‘ch’の3通りの発音~‘School’ はなぜ「スチュール」と読まないの?

2019年07月05日
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‘teach’や‘chair’‘child’など、‘ch’というスペリングは多くの単語で/ʧ/(日本語のチに似ている音)と発音します。
それでは、‘school’はどうでしょうか? 「スチュール」ではなくて「スクール」/sku:l/ですね。
なぜ多くの単語と同じように、‘ch’を/ʧ/と発音しないのでしょうか? 

‘ch’の3通りの発音

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‘ch’には3通りの発音があります。
その3通りとは、/ʧ/、/k/、/ʃ/です。日本語の似ている音で表すと、「チ」「ク」「シ」。単語の例で表すと、‘teach’‘school’‘chef’の下線部分の発音です。
スペリングを読み分けるとき、その前後の文字などによって読み方がわかる場合が多いのですが、‘ch’に関してはそのヒントがありません。
なぜかというと、この3種類の読み方の差は主にその単語のルーツによって分かれているからです。
*極めて例外的に/x/と読むことがあります。ex. loch (湖)

‘ch’ を/ʧ/と読む単語


3種類の発音のうち、最も多くの単語がこのグループに属しています。
ほとんどがゲルマン系で、古英語(OE: Old English)、中英語(ME: Middle English)の頃から英語の単語として使われてきたものです。
単語例と単語の起源を示します。
bench ベンチ (←OE ←Germanicゲルマン語)
chance チャンス (←ME ←Old French古フランス語)
chalk チョーク (←OE ←Latinラテン語)
cheese チーズ (←OE ←Germanic ←Latin)
church 教会 (←OE ←Greekギリシャ語)
lunch 昼食 (←Spanishスペイン語)
peach もも (←ME ←Old French ←Latin)
speech 演説 (←OE ←West Germanic)
teacher 教師 (←OE ←Germanic)
touch 触る (←ME ←Old French)

‘ch’ を/k/と読む単語


これらの単語のほとんどは、ギリシャ語に由来していると言われています。
ache 痛み (←OE ギリシャ語の「痛み」が起源と誤解したために/k/と発音するようになった)
anchor 錨(いかり) (←OE ←Latin ←Greekギリシャ語)
archive 古文書 (←French ←Latin ←Greek)
chaos 無秩序 (←French ←Latin ←Greek)
character 特徴 (←ME ←Old French ←Latin ←Greek)
chorus 合唱団 (←Latin ←Greek)
chronic 慢性の (←ME ←French ←Latin ←Greek)
echo こだま (←ME ←Old French/Latin ←Greek)
epoch 新時代 (←Latin ←Greek)
monarchy 君主政治 (←ME ←Old French ←Latin ←Greek)
school 学校 (←OE ←Latin ←Greek)
stomach 胃 (←ME ←Old French ←Latin ←Greek)

‘ch’ を/ʃ/と読む単語


これらの単語のほとんどは、フランス語に由来していると言われます。
brochure パンフレット (←French)
champagne シャンパン (←French)
chandelier シャンデリア (←French)
charade みせかけ (←French)
chauffeur お抱え運転手 (←French)
chef シェフ (←French)
chic シックな (←French ←Germanドイツ語)
machine 機械 (←French ←Latin ←Greek)
parachute パラシュート (←French)
moustache 口ひげ (←French ←Italian ←Greek)

英語は長い歴史の中で多くの文化、多くの言語の影響を受けてきました。英語のスペリングが複雑である理由もそこにあると言われます。
‘ch’のスペリングを/ʧ/(チ)と読んでも意味がわからなかったら、/k/(ク)や/ʃ/(シ)でも試しに読んでみてください。意外と知っている単語かもしれません。