Drawing Room~From the United Kingdom

2019.11.01

英国史雑学

Drawing Room
この豪華なお部屋をご覧ください。

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さて、ドローイングルームって絵を描く部屋?
実はこれは、身分の高い人たちが暮らす邸内にある客間のことを指します。元々は食事会が終わって退く(英語でdrawing)部屋だったようですが、女性たちがお茶の時間に寛ぐ場所でもあったようです。

英国の国王・女王の客間もドローイングルームと呼ばれ、大きな絵画が縦に並ぶほど天井の高い空間、その天井を彩る彫刻や絵画のある究極のお部屋から、マナー・ハウス(領主の館)の居心地のよいお部屋などいろいろありそうです。
このドローイングルームで賓客をお迎えする椅子もさまざま。オーク(楢)材、ウォールナット(胡桃)材、マホガニー(桃花心木)材と木材から、エリザベス様式、クィーンアン様式、ヴィクトリア様式と王室の名を冠したスタイルや、英国の家具職人のチッペンデール様式など、デザインにも変遷があります。

高い背もたれの耳まですっぽり埋もれるウィングチェアにゆったりと座って、お客さまとおしゃべりを愉しみたいところですが、身分の高い方々にとってドローイングルームは、執務的な役割だったのでしょうね。