Tower of London~From the United Kingdom

2019.10.23

英国史雑学

ロンドンでも大人気の観光地、Tower of London

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実はここに行ったことがありません。英国の歴史を知れば知るほど近づけない場所になりました。
夏目漱石の小説としても有名な倫敦塔、Tower of London。でも今回はここに収蔵されている、英国王室の秘宝についてご紹介しましょう。

金色に輝く王杖。これは元々国王の身を守るものでしたが、今では儀式用になりました。
君主の戴冠式にはたくさんの剣が用いられますが、それぞれの意味があります。俗事正義の剣、教法正義の剣、仁慈の剣。これらの剣は即位する君主を、先導する役割を持っているそうです。17世紀から伝わる大宝剣は、両の手で持つ大きな剣。
毎年の国会の開会式でもお目見えします、金の聖エドワードの笏は、戴冠式には祭壇で君主を見守ります。戴冠式では聖油という油を、神の祝福として君主になるものの頭に注ぎます。この時使う、鷲のアンプラ(聖油瓶)と、細工の見事なスプーンはさん然と輝く金製。
この聖油の儀式は宗教上とても大切な儀式なので、エリザベス女王陛下の戴冠式にはテレビでは放映されていません。君主が祭壇に捧げる御剣は、大きなエメラルドで彩られ、こちらも必見です。
戴冠式用の衣裳のひとつ、インペリアル・マントは金糸10キロもの豪華なもの。
戴冠式は新たな君主にその財宝を捧げ、君主の権威を与える意味も持ち合わせ、そのために財宝の数々が登場しているようです。ヴィクトリア女王のために作られた戴冠式指輪は、ルビーとサファイアをイングランドの象徴のクロス、その回りをダイヤモンドで埋め尽くしています。
十字架のついた王笏には、世界有数のダイヤモンドのアフリカの星が輝いています。

かつてBBCで放送されたプログラムからご紹介させていただきました。見るべきたくさんのお宝がありますので、ぜひお出かけください。

※写真は英国王室御用達の宝飾店。ダイアナ元皇太子妃が婚約指輪として贈られたサファイアの指輪もここで作られました。