River Thames~From the United Kingdom

2022.12.28

英国コラム

実はものすごく蛇行している河、それがテムズ。水源地の上流から、ロンドンの中心に向かうに連れて、その蛇行ぶりはなかなかのものです。

  • River Thames~From the United Kingdom

河は見ているだけではわからないものですが、地下鉄で20分ほどだったキューガーデンから、テムズクルーズをして、ロンドンのウエストミンスターに戻るのに、何と2時間以上かかったことがありました。フェリーボートが沿岸を走る自転車より遅い時もありましたが、それでも4倍以上の時間を要したわけは、やはり蛇行した河の流れだと思われます。

テムズ河はコッツウォルズの丘を水源とし、ロンドンを経て海まで続きます。その全長は346キロ。群馬県のみなかみ町の山を水源とする利根川が322キロですから、それより少し長くなるわけですが、水源から海まで直線距離でおよそ170キロのテムズ河と、水源から海まで直線距離でおよそ235キロの利根川と比較すると、その蛇行具合がはかれます。

コッツウォルズから流れる水は、ハンプトンコートパレスのあたりで北に向かい蛇行を重ね、キューガーデンで南に蛇行、そしてハマースミスに向かうまで大きく蛇行していました。ハマースミスでまた南に、バタシーで北へと進み、ウエストミンスターではさらに北へ向かっています。ロンドン塔を過ぎると、カナリーワーフで南に、グリニッジで北へ舵をとり、蛇行はロンドン市内より緩やかにはなっていきますが、海までカーブを描きながらテムズ河は続いていきます。キューガーデンからウエストミンスターは蛇行の連続だったので、これで時間を要したことの合点がいきました。