英語の熟語の覚え方|初心者でも定着する効率的な学習法
2022.12.03
英熟語を覚えようとしても、なかなか定着せず「覚えられない」と悩む人は多いものです。単語単体なら理解できても、動詞と前置詞が組み合わさると意味が分からなくなり、学習が止まってしまうことも少なくありません。特に試験対策や英会話を始めたばかりの人ほど、英熟語に苦手意識を持ちやすい傾向があります。
しかし、英熟語が覚えにくいのは能力の問題ではなく、学習方法が合っていないだけの場合がほとんどです。英熟語には「覚えにくくなる理由」と「覚えやすくなるコツ」があり、それを理解するだけで学習効率は大きく変わります。本記事では、英熟語が覚えられない理由を整理し、初心者でも実践しやすい覚え方と定着法を体系的に解説します。
英熟語が覚えられないのはなぜ?

英熟語が覚えにくいと感じる背景には、いくつかの共通した原因があります。多くの学習者は「覚えようとしているのに定着しない」という状態に陥りがちですが、原因を知ることで対策は立てやすくなります。
前置詞のイメージがつかめず、意味を推測できない
英熟語の多くは「動詞+前置詞」で構成されていますが、この前置詞の理解があいまいだと意味がつかめません。前置詞には「in=中」「on=接している」「for=目的」といったコアイメージがありますが、日本語訳だけで覚えてしまうと応用が利かなくなります。その結果、少し形が変わっただけで別の熟語のように感じてしまい、混乱につながります。
直訳できない英熟語が多く、丸暗記に頼ってしまう
英熟語には、単語の意味をそのまま足しても理解できない表現が多く存在します。たとえば lose one’s touch は直訳すると意味が分かりませんが、実際には「腕が落ちる」という意味になります。このような熟語を無理に暗記しようとすると、記憶に残りにくく、すぐに忘れてしまいます。
覚えたつもりでも、使わないまま忘れてしまう
英熟語はインプットだけでは定着しません。覚えた直後は理解できた気になっていても、会話やライティングで使わないまま時間が経つと、記憶は薄れていきます。アウトプットの機会が少ないことも、英熟語が覚えられない大きな理由のひとつです。
やってはいけない英熟語の覚え方

英熟語が身につかない人ほど、効率の悪い覚え方を続けてしまっているケースがあります。ここでは、多くの学習者がやりがちなNG例を整理します。
意味だけをリストで暗記する学習
英熟語を日本語訳だけで一覧にして暗記する方法は、一見効率的に見えます。しかし、形が似た熟語が多いため混同しやすく、実際の会話では使えないことがほとんどです。意味だけを覚えても、使い方やニュアンスが分からなければ定着しません。
例文なしで覚えようとする勉強法
英熟語は、どんな場面で使われるかを理解してこそ意味を持ちます。例文を使わずに覚えてしまうと、「知っているけど使えない」状態になりやすくなります。短くてもよいので、文脈と一緒に覚えることが重要です。
インプットだけで満足してしまう学習
参考書を読んだり、単語帳を眺めたりするだけでは、英熟語は記憶に残りません。実際に声に出したり、自分で文を作ったりするアウトプットがなければ、英熟語は知識として終わってしまいます。
初心者でも定着する英熟語の覚え方【基本ステップ】

英熟語を効率よく覚えるためには、いくつかのポイントを押さえる必要があります。難しいテクニックは必要なく、基本を意識するだけで学習効果は大きく変わります。
前置詞を「日本語」ではなく「イメージ」で理解する
前置詞は日本語訳ではなく、イメージで理解することが大切です。たとえば in は「中に入っている状態」、on は「表面に接している状態」と考えると、多くの英熟語の意味がつながりやすくなります。この考え方を身につけると、新しい英熟語に出会っても意味を推測しやすくなります。
短い例文とセットで覚える
英熟語は、5~8語程度の短い例文と一緒に覚えるのがおすすめです。例文があることで、使われる場面やニュアンスが具体的にイメージできます。意味だけでなく「どう使うか」まで理解できるため、記憶にも残りやすくなります。
声に出して使い、アウトプットで定着させる
黙読だけでなく、声に出して英熟語を使うことも重要です。発音やリズムと一緒に覚えることで、実際の会話で自然に口から出やすくなります。アウトプットを意識することで、英熟語は知識からスキルへと変わっていきます。
今日からできる英熟語学習の実践ステップ

英熟語学習は、毎日少しずつ続けることが成功のポイントです。一度に大量に覚えようとするよりも、少量を確実に定着させる方が効果的です。ここでは、初心者でも取り入れやすい実践ステップを紹介します。
1日の学習量とおすすめの進め方
1日に覚える英熟語は3~5個程度で十分です。前置詞のイメージを確認し、短い例文を声に出して読み、自分なりの文を1つ作ってみましょう。短時間でも毎日触れることで、記憶は安定していきます。
ノート・アプリを使った復習のコツ
ノートに例文を書いたり、単語アプリで復習したりすると、記憶の定着率が高まります。特に「思い出そうとする作業」を意識することで、ただ読むだけの復習より効果が上がります。
覚えた英熟語を忘れないための復習タイミング
覚えた翌日、1週間後、1か月後といった間隔で復習すると、英熟語は長期記憶に残りやすくなります。忘れかけたタイミングで思い出すことが、定着への近道です。
初心者がまず覚えたい頻出英熟語

英熟語は数が多いため、最初はよく使われるものから覚えることが大切です。ここでは、初心者が優先して覚えたい頻出英熟語を紹介します。
日常会話でよく使う英熟語【例文つき】
pick up(迎えに行く・拾う)
Can you pick me up at the station?
(駅まで迎えに来てくれる?)
look for(探す)
I’m looking for my keys.
(鍵を探しています)
get along with(仲良くする)
I get along well with my coworkers.
(同僚と仲良くしています)
ビジネス・学習で役立つ英熟語【例文つき】
come up with(思いつく)
We need to come up with a better plan.
(もっと良い計画を考える必要があります)
carry out(実行する)
The team carried out the plan successfully.
(チームは計画を成功させました)
英熟語を「使える表現」にするために大切なこと

英熟語は覚えただけでは不十分で、実際に使うことで初めて意味を持ちます。間違いを恐れずに使う姿勢が、上達には欠かせません。
意味を知るだけで終わらせない
日本語訳を見て理解したつもりでも、使えなければ意味がありません。自分の生活や仕事に当てはめた例文を作ることで、英熟語は身近な表現になります。
間違いながら使うことが上達への近道
最初から完璧に使おうとする必要はありません。間違えながら修正していく過程で、英熟語は自然と身についていきます。
英会話レッスンを併用すると定着が早い理由

英熟語を実践で使えるようにするには、会話の中で繰り返し使うことが効果的です。英会話レッスンは、そのための環境を整えてくれます。
独学では気づきにくい誤用をその場で修正できる
独学では「なんとなく合っている」状態で止まってしまいがちです。講師からのフィードバックを受けることで、英熟語の正しい使い方を身につけられます。
会話の中で繰り返し使うことで記憶に残る
実際の会話で英熟語を使うと、記憶への定着度は大きく高まります。自然な流れの中で使う経験が、「使える英語」への近道になります。
まとめ
英熟語は丸暗記では定着しにくく、前置詞のイメージ理解、例文、アウトプットを組み合わせることで身につきます。覚え方を少し工夫するだけで、英熟語学習は効率的になり、実際の会話や仕事でも使える表現が増えていきます。自分に合った方法で継続し、英熟語を知識ではなくスキルとして定着させていきましょう。

