Mary Quant~From the United Kingdom

2022.12.08

英国コラム

マリー・クヮントはイギリスのファッションデザイナー。今では当りまえのスタイルを今から65年ほど前に売り出し、世界中の女性がこぞってそのスタイルを真似します。それはMiniskirts―ミニスカート。

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Swinging Sixties―1960年代、今から60年以上前のこと。イギリスでは若者たち主導の新しい文化を生み出します。ロンドンのカーナビ―ストリートでは、マリー・クゥントのミニスカートの女性たちがその流行の発信をしていきます。その時代、ミニスカートのアイコンとなったモデルがレスリー・ホーンビー。彼女は通称ツイッギー、まだ10代の少女でした。少年のようなスタイルとショートカット。その細い身体を称してツイッギー、小枝と呼ばれます。その大きな目と長いまつ毛、ミニスカートから伸びる細い脚に男性も女性も魅了されます。

ミニスカートをデザインしたマリー・クゥントはウェールズの教師の家に生まれ、服飾の道を目指すために大学に進学します。両親はもちろん娘の道を思い留まらせようとします。仕方なく美術教育の学位を取ったマリー・クゥントは、1953年にロンドン大学を卒業します。その後ロンドンのスローンスクエア駅そばのキングスロードに店を構えます。1960年マリー・クゥント自身も、イギリス出身のヴィダル・サスーンによってボブのショートカットで颯爽としたスタイルを見せます。今では当りまえのスタイル。でも当時の人々にとっては新鮮な輝きを放って見えました。

マリー・クゥント自身が着たいと思う服、それが当時の人々の人気を博します。Swinging Sixties―ロンドンのカーナビ―ストリートには新しいスタイルの女性たちがあふれ、その動きやすく活動的でシンプルなミニスカート、タイツのスタイルを迎合していきます。新しい時代の女性たちの輝きに、ロンドンから世界中にミニスカートは大流行します。1967年にツィッギーが来日すると、日本でもミニスカートが大流行。それも誰でもミニスカートを着て、和服以外はミニスカートしか見ることがないほどでした。そう太い脚でも短い脚でも、ミニスカート姿の女性たちで街は埋め尽くされました。皆さん頭の中ではツィッギーの気分だったのでしょう。

そしてマリー・クゥントと言えば花柄。今ではコスメティックスで目にするばかりですが、このロゴマークの花柄、何の花かご存知でしょうか。それはデイジー。白と黒のシンプルなマリー・クゥントのデイジーには、デザインの力を強く感じさせてくれます。マリー・クゥントの信念―既製の考え方にはとらわれない、自分のやりたいことを目指す、そんな力も感じます。マリー・クゥントの自己表現はその生き方、デザインにも体現されています。着たいものを着る―マリー・クゥントのその信念は今の女性たちにも引き継がれています。