Plants in the UK 「つつじ」は英語で何でしょう? 77の植物の英語表現をご紹介

2021.05.01

お役立ち情報

意外と知らない花や木の英語での表現。今回はイギリスでよく見かける、花や木の英語名を中心にご紹介します。知らなかった花の名の、英語名と和名も含めていろいろと覚えていきましょう。
集合住宅暮らしで、なかなか植物に疎くなりがちな毎日を送っていますが、公園で花を見つけて楽しむと心にゆとりが生まれます。最近は写真をスマホで撮影して植物の名を調べてくれるアプリもあります。これで花を撮影しながらの散策も楽しいもの。季節を教えてくれる日本の花木に触れながら、さて英語では何て言うのだろうと意識してみてください。そしていつかイギリスで、実際の植物に触れる機会を見つけるためにお出かけください。
イギリスは植物の宝庫。それは世界中からプラントを収集し、ある公園に集めてしまったからです。それがキューガーデン。ロイヤル・ボタニック・ガーデン、キューをまずはご紹介しましょう。

王立植物園キューガーデン

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※写真は2月のキューガーデンのパームハウス

 

ロンドンの郊外に広大な土地を有するキューガーデン。2003年に世界遺産に認定されてから、世界中から大勢の観光客が訪れる人気の植物園です。
王室の領地となり、現存するキューバレスが建造されたのが1631年。赤い煉瓦の4階建ての小さなパレスで、王室の人々も19世紀にはほとんど離宮としても使わなくなったようです。最初はこの敷地に熱帯の植物を集め、1840年に植物園しての機能を持たせるようになりました。2つの巨大な温室、パームハウスとテンパリットハウスに熱帯の植物たちが集められ、屋外には野花をはじめ、さまざまな花や木を楽しめる場所として整備が続けられます。 実は春から夏にかけての花々が一番美しい時期に、キューガーデンを訪れたことがないのですが、冬でも青々とした芝の上を歩き、木々たちの中を散策するだけでもとても心が豊かになれました。リスたちが駆け巡り餌を求め、時折アヒルや七面鳥などの鳥たちにも餌をねだられました。ローズガーデン、ロックガーデン、クィーンズガーデンやウッドランドガーデンに美しい花々が咲く季節は、見事な花たちの競演を見ることができるでしょう。
8月の中旬以降ではもう夏枯れの様子でしたので、4月から6月頃が訪問するにはおすすめの季節だと思います。特に薔薇が開花する5月はベストシーズンと思われます。

春の訪れを告げ、春の盛りに咲く花たち

イギリスの春を告げる代表的な花は黄水仙、ダッフォディル。詩人のワーズワースも散策中に見た黄水仙の美しさを詩にしています。水仙はいろいろ種類があるようですが、イギリスではダッフォディルと呼ぶことが多いようです。
そして日本では春を告げてくれるのは梅。白と紅の花が、日本の春を知らせてくれています。では最初に梅の英語表現と、春に咲く花たちの英語表現をご紹介しましょう。植物の名の漢字は難しいので、ひらがなも併記しています。

※写真はえにしだ、さんざし、わすれなぐさ

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Japanese Apricot

梅。原産は中国、実は食用として梅干しや梅酒などに使われます。生の梅の実に毒がありますので、けして直に手で触れないようにしましょう。

Stock

これは日本語でもストックですね。日本では1月から開花し、春を一番に装ってくれます。イギリスでは開花はもう少し遅く5月くらいに花を楽しめるようです。

Tufted Pansy

和名は三色菫(さんしょくすみれ)、最近はビオラとも呼ばれています。野生の菫を改良し、庭の花として楽しめるようにした菫の種類です。イギリスでは6~7月にも開花するそうです。

Windflower

日本語ではアネモネと呼ばれ、2~3月に開花する赤い花が有名です。和名は牡丹一華(ぼたんいちげ)。ギリシャ神話のアドニスの血から生まれた花と言われていますが、語源は「風」からきているようです。

Cyclamineus Daffodil

和名はキクラミネウス水仙。黄水仙のダッフォディルはこちらから来ているのでしょうか。一茎に一花咲かせる可憐な春告げ花です。

Trumpet Narcissus

和名はトランペット水仙ことラッパ水仙で、こちらはナルキッソスと呼ばれています。ギリシャ神話の美少年がこの花になったと言い伝えられ、ナルシストの語源にもなっています。

Jonquilla Narcissus

こちらも黄水仙の仲間です。ユリ科スイセン属でキクラミネウス水仙、ラッパ水仙と同じ種類です。水仙の大きさと花のカタチが違うようです。

Japanese Quince

日本語では木瓜(ぼけ)。3月頃に緋色や桃色、白色の花を咲かせます。木瓜はバラ科ボケ属で、英語名を訳すと「日本のマルメロ」。マルメロは美味しいジャムになりますが、日本の木瓜とは種類が違うようです。

Persian Speedwell

和名は大犬のふぐり(おおいぬのふぐり)。春の野花として日本でもよく見かける小さな青い花です。ヨーロッパ原産なので日本にも伝わってきたのでしょう。

Tokyo Cherry

日本の桜と言えば、このソメイヨシノが今は代表格です。日本で改良された桜で、山桜と比べると味気のない桜とも言われますが、青空とのコントラストは最高に美しい桜です。

Japanese Cherry

和名は里桜。日本で改良され一重と八重の花を咲かせます。桜は何とバラ科で、里桜はバラ科サクラ属になります。

Scotch Broom

和名は金雀枝(えにしだ)。黄色い小花が美しい春の花です。英語名は「スコットランドの箒」という意味です。魔女の箒は金雀枝から作られているそうです、ハリー・ポッターの箒もそうなんでしょうか。

Weeping Willow

日本語では枝垂れ柳(しだれやなぎ)。日本では街路樹でよく見かけます。中国原産のものですが、ウィリアム・モリスはこの葉を使って美しい壁紙のパターンを考案しています。

Common Spiderwort

春から夏にかけての野の花で、日本では紫露草(むらさきつゆくさ)と呼ばれています。白い服に花が付くと青い色がついてしまうので、やたらに触らないようにと母に注意された覚えがあります。

English Daisy

和名は雛菊(ひなぎく)。可憐な花びらが風にそよぐと、春らしい光景になってきます。日本では単にデージーと呼びこともあり、花束などにもよく使われます。

Transvaal Daisy

この花はよく花束に使われるガーベラのこと。キク科ガーベラ属で、英名の意味は、南アフリカのトランスバールの地に由来しています。

Dandelion

和名では西洋蒲公英(西洋たんぽぽ)で、これはキク科タンポポ属の春の花。イギリスではたんぽぽは希望の象徴で、2012年のロンドンオリンピックの聖火台にはたんぽぽをモチーフに使いました。

Azalea

艶やかなピンクの花が咲き出すと、そろそろ春も盛り。そうこの花の和名は躑躅(つつじ)です。この英語名を知りたくて、やっと覚えました。つつじは世界中で花を咲かせています。

Rhododendron

和名は西洋石楠花(西洋しゃくなげ)。躑躅とよく似ているのは同じツツジ科ツツジ属だからです。さまざまな種類があり、寒冷地のヒマラヤからたくさんの種が生まれているようです。

Shepherd's Purse

和名は薺(なずな)、通称ぺんぺん草です。日本では春の七草としてお粥に入れたりしています。白い小花の英語名の意味は「羊飼いの財布」で、実のカタチに由来していると言われています。

Bracken

和名は蕨(わらび)。日本では春の山菜として食されています。北半球に分布し、4月から5月に新芽を出します。

Thunberg's Meadowsweet

白い小花が迫ってくるように咲き誇る花、和名は雪柳(ゆきやなぎ)。原産は日本のようです。学術名はspiraea thunbergii、螺旋の意味を持ち、英語名は植物学者の名と牧草地のmeadowが使われています。

Horse Chestnut

和名は西洋栃の木(西洋とちのき)ですが、フランス語のマロニエの方がわかりやすいかもしれません。春に白に赤い斑点のあるたくさんの小花を縦に咲かせていきます。

Lily of the Valley

フランスの作家バルザックの小説のタイトルを、「谷間の百合」と訳してしまったことでも有名になりました。和名はドイツ鈴蘭(すずらん)。釣鐘のような白い小花が可憐です。

Lilac

和名は紫丁香花(むらさきはしどい)。フランス語のリラも聞いたことがあるかもしれません。薄紫や白の小花をたくさんつけて目を楽しませ、香りは鼻を楽しませてくれます。

Japanese Horse-Radish

和名は山葵(わさび)。日本の固有種で和食には欠かせない食材です。4月から5月に白い可憐な花を咲かせます。沢山葵は水が清いところでしか育たないので、栽培は限られた場所で行われています。

Wild Strawberry

イギリスのウエッジウッドの苺柄が目に浮かびます。和名は蝦夷の蛇苺(えぞのへびいちご)。普通の苺よりは小粒ですが、4月から秋まで白い小花を咲かせ続けます。

Hawthorn

ヨーロッパでは庭木や生垣に使われる植物で、和名は西洋山査子(西洋さんざし)。Mayflowerとも呼ばれ、5月頃に白い花を咲かせその実はジャムなど食用になります。

Water Forget-Me-Not

和名は勿忘草(わすれな草)。紫の小花が野に咲きますが、日本では寒い北海道などでしか自生していないようです。

Peony

和名は芍薬(しゃくやく)。5月頃に大輪の花を咲かせるボタン科ボタン属の多年草です。「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」と美人を形容する花のひとつ数えられています。

Hassaku Orange

日本原産の八朔(はっさく)。5月に開花し、オレンジなのに白い花を咲かせます。文旦の種類で12月にその実を熟します。イギリスでは蜜柑をsatsumaとも呼び、こちらも日本語の「薩摩」からその名になりました。

Showy Prairie Gentian

和名はトルコ桔梗、この花は花束などによく使われています。さまざまな色合いの花に改良されています。英語の意味は「派手な草原の紳士」。日本で呼ばれているトルコの名とは関係はなさそうです。

初夏から秋、冬を彩る花たち

次は初夏から咲く花たちをご紹介します。まずは案外英語名を知らない花、紫陽花・あじさいは英語で何でしょうか。

※写真は立葵1輪と縦に伸びるアカンサスモリスの群生、いちいの赤い実、きつねのてぶくろ

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Hydrangea

紫陽花の英語名はギリシャ語の水から来ています。「水の器」という意味で、奈良時代にはもう日本に生息していたようです。花びらに見えるのは「がく」で、その奥に花が隠されています。

Mallow

和名は銭葵(ぜにあおい)。アオイ科ゼニアオイ属の多年草で赤紫の美しい花を咲かせます。胃腸に効く薬用としても使われています。

Mountain Bluet

和名は山矢車菊(やまやぐるまぎく)。5月から6月頃、野に青紫の美しい花を見せてくれます。矢車に花のカタチが似ていることから、矢車菊と呼ばれるようになりました。

Columbine

和名は西洋苧環(西洋おだまき)。北ヨーロッパからシベリアに分布し、日本でも山野草として紫の小花を楽しめます。

Gooseberry

和名は西洋酸塊(西洋すぐり)、英語名でわかるように甘い果実はジャムなどに使われます。5月頃に白い花を咲かせます。

Hollyhock

最近よく見かける花と思っていたら、日本には室町時代に伝わっていたそうです。和名を立葵(タチアオイ)。空に向かって花を咲かせていきます。ウィリアム・モリスの住居だったレッドハウスの庭も彩っていました。

Yew

和名はヨーロッパ一位(ヨーロッパいちい)。ヨーロッパに自生していて、イギリスではその木材を弓矢にも使っていたそうです。5月頃までに薄紅の小花を咲かせ、秋に赤い実をつけます。

Iris

和名は菖蒲(しょうぶ)。アヤメ科アヤメ属の5月から7月に花を咲かせます。その艶やかなアイリスの姿を、ゴッホもモリスも美しい作品に残しています。

Caraway

5月から6月頃開花するキャラウェイ、和名を姫茴香(ひめういきょう)と言います。その種子のキャラウェイシードは、サラダやシチュー、マリネなどの料理に使われます。

Shell Ginger

日本では月桃と言い、沖縄ではその大きな葉を使い、葉で巻いた餅の料理があります。ショウガ科ハナミョウガ属の常緑多年草は、たわわに白い花をつけ、目も楽しませてくれます。

Fig

和名は無花果(いちじく)。別名に南蛮柿があり、その実は美味しくいただけます。古代のメソポタミアでも栽培されていたそうで、その甘みが人々を魅きつけたようです。

Ramanas Rose

和名を浜茄子(はまなす)。夏に艶やかなピンクの花を咲かせます。日本では北海道などの涼しい浜辺を好んで自生していましたが、今では観賞用に改良し栽培されています。

Lupine

和名が昇り藤(のぼりふじ)、学名のルピナスの方が通りがよいかもしれません。縦に紫の小花を咲かせるルピナスはさまざまな色があり、観賞用として愛でられています。

English Lavender

地中海原産のラベンダーは今やガーデニングには欠かせない植物です。シソ科ラバンデュラ属の常緑小低木で、その香りから荒涼薬用として使われています。

Bear's Breeches

和名を葉薊(葉アザミ)と言いますが、アカンサスモリスとも呼ばれています。英語名の意味は「くまのそよ風」とかわいらしい名がついています。昔から装飾のモチーフとしてもよく用いられる植物です。

Stinging Nettle

和名は西洋刺草(西洋いらくさ)。童話「白鳥の王子」で、11人の兄の王子たちにかけられた呪いを解くために、妹のエリザ姫が刺草の11枚のシャツを編んだお話が有名です。その名の通りトゲトゲの植物です。

Mountain Ash

秋になると真っ赤に紅葉する、欧州七竈(欧州ななかまど)が和名です。白い幻想的な小花を6月から夏にかけて開花させます。

Foxglove

和名は狐の手袋(きつねのてぶくろ)、ジキタリスと呼ばれています。ゴマノハグサ科キツネノテブクロ属の名の通り、袋のような花を6月頃からつけ始めます。別名fairy caps、こちらは妖精の帽子ですね。

Ribwort Plantain

和名は篦大葉子(へらおおばこ)と言い、野に咲いている花です。オオバコ科オオバコ属の1年草で、ガマの穂みたい白い小花を咲かせ、その葉がヘラのようでその名の由来になったようです。

Cock's Foot

和名は鴨茅(かもがや)。牧草として栽培されましたが、最近はアレルギーの原因にもなってしまう厄介な植物となってしまいました。

Cowberry

和名は苔桃(こけもも)。ツツジ科スノキ属の常緑小低木で6月から8月に花を咲かせます。赤い実は食用にもなりますが、自生しているものだけ。栽培はしていないようです。

Cotton Sedge

和名は綿菅(わたすげ)。カヤツリグサ科ワタスゲ属の多年草で6月頃から白い綿のような花を咲かせます。

Montbretia

和名を姫檜扇水仙(ひめひおうぎずいせん)。夏にオレンジの花をつけます。とても繁殖力の強い植物です。

Burdock

これを日本では野菜で食します。和名は牛蒡(ごぼう)。海外では牛蒡を食べることはないようです。7月頃からトゲトゲした赤紫の花を咲かせます。

Frost Aster

和名を孔雀草(くじゃくそう)。北米産のキク科シオン属の花です。7月頃からたくさんのはなびらの花を咲かせ、楽しませてくれます。

Flower of an Hour

和名は銀銭花(ぎんせんか)。秋先まで咲く大輪の花はハイビスカスにて似ています。地中海原産のアオイ科フヨウ属の1年草です。

Toad Lily

和名は杜鵑(ほととぎす)。この花は日本原産でユリ科ホトトギス属の多年草で、可憐な花を咲かせます。また同じ鳥の名があり、日本では俳句などでよく詠われています。

Eucalyptus Tree

この木にはある動物がいつもいます。和名は有加利(ユーカリ)。コアラがいつもここで寛いで、そのユーカリの葉を食しています。

Himalayan Balsam

和名は鬼釣船草(おにつりふねそう)。紫の可憐な花ですが、外来種として繁殖力が強く、除草に苦労しているようです。

Purple Morning Glory

日本の夏の朝の花と言えばこれ、丸葉朝顔(まるはあさがお)。この紫のものは日本には江戸時代に伝わったそうで、メキシコ原産だそうです。

Sunflower

和名を向日葵(ひまわり)、北米原産のキク科ヒマワリ属の花。日輪草とも呼ばれ、太陽に向かって大輪の花を咲かせる夏の花の代表です。

Ragweed

和名を豚草(ぶたくさ)。かつてはきりん草、セイタカアワダチ草などとも呼ばれましたが、アレルギーを誘発するために、夏から黄色の花が咲くと、要注意の植物になってしまいました。

Red Spider Lily

この花が咲き始めると、日本の夏の暑さは収まってきます。昔は秋の彼岸に咲くことから、彼岸花と呼ばれました。別名に、葬式花や蛇花、幽霊花と、この花の幽玄さを表しているものもあるようです。

Japanese Silver Leaf

和名を石蕗(つわぶき)と言い、1年中見かける緑の大きな葉を持つ植物です。晩秋から初冬にかけて黄色い小さな花を咲かせ、この季節を彩ってくれます。

Heavenly Bamboo

日本では縁起の良い植物として好まれているのが、南天(なんてん)。赤い実がなると、そろそろ年の瀬を感じます。

Holly

これは西洋柊(西洋ひいらぎ)。欧米では聖なる木として、赤い実とトゲトゲの葉がクリスマスを彩ります。日本の柊とはまた違うようで、日本の柊は2月の節分に、イワシの頭とともに魔除けとして飾られます。

English Ivy

ガーデニングのアイテムのひとつがこのヘデラ、和名は西洋木蔦(西洋きづた)。手入れがしやすく、ガーデニングのグリーンとして人気です。

Common Hazel

和名を西洋榛(はしばみ)。イギリスをはじめヨーロッパ原産のカバノキ科ハシバミ属の落葉低木です。

Japanese Maple

和名はいろは紅葉(いろはもみじ)。日本のカエデも世界中に、あの赤い葉で秋を彩っているようです。

Geranium

この花も庭や鉢植えで人気の花、和名を天竺葵(てんじくあおい)、英語名をゼラニウム。赤い花をはじめ、ピンク、白とあり、育てやすいのも人気の植物です。

Bird of Paradise

一度見たら忘れないこの花の和名は、極楽鳥花(ごくらくちょうか)。ストレチアの方が耳にしたことがあるかもしれません。南アフリカの色がそのまま花になったように美しい色合いです。

Cyclamen

和名は篝火花(かがりびばな)。シクラメンと言った方がわかりやすいですね。サクラソウ科シクラメン属の多年草で、日本ではクリスマスからお正月の花としても人気です。

Snowdrop

和名を待雪草(ゆきまちぐさ)。ユリ科ガランツス属の多年草で、白いベルの花が雪を待ち、春先まで続きます。

Camellia

和名は椿(つばき)。晩秋から冬の間を彩ってくれる赤い花です。子どもの頃に花びらを取ってこすっていくと、石鹸のように泡が立ったことがありましたっけ。

Oxalis

この花は学名と日本でも同じくオキザリスと呼ばれています。カタバミ科カタバミ属の小花は、育てやすくガーデニングのアイテムとして人気が出てきています。

四季がないイギリスと、バックガーデンのお話

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※写真はテムズ河沿いのモリスのかつての住まいの玄関と、地下から続くバックガーデン。

イギリスは1日のうちに四季があると言われ、実は日本のように季節毎がはっきりと分かれているわけではありません。
春夏秋冬を慈しむ日本とはまた違う風土。昔は緯度が高いこともあり、夏でも一日毎に秋のような涼しさを感じることもありました。真夏でも蒸し暑さはなく、過ごしやすい夏でしたが、昨今の地球温暖化により、6月でも突然蒸し暑くなる日もあります。元々冷房を完備していないショップなどもあり、そんな日は店内に1日中いるスタッフが気の毒に思ったこともあります。
雨が降る印象も強いのですが、傘が要らないくらいの雨もあり、降水量は東京より少ないとようです。
太陽の日照時間は、夏と冬で極端に変ってしまいます。夏は長く、冬は短くなるのもイギリスの日照時間の特徴です。夏至を迎える6月頃には、夜の10時頃まで明るく、また12月は午後の3時にはうす暗くなってしまいます。暗い冬の楽しみはクリスマス。年を越せばまた1日1日と明るくなり、やがて黄色や白のダッフォディルが咲き始めると、春の訪れを迎えます。

そしてイギリスの住宅のガーデンは、表からなかなか見ることができない裏庭が、実はメインのお庭です。バッグガーデンやバックヤードと呼ばれて、住人たちはこのガーデニングに力を注ぎます。
キッチンからバックガーデンが美しく見えるように造り、確かに家事も楽しくなります。食事の支度をしながら、バックガーデンで遊ぶ子どもを見守ることもでます。バックガーデンで花木を育て、庭で寛ぐ小屋を建て、生活を楽しむためのガーデニングをしています。
ウィリアム・モリスの最後の家となった、テムズ河添いのロンドンの家、ケルムスコット・ハウス。玄関は濃紺の美しいドアと草花に囲まれ、これでも十分な前庭だと思ったのですが、バックガーデンは、想像できないくらい広いとのこと。
今はそのケルムスコット・ハウスに今住む人たちがいるため、一部しかモリスのいた場所は見学できず、バックガーデンに入ることはできません。地下からの階段の先に、どんな広いバックガーデンが広がっているのでしょう。日本では考えられないバックガーデン。うらやましい限りです。

ウィリアム・モリスの壁紙

意匠家・工芸家ウィリアム・モリスはたくさんの壁紙の模様を残しています。1872年に花や木の画をパターン化し、シンプルなパターンから次第に複雑に平面に表現するようになっていきます。年代順に代表的なデザインをご紹介していきましょう。

※写真はモリスの家で見つけた「トレリス」・「ひなぎく」と、コースターは左から「兄弟うさぎ」・「いちご泥棒」・「柳の枝」

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1864年「トレリス・Trellis」

モリスが新婚時代に住んだレッドハウスに格子の垣があり。それをモチーフにした初期の作品です。だからタイトルもtrellis・格子垣。花と葉と茎、鳥が格子に遊んでいます。

1864年「ひなぎく・Daisy」

まだこの頃のものは、単純にひなぎくが並んでいるものです。モリスの妻のジェーンの刺繍もかつての住居、レッドハウスに残っています。

1876年「るりはこべ・Pimpernel」

大輪の白いけしの花が踊るようにパターン化され、黄色い小花のるりはこべが緑の葉に散らばり、とても美しく仕上がっています。

1881年「兄弟うさぎ・Brother Rabbit」

単色のシンプルな青の色の中にうさぎが向かい合っています。特別なインディゴ染の製法で作られました。じっと丸い目で森に潜んでいるうさぎの姿が愛らしい作品です。

1883年「いちご泥棒Strawberry Thief」

人気のデザインのひとつで、藍色と、赤や黄色をいっしょに取り入れた最初の作品です。苺をついばむ鳥のつぐみが愛らしく映ります。

1887年「柳の枝・Willow Bough」

この流麗な柳の枝に見とれてしまいます。毎日見ても飽きないデザインは壁紙、カーテン、ブラインドなどで家々を装っています。

1887年「アイリス・Iris」

緑の葉は流れるように表現され、艶やかなアイリスが踊っているようです。アイリスはギリシャ神話の虹の女神、気持ちを明るくさせてくれる模様です。

モリスのデザインは他にもたくさんあります。商品化されているものを持つのもおすすめします。好いデザインのものは飽きることがありません。また心を豊かにしてくれる力も持っています。

この機会に日本語で花の名を言えるように、英語でも花の名をぜひ覚えてください。花や木の呼び名は日本語でいろいろあり、英語表現もひとつではない場合があります。
ここでご紹介したのは一例ということで、ご興味のある方はもっと英語で植物の名を探してみてください。街にも、家の近くにもさまざまな植物たちが、季節毎に姿を現してくれています。気づかなかったことに気づける、そんな植物を探す楽しさを始めてみましょう。