Come and visit TATE BRITAIN ロンドンのテートブリテンへ行ってみませんか

2020.08.29

英国史雑学

英国の画家と作品をどのくらい知っていますか?
最初に絵画を見た時の無垢な感動。それを大切にして美術館に足を運んでみましょう。
ここではロンドンにあるテート・ブリテンが収蔵する作品をご紹介します。

  • Come and visit TATE BRITAIN-Henry Fuseli (1741-1825)

Lady Macbeth Seizing the Daggers

今回は英国で活躍した画家ヘンリー・フュスリをご紹介しましょう。フュスリはスイスのチューリヒ出身でした。

▶スイスからイタリア、イギリスへ渡った画家

1779年にロンドンにやって来たフュスリ。イタリアで絵画の勉強を積んだ後の渡英でした。ロイヤル・アカデミー(王立美術院)の正会員、教授、そして主幹と出世の道を進み、画家としての成功もその手に収めます。同年代に活躍していたウィリアム・ブレイクとも親交があり、ブレイクの影響を受けたとも言われています。ブレイクもフュスリも独特な世界を表現しています。

  • Come and visit TATE BRITAIN-Henry Fuseli (1741-1825)

▶暗闇のスピード感、マクベス夫人の凄み

今回はシェイクスピアの戯曲を素材にた「 Lady Macbeth Seizing the Daggers」をご紹介しましょう。この画はほぼモノトーンの世界。主君のスコットランド王を殺害し、その血のついた短剣を両手に持ち、暗がりに潜むマクベスのもとに、カーテンを開けてマクベス夫人が入ってくる一瞬を描いています。

闇の画面に鮮明な血の色、カーテンの向こうから、マクベス夫人の強い決意のような光。驚くマクベスに、夫人は静かにと言い放つように唇に指を当て、「短剣を私に」と伝えます。3人の魔女の予言どおりに、次の王をマクベスにするために躍起になる夫人の手練手管。そのスピード感が秀逸な1枚です。

フュスリは他にもマクベスの主要場面の作品を残していますので、機会があればご覧ください。この油彩画はロンドンのテート・ブリテンにあります。

Lady Macbeth Seizing the Daggers
Henry Fuseli (1741-1825)