クリスマスだからこそ観たい映画は何?? クリスマスに観る映画の海外の定番をご紹介

2022.11.16

お役立ち情報

クリスマスには観るべき映画がありそうです。海外の人たちがクリスマスに観る映画を今回はご紹介しましょう。クリスマス定番の映画から、心温まる映画のいくつかとホラー映画をピックアップしてみました。優しい気持ちになれるクリスマス。外が凍える季節だからこそ、ほっと一息できる映画を観てみましょう。

It's a Wonderful Life 「素晴らしき哉、人生!」 1946

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クリスマスに観る映画の海外の定番をご紹介

まずはアメリカではクリスマスになると観る名作が、「素晴らしき哉、人生!」。今となっては「ホームアローン」が人気ですが、伝統的なクリスマス映画の定番をまずはご紹介します。

名匠フランク・キュプラ監督の手で、戦後間もなく封切られた映画です。空から翼のない天使がこの世界に降りてきます。そしてある男性の窮地を助ける使命をその天使は持ってきています。助ける男性の名はジョージ。ジョージは小さい頃に溺れた弟を助けて片耳が聞こえなくなってしまいます。大人になって世界中を旅したいのに、いろいろな事情が重なりずっと住み続けている街にいます。それでも小さい頃からジョージに恋をしているメアリーと結婚し、父親の残した住宅金融の事業をジョージは引き継ぎます。

モノクロームフィルムの長いお話ですが、ジョージが事業に失敗してからお話はどんどんと進みます。翼のない天使の出番はこれから。破産するジョージはクリスマスの夜に川へ飛び込もうとすると、別の男性が先にドボンと川に落ちてしますい、「助けて」を連呼します。それは翼のない天使。自殺しようとしたジョージに逆に助けられます。そして翼のない天使は、ジョージが存在しなかった世界へ連れていきます。そこでは弟は溺死、妻のメアリーは独身のまま。ジョン1人いなくなった世界は一変しています。ジョンの住宅金融で築かれた住宅街がゴーストタウンに、そして街の欲深い有力者の建てたけばけばしい歓楽街が、人々の欲と金だけを呑み込んでいます。ジョンの破産はこの欲深い街の有力者が、銀行に預金しようとしたジョンの事業のお金を隠したのが原因でした。自分の存在のない世界を見て、ジョンは元に戻してくれと翼のない天使に願います。そして人々のために事業を続けていたジョンだったからこそ、奇跡は起こります。

「素晴らしき哉、人生!」の映画には、ジョンの周囲にいる人々の命のお話が詰まっています。モノクロームの世界は想像力を掻き立ててそれはそれでいいのですが、見づらい方にはウィル・スミスで2016年にリメイクされた作品もあるようです。

A Christmas Carol 「クリスマスキャロル」 1984

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チャールズ・ディケンズの名作「クリスマスキャロル」は何度も映画化されていますが、今回はジョージ・C・スコットがスクルージを演じた「クリスマスキャロル」を観てみました。

お金だけが大切な初老の主人公エベネーザ・スクルージ。お金にならないことは興味がなく、クリスマスに無駄遣いをすることを嫌います。7年前のクリスマスには共同出資者のジェイコブ・マーレイが亡くなっても、お悔やみのお金を包むこともしませんでした。クリスマスの早引けを願う従業員のボブ・クラチットには、給与分働かないと愚痴り、暖房の暖炉の石炭も無駄だと言い張ります。姉の忘れ形見の甥のフレッドがクリスマスの食事に誘いに来ても、無駄遣いと揶揄します。スクル―ジは家に帰っても火のない暖炉の前で、冷たいスープをすすっています。もう根っからのケチは自分にも課せているのですから、見事なものです。お金しか信じられないスクルージの元に、この日元共同出資者だったマーレイが亡霊となって現れます。

この夜、過去・現在・未来のスピリットたちが現れることを、マーレイはスクルージに伝えます。スクルージは愛に気づかずに育ち、また自分の父も同じ守銭奴でした。父親を反面教師としないまま、同じ人生を歩んでしまったスクルージ。早引けさせた従業員のクラチットの家には病気のティムがいます。未来のスピリットは、そのティムがいなくなったクラチット家を見せます。そして墓石を指さし、それがスクルージのものだと教えます。

ちなみに冒頭でスクルージがクラチットに「クリスマスはくだらない」と告げているシーンで、何度もハンバーグと聞こえたセリフがありました。原作を読んでみるとhumbug。"Humbug!"とスクルージはこの言葉を口にし、「ばからしい」、「ナンセンス」と不快感を表していたようです。

Love Actually 「ラブ・アクチュアリー」 2003

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2003年に公開された「Love Actually」の冒頭には、こんなナレーションが入ります。「9月11日の犠牲者があの時かけた電話は憎しみや復讐ではなく、愛のメッセージだった」 9月11日の同時多発テロの後に、この映画の軸がしっかりと根づいたように思える導入です。「ノッティングヒルの恋人」、「ブリジット・ジョーンズの日記」の脚本家だったリチャード・カーティスが初めて手がけた監督作品が「Love Actually」の映画です。

5 Weeks to Christmas。クリスマス5週間前のこの日に、結婚式を迎えた人がいたり、大切な妻を亡くし葬儀の人がいたり、はたまた出先から戻ると浮気現場に出くわす男性がいたり、登場人物全てが主役級の俳優たちで固められ、次から次へと展開するのでいっときたりとも画面から目が離せません。登場人物のエピソードを紡ぎながら、恋の行方を追いながらクリスマスを迎えます。ラブ・コメディーの名手と言われた監督の手腕が光ります。

英国の首相に就任したばかりのデービッドは、秘書のぽっちゃりしたナタリーにひと目惚れしますが、なかなかアプローチできません。また職場のデザイナーのカールに時めき続けているサラは、とうとう彼を自分の部屋に招き入れることができた時、その嬉しさを全身で表現します。クリスマスまでにその恋がうまくいった人も、そうでなかった人も、みんな幸せに思える結末になっています。エピソードを紡ぐ登場人物は19人、いやもっといたかもしれませんが、彼らのそれぞれのエピソードとブリティッシュ・イングリッシュが愉しめる作品です。

後で知ったのですが、映画ハリー・ポッターシリーズに出演していたスネイプ先生ことアラン・リックマンが、デザイン会社の社長役で出演されています。残念ながらアラン・リックマンは2016年に病気で亡くなりました。ラブ・アクチュアリーで妻役だったエマ・トンプソンはアランとは何度も共演し、「ラブ・アクチュアリー」では夫婦役。追悼の言葉でエマ・トンプソンは、「最高のパートナー。類まれなる人間で、あのような人はもういません」と語っています。2017年の続編の動画「レッド・ノーズ・デイ・アクチュアリー」には、エマ・トンプソンは出演しませんでした。俳優の同士を亡くした悲しみは深かったようです。

※写真はヒューグラント扮する英国大統領の住居、ダウニングストリート10番地。映画ではスタジオにセットを造り撮影したそうです。

Shaun of the Dead 「ショーン・オブ・ザ・デッド」 2004

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なぜかイギリス人がクリスマスによく観るというホラー映画、というよりサイモン・ペッグの演技が楽しい映画です。サイモン・ペッグはトム・クルーズと「ミッションインポッシブル」の映画でベンジーを演じ、イーサン・ハントをサポートしている役でも有名です。時には方向を間違えるといったコミカルな演技はサイモン・ペッグならではの癒し。そしてこのショーンの役もなかなかです。

周りの人々がゾンビになっていくのは、1978年の映画「ゾンビ」と同じ。ただ「ショーン・オブ・ザ・デッド」はそれをパロディに仕立てました。勤務先の店へ向かうバスの中でもみんなゾンビ顔で、これからの面白さを演出しています。勤務先でショーンは部下にいいように使われ、情けないのですが、彼女と母親を助けるために死力を尽くし闘い続けます。ゾンビに噛まれるとゾンビになる。これは吸血鬼と同じで、追われる怖さが何とも言えず、見入ってしまいます。またテレビのニュースでは2019年のパンデミックと同じように、外に出ないで、家にいてくださいとアナウンス。ショーンがゾンビと闘う時にクイーンの「Don't Stop Me Now」の歌が流れ、リズミカルなアクションを盛り上げます。ショーンことサイモン・ペッグのコミカルな英語の音も聴き取りやすく、字幕なしでも楽しめる映画です。

2004年4月にイギリスで公開されたものの、日本では観ることはできなかった「ショーン・オブ・ザ・デッド」。しかし15年後の2019年3月日本でも異例な公開となって、ちょっとだけ話題になった作品です。イギリスの生活も垣間見え、イギリス好きにはたまりません。

About Time 「アバウト・タイム~愛おしい時間について~」 2013

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何気ない時間が実はとても大切だったことを気づかせてくれる映画、About Time。時を戻してもその時間は永遠には続きません。

何かうまくいなかった時、タンスやロッカーに入ればタイムトラベルできる力を持つ主人公ティム。その力を好きな女性のために使おうとティムは頑張りますが、脈がない女性に使ってもただの無駄。将来の妻メアリーと出会うと、彼女がボーイフレンドと出会う時間に戻り、自分のガールフレンドにすることができます。そして結婚、娘が誕生します。次は事故を起こした妹のためにまた時間を戻し、幸せな妹の姿にしますが、それが原因で生まれた娘は息子に代わってしまいます。

事実を変えていくことは、運命の歯車も変えてしまうこと。人がどう人と関わっていくかを知らせるお話は、最初にご紹介した「素晴らしき哉、人生!」でも出てきます。1人の人間は多くの人と関わって、その世界を創り出しているのですから、人は皆必要とされてこの世界にいるのです。 また未公開のシーンもインターネットで観ることができました。出産が迫ったメアリーを車に乗せたものの、ティムの運転は方向が違うし、アビーロードの渋滞では観光客の写真撮影をコントロールするつもりがいっしょになって撮影に入ってしまい、メアリーを怒らせます。するとティム、アビーロードスタジオに入って… そう、やり直しです。

余談ですが、タイムトリップもタイムスリップも和製英語。この映画ではタイムトラベルと言っています。タイムトラベルができない私たちは、何気ない日常の時間はけしてやり直せることはできません。映画「アバウト・タイム」はその時間の大切さを教えてくれています。またまた余談ですが、「ラブ・アクチュアリー」と「ショーン・オブ・ザ・デッド」のキャストにもなっているビル・ナイが、この「アバウト・タイム」の父親役で深みのある演技を見せてくれています。

※写真は主人公ティムの実家があるコーンウォールの海。映画でもその美しい海を見せてくれています。

A street Cat named Bob 「ボブという名の猫 幸せのハイタッチ」 2016

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薬に溺れていた青年の元にやって来た茶トラの野良猫。ボブという名の猫になってジェームスと暮らすようになります。ある日路上ライブに出かけようとするとボブが後を付いてきて、とうとうバスに乗り込んでしまいます。2階建ての2階の最前列でボブは今まで知らなかったロンドンの街を見つめます。ボブは普通の猫ではけして体験しない世界に入り込んでいきます。

ボブが来てからジェームスはストリートミュージシャンとして目を引き、お金も入るようになります。しかしある日トラブルがあり、路上ライブを禁止されてしまいます。また収入の見込みもなくなり、麻薬ではないけれど麻薬を避けるための鎮痛剤もまだ飲み続けています。いっしょにいてくれるボブのために新しい仕事を見つけますが、またトラブルでその仕事も失います。ボブがいることで人が集まり、それをやっかむ人々に足を引っ張られてしまうのです。

この映画のお話は実話。暗たんとした生活を送っていたジェームスもボブも実在しています。肩にボブを乗せたジェームスの姿は周りの人々も幸せにしました。一匹の猫との出会い。暗闇だった人生に光が指し始めます。ジェームスと肩乗り猫の姿は話題になり、ソーシャルメディアで発信され、彼らを新しい世界へと導きます。彼らの話は本になり出版され、やがて映画化もされます。2016年の「ボブという名の猫 幸せのハイタッチ」ではボブ自身がほとんど自分を演じているのですから、驚きです。

ボブのとの出会いを見つけたジェームスは幸運でした。肩に乗るボブの姿は世界中の人々も幸せにしました。けれど悲しいことに2020年6月にボブは事故で亡くなったそうです。多くの猫たちが車に轢かれてその命を落としていますが、ボブもその中に入ってしまいました。年老いて勘も鈍っていたのでしょうか。ジェームスを救い、人々を幸せにしたボブはその役目を終えて天国に迎えられたような気がしてなりません。ジェームスとボブの出会いは必然。猫たちは使命を持って現れているようです。どこで生まれたのか、どう生きてきたのか知らないけれど、出会い、共に過ごして。けれど最期の時にいっしょにいられなかった悲しさは募ります。突然現れて突然消え去っていったボブに、涙が止まりません。また誰かを幸せにするために、どうぞこの世界に降りて来てくれますように… 

※写真はボブとジェームスが路上ライブをしていたロンドン・トランスポート・ミュージアム