Come and visit TATE BRITAIN-Edward Coley Burne-Jones (1833-1898)

2023.09.30

英国史雑学

英国の画家と作品をどのくらい知っていますか?
最初に絵画を見た時の無垢な感動。それを大切にして美術館に足を運んでみましょう。
ここではロンドンにあるテート・ブリテンが収蔵する作品をご紹介します。詳細はhttps://www.tate.org.ukをご覧ください。

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エドワード・コリー・バーン‐ジョーンズの描く女性たちはみんな、石膏像でできた彫像のように端正な美しい顔立ちをしています。ともすると女性たちは感情のない、人形のような顔つき。そしてバーン‐ジョーンズの画は、いつも静謐の空間に女性たちがいるものが多い印象です。写真のバーン‐ジョーンズの風貌からは、穏やかでもの静かな性格が想像されます。感情の起伏の少ない彼の性格が、その独特な耽美的な世界を生み出していったのだと思われます。

ここでは、娘たちの小さなざわめきが聴こえてきそうな1枚をご紹介しましょう。「 The Golden Stairs」はさまざまな楽器を手にした女性たちが、螺旋の石の階段を次々と降りてくる様子を描いています。

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彼女らはミューズを想わせるようなギリシャ風のドレープのあるドレスを着ています。彼女たちはほんとうにミューズたちなのかもしれません。現実ではない世界を多く残したバーン‐ジョーンズですが、そこに彼の目指す「理想」の世界があり、想像の力が働いたのでしょうか。

しかしながら一見、真面目で浮気心のなさそうなバーン‐ジョーンズの風貌ですが、この画の階段の一番下、先頭にいる女性は実は彼の想い人。実はその前にも、人妻との道ならぬ恋と修羅場を経験していたから驚きです。人間であるがゆえに、下界の喧騒や醜聞から離れて、理想の世界を生み出したバーン‐ジョーンズ。この油彩画はロンドンのテート・ブリテンにあります。


The Golden Stairs
Edward Coley Burne-Jones (1833-1898)