Edward Ⅷ~From the United Kingdom

2022.03.30

英国史雑学

先のプリンス・オブ・ウェールズで、イギリス国王エドワード8世。その在位期間は 325日で1年にもならないものでした。それでもその名が知られているのは、アメリカ人のシンプソン夫人との恋でしょう。「王冠をかけた恋」、当時の新聞はこう書きたてました。

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2度 の離婚歴を持ち、シンプソン夫人だったウォリスは、エドワード8世と相性がよかったのでしょう。時が戻っても再びウォリスと結婚したと、晩年に語ったエドワード8世。母君のメアリー皇太后と、国王となったジョージ6世の妻君、エリザベス皇后(エリザベス女王の母君)との関係を悪化させながらも、エドワード8世は王位を捨て、その後イギリスに住むことはありませんでした。結婚した当初はオーストリアに住み、その後はフランスに渡りました。エドワード8世の国王の肩書きを利用する者ももちろんいました。最近になって、かのヒットラーは戦争に勝った後には、エドワード8世を国王にする野望があったことがわかりました。ドイツと親密になったエドワード8世でしたが、ナチズムの支持はなかったようです。

皇太子時代の1922年、エドワード8世は来日されます。当時皇太子だった昭和天皇の訪欧の返礼としての日本訪問。新宿御苑で桜を観る会の写真が残っています。立ち歩くエドワード8世を、若き昭和天皇が満面の笑顔で振り返って見つめています。このご縁は1971年まで続きます。昭和天皇と皇后ご夫妻が訪欧した際に、ウィンザー公となったエドワード8世のお宅を訪問し、再会されています。4人並んだ記念写真。昭和天皇ご夫妻は初めて夫人のウォリスに会ったわけですが、満面の笑顔の皇后のお顔が印象的な1枚の写真が残されています。長い年月と、戦争でのご経験の後に再会されたエドワード8世と昭和天皇。立場は変わってしまってもそのご親交は続いていたようです。