Ye Olde Cheshire Cheese~From the United Kingdom

2019年10月15日
  • 英国コラム

エントランスから独特の雰囲気が漂ってきます。
ロンドンにあるパブ、Ye Olde Cheshire Cheeseをご紹介しましょう。

  • Ye Olde Cheshire Cheese 開店以来の国王と女王の名が掲げられているエントランス Ye Olde Cheshire Cheese 開店以来の国王と女王の名が掲げられているエントランス



ここはロンドンの大通りを入った場所にある不思議な空間。古風な手持ちのランプのような看板に店名が記され、その小径に誘います。喧騒から隔絶されたような小径にも、丸い店の看板がかかっています。その扉を開けると、異空間のような古色蒼然としたパブ。16世紀からあるそうで、1666年のロンドンの大火で消失し、再建されてからは、今の建物のままどころか、椅子もテーブルも何ひとつ変わっていないそうです。
このパブのさらに面白いところは、注文は地下深く降りた先。それも何度も階段を降りる途中に、厚い漆喰の壁にテーブルと椅子があり、洞窟の中みたいな愉しさです。ここは、かつてロンドンに暮らした著名人たちも通ったパブで、英語辞書の初の編纂者サミュエル・ジョンソンの椅子が、無造作にキャビネットの上に乗っています。
時間が止まった場所で、今の生きている私たちが集まり、語らい、呑む。人の営みは何百年経っても変わらないようです。久しぶりに会ったのか、心からの笑顔で呑み交わすテーブル、一人でゆっくりと新聞を読みながら、パイントグラスを傾ける会社員らしき男性、誰かを待って、ウィスキーグラスを持つ白髪の紳士。かつてここで、チャールズ・ディケンズ、オスカー・ワイルド、コナン・ドイルも通ったYe Olde Cheshire Cheese。100年も200年も、ここにいたたくさんの人たちも重なって見えてきそうです。

  • Ye Olde Cheshire Cheese 古色蒼然としたパブの中 Ye Olde Cheshire Cheese 古色蒼然としたパブの中



この路地に入り扉を開けた瞬間、もう私たちは異空間に入り込んでしまったようです。そんな摩訶不思議なパブ。でも異空間でも、ここのフィッシュ&チップスは絶品でした。ちなみにYeは古語でTheのことで、発音は同じだそうです。