいどんなものなのでしょうか。

無声音(θ)のth

 

無声音は舌を軽く歯に挟み、濁らせず発音します。無声音の例にはthinkやthankなどがあります。その他には、序数を表すthird やfifteenth、thinkの過去形thoughtがあります。一番好く使われる感謝のthankで何度も練習してみましょう。

有声音(ð)のth

 

有声音のthは舌先を軽く歯で挟み、濁すように発する音になります。有声音の例にはthisやthatなどがあります。こちらもよく使う単語ばかりです。その他にはtheyとその目的格のthem、motherとfatherも有声音のthです。

thの発音のコツ

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英語の音は聞いているだけでは確かに発音は身につきません。発音記号をもとに実際に発話して、練習することも大切にしてみましょう。

単語の頭にthがある場合

 

単語の最初にthがある場合は、歯と歯で軽く舌先を挟んだ後に、素早く引きながら発音するようにします。例えばthat、theirなどの発音がそうです。

単語の中にthがある場合

 

単語の中にthが含まれる単語も、歯と歯で軽く舌先を挟んだ後に素早く引きながら発音となります。例えばbirthday、fatherなどにはthが単語の中にあります。

単語の最後にthがある場合

 

単語の後ろにthがある発音も、歯と歯で軽く舌先を挟んだ後に素早く引きながらします。例えばmouth、earthなどの英単語がそうです。

thと似ているs・d・zの発音の仕方

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次はthと似ているs・d・zの発音を見ていきましょう。カタカナではほとんどその差は発音できない、英語の部分です。thの発音はsやd、zの発音と似てしまうので、その違いを理解しておくと、区別して発音しやすくなっていきます。

sの発音の仕方

 

sの発音は舌先を歯ぐきに近づけますが、接触させないまま発音するところがポイントです。舌を上の歯ぐきに近づけて発音するイメージで発音してみましょう。sを含む単語には、sinkやその過去形のsankなどがあります。

dの発音の仕方

 

dの発音もカタカナにできない英語の音です。発音記号もそのままの/d/で、短く的確な英語の音が求められます。コツは上前歯の歯茎を使うこと。dを含む単語には、dog やdo、bedなどがあります。

zの発音の仕方

 

zと書いて/ zíː/と発音するか、/zéd/と発音するか悩むところです。この単語も摩擦音と呼ばれる音で、空気を口の中で摩擦して出される音になります。子どもたちがつづりと音を学ぶ時に使われるフォニックスでは、/ zíː/と音を発しています。zを含む単語には、zipper、zero、zebraなどがあります。

発音の難しい[θ]と[s]、[ð]と[z]の言い分けについては、シェーンのお役立ち情報も併せてご覧ください。

「ネイティブに伝わる英語を発音するコツ|母音と子音の使い分け方」
●情報はこちら
 

余談ですが、作家の村上春樹氏がかつて書いていたコラムを思い出しました。海外でビールを頼む時には銘柄も併せて伝えるのですが、アメリカでCoorsのビールを頼みたいのに通じない。クアーズとカタカナ英語ではもちろんダメです。クゥワーズ、クウワズ、クアーズとお試しされたそうですが、そのウエイトレスさんにはまるで通じません。

Coorsの発音記号はkúərz。このəとrが難点のようです。結局村上氏はバドワイザーをご注文されたそうですが、クアーズのラガービールのファンとして、通じない発音なのが残念です。また最近日本でクアーズを見かけないと思っていたら、日本国内での販売は終了していました。残念( ;∀;)です。アメリカでの注文のためにCoorsの発音を練習してみます。

thの発音時の注意点

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ではthの発音に戻りましょう。これをきちんと発音できれば、ネイティブに聞き返されることが少なくなります。

前歯で強く舌先を噛みながら発音しない

 

舌を前歯で強く噛むと口に力が入り、不自然な発音になりやすくなります。英語の発音は、リラックスした口の状態で発音することが大切です。

舌先を歯より先に出し過ぎない

 

舌先を出し過ぎると、口から空気を出しにくくなるようです。舌先を歯より先に出し過ぎないようにして、自然な発音を心がけます。

発音することをためらわないように

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最初に英会話スクールのグループレッスンに入った時のことをお話しましょう。学生時代、中学・高校と英語の発音に長けているクラスメートがいると、リーディングする時に気が引けた覚えがあります。うまく英語を発音できないことで、英語を声に出すことにためらいが出ていました。けれど、英会話スクールで出会った年上のクラスメートたちは、カタカナ英語だろうとおかまいなしに発話し、コミュニケートすることに努めていました。海外勤務で相手との実際の意思疎通のためには、その発音が恥かしいなどとは言っていられないようです。通じるための英語に近づけるようにレッスンに通っていると教えてくれました。

年上のオジサマたちは、その英語の発音がどうあろうと、わかりやすい表現を使いながら端的にできるコミュニケーションをはかっています。実際のビジネスでの英語のコミュニケーションには、頭で考えている時間はないのです。プロークンだろうと、カタカナ英語だろうと英語を発話する、オジサマたちの英語にはそんな気迫がありました。英語の発音が完ぺきではなくても、流暢な英語ではなくても、英語を発話することの大切さを最初の英会話のレッスンで感じました。

シェーンの子どもたちはフォニックスという方法を使って、カタカナも発音記号も使わず、アルファベットと音の関係を身につけていきます。ただし規則を覚えこんでいくのではなく、出てくる単語を耳で覚えて、その音を書ける楽しさも交えて学んでいます。英語圏の子どもたちが読み書きのトレーニングする方法、フォニックスは大人たちにも活用できそうです。インターネットで動画を探してみるのもおすすめです。

シェーンの日常英会話のレッスンは、日本人が発音しにくい音、区別しづらい音、英語の音の変化(単語のつながり方による音脱落、同化、連結等)、単語や文のストレス、イントネーション、英語特有のリズムなどを毎回のレッスンで学習していくようにデザインされています。聞き手にわかりやすい自然な英語の発音を意識することで、リスニングの際に留意することにも気づけます。シェーンのオリジナルテキスト‟Time to Talk”に沿ったレッスンで、実際に使える会話表現を身につけていくことを目指していきます。

シェーンの日常英会話レッスン
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目の前のネイティブ講師との発話の練習を重ねて、実践で使える英語力をぜひ身につけるように努めていってください。前歯、上の歯、摩擦音と頭で考えるのではなく、耳から英語を吸収しながら、英語のコミュニケーションは目の前にいるネイティブ講師から学ぶことも大切です。