Builder's Tea~イギリスの紅茶のこだわり

2026.09.20

イギリス食生活

ビルダーズと言ってもボディビルダーのビルダーのことではありません。ビルダーズは建設現場で働く人たちのことで、その現場で淹れて飲む紅茶のこと。イギリスの人たちの紅茶のこだわり、それがビルダーズティにも反映されているようです。

マグカップに濃い紅茶

ビルダーズティ、この紅茶はカップ&ソーサ―ではいただきません。また紅茶の種類でもありません。マグカップに紅茶の茶葉ではなく、ティバッグで濃く入れた紅茶、これがビルダーズティです。濃い淹れた紅茶にミルクを入れ、お好みで砂糖を加えて飲むそうです。紅茶は濃くして飲むのが好みなのですが、最近のロンドンのホテルで朝食時にストロングティと言ってもあまり濃くしてくれません。紅茶は濃く、ミルクを入れて飲む、それがイギリスの紅茶の思い出でしたが変わりつつあるようです。
 
  • Builder's Tea~イギリスの紅茶のこだわり
  • Builder's Tea~イギリスの紅茶のこだわり

ビルダーズティはホーキング博士のお好み

ビルダーズティの言葉を聞いてから、そんなものがほんとうにあるのかなと思っていたら、ある映画を観ていたらその言葉が出てきました。映画「博士と彼女のセオリー」は、イギリスのオックスフォード大学とケンブリッジ大学の大学院で学んだホーキング博士のお話です。ALS-筋萎縮性側索硬化症を発症しながら、宇宙の誕生の解明の研究に生涯捧げたホーキング博士。最初は普通の生活を送り、23才でジェーンと結婚しましたが、その病気は進行していきます。ホーキング博士を支え続けるジェーンでしたが、精魂尽き果てていました。

車椅子の生活、やがて肺炎のため気管切開をして博士は声を失います。瞳で文字を追うスペリングボードでコミュニケーションはかるようになった頃、家にやって来た新しい看護師のエレイン。その時の会話にビルダーズティの言葉が出てきました。エレインはホーキング博士の好みの紅茶をビルダーズティと当てます。それを見てビルダーズティはけして建設現場のものだけではなく、好みの紅茶の淹れ方なんだと気づきました。そのエレインとやがて再婚するのも、エレインとのその時のコミュニケーションがきっかけだったと思われます。
 
  • Builder's Tea~イギリスの紅茶のこだわり

ビルダーズティの最近の人気

ロンドンでは紅茶の専門店よりコーヒーの専門店を多く見かけます。Costa Coffee、Caffe NERO、Greggs、Pret a Manger、STARBUCKSとチェーン店の看板はあちらこちらに見えました。紅茶の専門店はコヴェントガーデンにウィッタードのティルームがありましたが、本格的な紅茶を飲むにはホテルなどのアフタヌーンティに行くしかなさそうです。

建設現場でビルダーズティは飲まれないとも言われ、俗語辞典からもビルダーズティは削除されたそうです。でも家庭で飲む紅茶にビルダーズティがありました。できれば欠けたマグカップにたっぷりのミルクと白砂糖を山盛り入れて、ビスケット2枚。ビルダーズティはイギリスの労働者階級の典型的なティタイムだったようです。

疲れた身体に熱い紅茶は理に適っています。紅茶には心を落ちつかせる作用が確かにあります。もう今はないのですが銀座の角にあったイギリスの紅茶の老舗で、真夏の暑い日の午後イベントをした時のことです。イベントが終わった後大きなポットで淹れた紅茶をいただきました。このひと口がどれだけ美味しくて、リフレッシュできたことでしょう。暑い日に熱く濃い紅茶。疲れが吹き飛んだ1杯でした。